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令和2年度 教育行政執行方針

はじめに

 令和2年第1回北斗市議会定例会の開会に当たり、教育委員会所管に関する執行方針について申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願いする次第であります。

 昨年は、天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位により、平成から新たな元号「令和」へと幕明けいたしました。
 激動の昭和、災害が多かった平成から令和へと時代が変わり、市民の皆様におかれましては、平和で災害のない時代を望んでおられると思います。
 今年は、平和の祭典である夏季オリンピック・パラリンピック競技大会が、56年ぶりに日本で開催されることとなっております。
 昨年のラグビーワールドカップに引き続き世界各国から多くのアスリートや観客が日本各地を訪れ、大きな盛り上がりが期待されるところであります。

 教育分野におきましては、平成30年度に制定した北斗市教育大綱の趣旨であります、SDGsの理念に基づき、『一人も取り残さない』という考え方を念頭に市民の皆様方と協力しながら、さらなる教育の充実に努めていかなければならないと考えております。
 また、予想を超える人口減少の急速な進展とともに、社会が超情報化時代へと変容することにより、さまざまな分野において多くの問題や課題も発生しております。
 このような新たな時代に対応していくためには教育における役割を認識し、魅力あるまちづくり、生きがいのある生活を送れるまちづくりに努めていかなければならないと考えております。

学校教育の推進

1 社会で生きていく実践的な力の育成

 新学習指導要領が全面実施される小学校では、新たに高学年において英語が「教科化」され、小学校から中学校への接続と実用的英語を身に着けさせることが大きな課題でありますが、小学校1年生から英語に親しむ環境づくりを行い、中学校3年生までの9年間を見通した英語教育に取り組むために、英語検定における検定料の助成を実施してまいります。
 プログラミング教育についても、小学校から新たに取り組まなければなりませんが、教職員に対しての研修や、北斗市としての取組み内容について検討をすすめ、北斗スタンダードを確立していくとともに、子どもたちがプログラミング教育について興味・関心を持って積極的に取り組んでもらえるための教材開発を進めてまいります。
 また、正式な教科となる道徳については、「がん教育」を通じて、「生命の尊さ」、「生活行動が関わって起こる病気の予防」、「日常生活や学習への適応及び健康安全」などを学び、命の大切さを子どもたちと共に考えていくことについて、小学校段階においても取組みを進めていかなければならないと考えております。

 コミュニティ・スクールについては、各学校が実施する事業や中学校区内で小学校と中学校が連携した事業を行い、学校と地域住民がより良い連携を図らなければなりません。
 その事業の一つとして、土曜授業の中で、地域とともに防災意識の向上を図りながら推進してまいります。
 また、コミュニティ・スクール推進事業補助金についても9校から12校へと拡大してまいります。

 特別な支援を要する子どもたちについては、インクルーシブ教育の観点からも、令和元年度で上磯小学校にエレベーターを設置したところであります。
 また、全学校にICT教育環境が整備されたことから、支援を要する子どもたちに対し、より効果的な授業展開を研究するとともに学校生活におけるさまざまな問題や困りごとについて、相談できる体制の強化を図ってまいります。

 教職員の働き方改革については、北斗市働き方改革プランに基づき、部活動の休日設定や保護者対応における役割分担をしっかり実施していくとともに、ICT機器を活用した教材成果や資料の共有化による事務処理の軽減、小学校高学年においては、中学校との接続も考え、教科担任制について今まで以上に増やしていかなければならないと考えております。
 また、教職員の勤務時間の管理については、タイムレコーダーを導入し、管理職による勤務時間の適正な把握と教職員自らによる時間外勤務についての意識の高揚を図ってまいります。

