北斗市において、1年間の予算がどのように使われたかを、わかりやすくご紹介します。
令和5年度における決算額
市の財政では、一般会計・特別会計・公営企業会計という3つの財布を持っていますが、ここでは一番身近な財布である一般会計の決算について取り扱います。
歳入 | 歳出 | ||
---|---|---|---|
地方交付税 | 64億2507万円 | 扶助費 | 71億1422万円 |
市税 | 54億2203万円 | 補助費等 | 33億6982万円 |
国庫支出金 | 52億8571万円 | 物件費 | 33億6699万円 |
市債 | 11億1618万円 | 普通建設事業費 | 25億0975万円 |
道支出金 | 18億5981万円 | 人件費 | 22億9123万円 |
地方消費税交付金 | 11億5040万円 | 公債費 | 18億6228万円 |
使用料及び手数料 | 3億7720万円 | 繰出金 | 14億4644万円 |
その他 |
26億2942万円 |
その他 | 15億4936万円 |
歳入の合計 | 242億6582万円 | 歳出の合計 | 235億1009万円 |
歳出決算を市民一人あたりにするとどれくらい?
一般会計の歳出決算を市民一人あたりに換算すると約54万3547円になります。
内容 | 令和5年度決算額 | 市民1人あたりの決算額 | ||
---|---|---|---|---|
【民生費】 |
保育所の運営費などの子育てに関するものや小児医療、高齢者や障がい者などの福祉に使われます。 |
88億円 | 37.4% | 203,287円 |
【土木費】 | 道路や橋を整備したり、公園の整備や管理などに使われます。 | 29億円 | 12.3% | 66,313円 |
【教育費】 | 幼稚園や小・中学校、また公民館、図書館、スポーツ施設の整備や運営に使われます。 | 17億円 | 7.2% | 39,135円 |
【公債費】 | 大きな施設や道路をつくるときに、国や銀行などから借り入れたお金の返済に使われます。 | 19億円 | 8.1% | 42,940円 |
【職員給与費】 | 市長や教育長などの特別職や市職員(一般職・非常勤)の給料や諸手当などに使われます。 | 18億円 | 7.7% | 42,940円 |
【消防費】 | 南渡島消防事務組合に対する負担金や災害対策に関する事業に使われます。 | 10億円 | 4.3% | 24,460円 |
【総務費】 | 市役所等の管理や広報ほくとの発行、税金の徴収や住民票の発行などに使われます。 | 28億円 | 11.9% | 64,682円 |
【衛生費】 | ごみを集めたり処理したりする経費や健康診断や予防接種などに使われます。 | 12億円 | 5.1% | 28,264円 |
【その他】 |
市議会運営や農業、商業、観光等に関する経費として使われます。 | 14億円 | 6.0% | 31,526円 |
合計 | 235億円 | 100% | 543,547円 |
これまでの北斗市の歳出決算の推移
令和5年度の主要事業
統一制服購入費の補助
市内中学校に転入学する生徒が統一制服を購入する費用の補助を行いました。
高校生対象合同企業説明会の開催
高校3年生を対象に、人手不足に悩む市内企業の採用機会の創出を行いました。
六次産業化に向けた取組への補助
六次産業化に取り組む農林漁業者に対し、施設の建設費用等の一部補助を行いました。
令和5年度地方消費税交付金が充てられる社会保障4経費その他社会保障施策に要する経費
引上げ分に係る地方消費税収は、社会福祉、社会保険及び保健衛生に関する事業に要する経費に充てることとされています。
北斗市における令和5年度地方消費税交付金(社会保障財源化分)の使途は、以下(PDF)のとおりとなっています。
市債(市の借金)と基金(市の貯金)
北斗市の市債残高
総額は約128億円で、一番多かった平成18年度と比較して約83億円減少しています。
どうして借金をするの?
