北斗市において、1年間の予算がどのように使われたかを、わかりやすくご紹介します。
令和3年度における決算額
市の財政では、一般会計・特別会計・公営企業会計という3つの財布を持っていますが、ここでは一番身近な財布である一般会計の決算について取り扱います。
歳入 | 歳出 | ||
---|---|---|---|
地方交付税 | 64億5,364万円 | 扶助費 | 74億9,573万円 |
市税 | 52億2,851万円 | 補助費等 | 34億8,396万円 |
国庫支出金 | 59億8,128万円 | 物件費 | 31億5,438万円 |
市債 | 10億9,232万円 | 普通建設事業費 | 21億136万円 |
道支出金 | 17億2,674万円 | 人件費 | 23億5,312万円 |
地方消費税交付金 | 11億2,385万円 | 公債費 | 19億4,122万円 |
使用料及び手数料 | 4億1,217万円 | 繰出金 | 14億9,390万円 |
その他 |
28億8,105万円 |
その他 | 23億1,285万円 |
歳入の合計 | 248億9,956万円 | 歳出の合計 | 243億3,652万円 |
歳出決算を市民一人あたりにするとどれくらい?
一般会計の歳出決算を市民一人あたりに換算すると約54万4,283円になります。
内容 | 令和3年度決算額 | 市民1人あたりの決算額 | ||
---|---|---|---|---|
【民生費】 |
|
86億円 | 35.4% | 192,676円 |
【土木費】 | ![]() |
29億円 | 11.9% | 64,879円 |
【教育費】 | ![]() |
15億円 | 6.3% | 34,018円 |
【公債費】 | ![]() |
19億円 | 8.0% | 43,434円 |
【職員給与費】 | ![]() |
19億円 | 7.9% | 42,998円 |
【消防費】 | ![]() |
9億円 | 3.6% | 19,594円 |
【総務費】 | ![]() |
43億円 | 17.6% | 95,793円 |
【衛生費】 | ![]() |
11億円 | 4.5% | 24,874円 |
【その他】 |
![]() |
12億円 | 4.8% | 26,017円 |
合計 | 243億円 | 100% | 544,283円 |
これまでの北斗市の歳出決算の推移
総務費が前年度に比べて26億円減となっています。これは前年度実施した特別定額給付金が今年度は実施されなかったことによるものです。
令和3年度の主要事業
公衆wi-fi環境整備事業
災害時に避難所として使用される可能性のある住民センターなど26施設に公衆wi-fi環境を整備
ごみ分別アプリ導入事業
ごみ分別方法やごみ収集日などの情報を配信するスマートフォン向けアプリの導入
木育奨励品贈呈事業
地元の間伐材などを活用した木製玩具を新生児への記念品として贈呈
令和3年度地方消費税交付金が充てられる社会保障4経費その他社会保障施策に要する経費
引上げ分に係る地方消費税収は、社会福祉、社会保険及び保健衛生に関する事業に要する経費に充てることとされています。
北斗市における令和3年度地方消費税交付金(社会保障財源化分)の使途は、以下(PDF)のとおりとなっています。
市債(市の借金)と基金(市の貯金)
北斗市の市債残高
総額は約144億円で、一番多かった平成18年度と比較して約67億円減少しています。
どうして借金をするの?
整備などに多くのお金が必要な公共施設は、現在の市民の皆さんだけではなく、将来の市民の皆さんも利用するものでもあるので、平等に負担をするという「負担の公平性」を図る観点から、市の借金である市債を活用します。
基金の種類
予期しない収入減や支出増に備えて、積み立てておく財政調整基金のほか、北斗市における公共施設の長寿命化を図るための資金に充てるために積み立てておく公共施設長寿命化整備基金や子育てや福祉、教育などそれぞれの目的の事業に充てるために積み立てておく特定目的基金などがあり、全部で17の基金があります。
北斗市の財政調整基金残高
基金残高は、約39億円です。市町村合併時の平成18年度から約2倍以上となっています。
どうして貯金をするの?