2 豊かな心と健やかな体の育成

 子どもたちが、明るく楽しい学校生活を送るためには、授業がわかること、人を思いやること、そして自らが健康であることが大事であります。
 子どもたちが、学校生活、社会に出て生活をしていく上において、学力とコミュニケーション能力が重要となりますが、家庭環境やその子の持っている資質に違いがあることから、画一的な指導をしていくことには問題が生じることになります。
 豊かな心の育成については、素晴らしい音楽を聴いて、美しい景色や絵画を見て感動する心、何かを体験して充実感を得ることなど、多くの活動の中から、一人ひとりの可能性を引き出すことによって、子どもたちの自尊感情を高めることが大切でありますが、学校教育だけでは限界もあることから、家庭・地域における協力や社会教育活動において対応していかなければならないと考えております。

 健やかな体の育成については、令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果において、小学校男女、中学校男子で全国平均を超える数値となっており、中学校女子については、今まで大きく全国平均を下回っておりましたが、今回の調査では、全国平均とほぼ同じ水準まで上昇しております。
 これについては、はっきりとした分析は出来ておりませんが、ラジオ体操の習慣化や学校における授業改善の成果ではないかと考えております。
 今後におきましても、体育の授業にタブレットを活用しながら、子どもたちが楽しく運動に取り組める授業づくりを進めてまいります。

3 信頼される学校づくりの推進

 社会が大きく変容していく中で、今までの常識やモラルについても変化が生じてきており、個々の考え方や生活習慣によって、それぞれの価値観が多岐にわたっております。
 子どもたちが健やかに育っていく過程において、学校での指導はもちろんでありますが、家庭における教育と連携していかなければなりません。
 そのため学校は、子どもの家庭環境や保護者の考え方等について理解を示したうえで、学校としての指導方針を明確に伝えていくことや、個々の子どもにあった指導や助言を行うことが、学校に対しての信頼を得ることになるのではないかと考えております。
 また、子どもたちが家庭や学校内での心配事や不安に対して、気軽に相談できる体制について見直しをしていかなければならないと考えております。

 災害や事故発生時における避難や応急処置については、日頃からの学習の中や土曜授業を活用して、地域住民とともに危機管理意識・防災意識を高めることが今まで以上に必要になってくると考えており、迅速な情報収集や的確な判断を行うためにも、外部講師等を招き必要な知識の習得にも力を入れていかなければなりません。
 さらに、学校は避難場所として活用されることから、避難住民に対して学校が対応できることなどについての意識の高揚や実際に何が出来るかを考えていくことも必要であります。

 学校施設については、多くの学校が建築時より20年以上経過していることから、長寿命化計画に基づき順次改修工事を進めており、今後におきましても継続して実施してまいります。
 また、計画的に進めている煙突アスベスト除去工事を上磯中学校で実施する予定であります。

 学校共同調理場については、子どもたちへの安心・安全な給食を提供していくためにも、大型調理機器の更新を順次進めてまいるとともに、事故などの発生がないよう衛生管理の徹底に努めてまいります。

社会教育の推進

1 北斗らしい生涯学習社会の実現

 社会教育は「生涯学習の理念」として、市民の皆様が豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会にあらゆる場所において学習することができなければなりません。
 昨今、高度な人工知能を有するロボットの出現、ビッグデータを活用した超情報化社会が目前に迫っており、人々の生活は便利で快適なものと変容しつつあります。
 反面、人口減少によるさまざまな問題が、ここ北斗市としても同様な事態に生じており、労働力人口の減少による外国人労働者の増加や高齢化の急速な進展といった問題に向き合っていかなくてはなりません。
 このような大きな変化の時代において社会教育の役割がますます重要になるものと考えております。
 また、子どもたちが学校教育だけでなく、地域住民との関わりやさまざまな体験活動をおこなうことにより、自尊感情の向上やコミュニケーション能力の向上に寄与するものと考えております。

 北斗市においては、各種文化・スポーツ団体、サークルにおいて自主的な活動が進められているところでありますが、人口減少や個人の趣味等が多様化してきており、団体等への加盟会員が減少傾向にあります。
 サークルの紹介や体験活動として「子どもチャレンジ講座」や「学習体験ひろば」等の事業を実施しておりますが、今後におきましては、音楽を生かした体験活動など新しい取組みを行い、これからの時代におけるニーズに対応したものにしていかなければならないと考えております。