市税などの収入は、経済の状況により変化し、一定ではありません。また、大規模な地震などの災害もいつ訪れるかわかりません。安定した市民サービスを継続して提供していくためには、そのような災害や急激な経済情勢の悪化など、不測の事態にも備えておく必要があるからです。
財政指標
経常収支比率とは?
自由に使えるお金がどのくらいかを表したもので、低いほど自由に使えるお金が多くなり、市民ニーズに的確に応えることが可能となります。
減らすことが難しい経費が増えた原因は?
毎年の支出が義務づけられ、削減することが難しい経費(義務的経費)のうち、少子高齢化の影響により扶助費が一昔前と比較して増えたことが原因となっています。
健全化判断比率
地方公共団体の財政状況を統一的な指標で明らかにし、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するための、実質公債費比率、将来負担比率、実質赤字比率、連結実質赤字比率の4つの指標のことをいいます。
- 各年度における健全化判断比率は「健全化判断比率及び資金不足比率(ページリンク)」をご覧ください。
実質公債費比率
年間収入に対し、借金の返済額が占める割合を示すものです。25%以上で早期健全化基準というイエローカード状態、35%以上で財政再生基準というレッドカード状態になりますが、北斗市の比率は4.3%と良好な状態を維持しています。
将来負担比率・実質赤字比率・連結実質赤字比率
将来負担比率は、今後返済が必要な借金等の総額が、収入の何倍に相当するかを示すものです。実質赤字比率は一番身近な財布である一般会計等が赤字かどうかを示すものをいいます。連結実質赤字比率は、一般会計・特別会計・公営企業会計の3つの財布全体で赤字かどうかを示すものをいいます。北斗市ではいずれの比率も発生していません。
市の心配事…
市の財政状況は良好ですが、心配事が全くないわけではありません。
1.福祉・医療にかかる費用が増加しています。
今後も高齢化が進み、必要とされる医療・介護サービスの量が増えて、扶助費の割合が高くなることが予想されます。
2.公共施設等の建て替えなどにたくさんのお金が必要です。
平成29年3月に策定した「北斗市公共施設等総合管理計画」では現在保有する公共施設等を、同じ規模で修繕あるいは建て替えようとすると、年平均で24.1億円の費用が必要となると見込みました。これは、近年の施設の整備・改修にかかる経費15.8億円の約1.5倍にあたります。
平成29年度の「統一的基準に基づく財務書類」によると、北斗市の資産老朽化率は50.7%となっており、これは現在市が保有している施設の約半分が帳簿上の価値を失っていることを表しています。
今後、施設の改修や建て替えが必要になってきますが、すべての公共施設を将来も同じように維持することは、財政上大変厳しいため、北斗市では公共施設等総合管理計画において、2055年までに施設保有面積の20~25%を削減することを計画しています。
- 北斗市公共施設等総合管理計画を詳しくご覧になりたい方はこちらをクリックして下さい⇒北斗市公共施設等総合管理計画
- 統一的な基準による財務書類を詳しくご覧になりたい方はこちらをクリックして下さい⇒統一的な基準による財務書類
3.人口減少により、税収の大幅な増加は見込めません。
これらの心配事を跳ね除けるために…
これらの心配事を跳ね除け、北斗市の財政を良好な状況に維持するため、「第2次北斗市総合計画」では「時代に対応した持続的で効率的な行財政運営」を基本計画の一つに掲げ、毎年現状と計画のずれがないかをチェックしながら、進捗管理を行なっています。
基本計画34「時代に対応した持続的で効率的な行財政運営」(第2次北斗市総合計画より抜粋)
成果指標
No. | 指標名及び説明 | 現状値(平成28年度) | 将来目標値 |
---|---|---|---|
1 | 経常収支比率 | 88.6% | ↓ |
2 | 実質公債費比率 | 5.8% | ↓ |
主要施策
- 組織体制の強化と人材育成
- 財政状況等の公表
- 健全な財政運営
- 第2次北斗市総合計画について詳しくは「第2次北斗市総合計画(ページリンク)」をご覧ください。