 施設改修事業については、主なものとして総合文化センターでは、冷却塔更新工事、小ホール音響設備改修工事となり、公民館におきましては、機械室暖房管更新工事、外灯改修工事、体育施設では各施設のトイレ改修工事、萩野地区プール鉄骨改修工事、市民プール天窓改修工事、浜分体育センターカーテン更新工事等について実施する予定としております。

 青少年の健全育成については、幼少期における家庭教育が基本であることから、関係部署との連携を密にして、家庭教育における学習機会の提供に努めていかなければならないと考えております。
 また、学校で進めているコミュニティ・スクールとの連携を図り、地域や家庭と関わりを強め、子どもたちの健全育成に努めていかなければならないと考えております。
 「青少年の主張大会」や「子ども議会」の実施により、子どもたちが地域のことに関心を持つとともに、まちづくりに対する興味・関心を持つことが、成人への自覚を持つことに繋がっていくものと思っております。
 さらには、これからの国際社会において、SDGsの理念に基づき、社会教育事業を通じて取り組んでいかなければならないと考えております。

 図書館については、情報化の発達と進展に伴い、いつでも、どこでも必要な情報が入手できる時代となり、図書館利用者が若干の減少傾向にあります。
 しかしながら、インターネットを介した情報検索では、望む情報のみしか入手できず、一方向からの情報に偏る傾向にもあります。
 図書館の役割は、時代の変容とともに、変わっていかなければなりませんが、多くの選択肢の中から自らが選び、読書をする時間が人間形成をする上で重要なことだと思います。
ブックスタートを通して、子どもの時から本に親しむ環境づくりを進めるとともに、図書館事業に関わるボランティアの育成にも努めていかなければならないと考えております。

 文化財については、郷土資料館における常設展示や特別展示において興味・関心を持っていただけるような事業展開を実施します。
 無形民俗文化財の「上磯奴」「有川天満ばやし」「大野ぎおんばやし」などは、「ほくほく講座事業」を活用しながら学校との連携を図り、地域の貴重な文化財の伝承に努めます。
また、「ほくと学ジュニア検定」などの事業を通じて子どもたちに北斗市の歴史や魅力を知ってもらい子どもたちへ郷土愛を育むふるさと教育にも寄与していかなければならないと考えております。

 スポーツ活動については、市民の皆様が生涯において明るく健康で過ごしていくために、スポーツの楽しみや必要性を理解し、実践していくことが必要であります。

 体育館の管理運営については、平成30年度より民間事業者を指定管理者とし、民間における自由な発想と市民の皆様のニーズにあったスポーツ教室を幼児から高齢者まで提供してまいりましたが、今後におきましては、スポーツをすることの重要性とともに、健康管理面における関心を持っていただき、スポーツという観点も大切ですが市民の皆様が、気軽に楽しく体を動かす機会の提供にも努めていかなければならないと考えております。

 また、ラジオ体操については、小中学校において正しいラジオ体操が浸透しております。
 近年では、幼稚園や保育園におきましても運動指導の中でラジオ体操を取り入れてきており、さらなるラジオ体操の普及に努めてまいります。

むすびに

 いま、社会では予想を超える人口減少の急速な進展や、超情報化時代へと変容することにより、さまざまな分野において多くの問題や課題が発生しておりますが、学校教育においても戦後最大の教育改革が行われます。
 新学習指導要領が新年度から小学校で全面実施となり、従来の知識を習得することが重要という考え方から、物事を論理的に考える力、自ら課題を探し解決する能力、コミュニケーション能力を身に着けることが重要であるとされております。
 また、国際社会で対応してくためには、SDGsの理念について、子どもたちや、市民に対して、周知していくことが必要なことと考えます。
 学校・社会教育事業の中でSDGsということを念頭に置きながら事業を進めてまいりたいと考えておりますので、行政・学校はもちろんでありますが、市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 北斗市が今後ますます発展していくためにも、これからの時代を担っていく子どもたちが、健やかに育っていくことを願い、教育の充実に誠心誠意努力してまいる所存であります。

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