整備などに多くのお金が必要な公共施設は、現在の市民の皆さんだけではなく、将来の市民の皆さんも利用するものでもあるので、平等に負担をするという「負担の公平性」を図る観点から、市の借金である市債を活用します。
基金の種類
予期しない収入減や支出増に備えて、積み立てておく財政調整基金のほか、北斗市における公共施設の長寿命化を図るための資金に充てるために積み立てておく公共施設長寿命化整備基金や子育てや福祉、教育などそれぞれの目的の事業に充てるために積み立てておく特定目的基金などがあり、全部で16の基金があります。
北斗市の財政調整基金残高
基金残高は、約41億円です。市町村合併時の平成18年度から約2倍以上となっています。
どうして貯金をするの?
市税などの収入は、経済の状況により変化し、一定ではありません。また、大規模な地震などの災害もいつ訪れるかわかりません。安定した市民サービスを継続して提供していくためには、そのような災害や急激な経済情勢の悪化など、不測の事態にも備えておく必要があるからです。
財政指標
経常収支比率とは?
自由に使えるお金がどのくらいかを表したもので、低いほど自由に使えるお金が多くなり、市民ニーズに的確に応えることが可能となります。
減らすことが難しい経費が増えた原因は?
毎年の支出が義務づけられ、削減することが難しい経費(義務的経費)のうち、少子高齢化の影響により扶助費が一昔前と比較して増えたことが原因となっています。
健全化判断比率
地方公共団体の財政状況を統一的な指標で明らかにし、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するための、実質公債費比率、将来負担比率、実質赤字比率、連結実質赤字比率の4つの指標のことをいいます。
- 各年度における健全化判断比率は「健全化判断比率及び資金不足比率(ページリンク)」をご覧ください。
実質公債費比率
年間収入に対し、借金の返済額が占める割合を示すものです。25%以上で早期健全化基準というイエローカード状態、35%以上で財政再生基準というレッドカード状態になりますが、北斗市の比率は5.6%と良好な状態を維持しています。
将来負担比率・実質赤字比率・連結実質赤字比率
将来負担比率は、今後返済が必要な借金等の総額が、収入の何倍に相当するかを示すものです。実質赤字比率は一番身近な財布である一般会計等が赤字かどうかを示すものをいいます。連結実質赤字比率は、一般会計・特別会計・公営企業会計の3つの財布全体で赤字かどうかを示すものをいいます。北斗市ではいずれの比率も発生していません。
市の心配事…
市の財政状況は良好ですが、心配事が全くないわけではありません。
1.福祉・医療にかかる費用が増加しています。
今後も高齢化が進み、必要とされる医療・介護サービスの量が増えて、扶助費の割合が高くなることが予想されます。
2.公共施設等の建て替えなどにたくさんのお金が必要です。
平成29年3月に策定した「北斗市公共施設等総合管理計画」では現在保有する公共施設等を、同じ規模で修繕あるいは建て替えようとすると、年平均で24.1億円の費用が必要となると見込みました。これは、近年の施設の整備・改修にかかる経費15.8億円の約1.5倍にあたります。
平成29年度の「統一的基準に基づく財務書類」によると、北斗市の資産老朽化率は50.7%となっており、これは現在市が保有している施設の約半分が帳簿上の価値を失っていることを表しています。
今後、施設の改修や建て替えが必要になってきますが、すべての公共施設を将来も同じように維持することは、財政上大変厳しいため、北斗市では公共施設等総合管理計画において、2055年までに施設保有面積の20~25%を削減することを計画しています。
- 北斗市公共施設等総合管理計画を詳しくご覧になりたい方はこちらをクリックして下さい⇒北斗市公共施設等総合管理計画
- 統一的な基準による財務書類を詳しくご覧になりたい方はこちらをクリックして下さい⇒統一的な基準による財務書類
3.人口減少により、税収の大幅な増加は見込めません。
これらの心配事を跳ね除けるために…
これらの心配事を跳ね除け、北斗市の財政を良好な状況に維持するため、「第2次北斗市総合計画」では「時代に対応した持続的で効率的な行財政運営」を基本計画の一つに掲げ、毎年現状と計画のずれがないかをチェックしながら、進捗管理を行なっています。
基本計画34「時代に対応した持続的で効率的な行財政運営」(第2次北斗市総合計画より抜粋)
成果指標
No. | 指標名及び説明 | 現状値(平成28年度) | 将来目標値 |
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1 | 経常収支比率 | 88.6% | ↓ |
2 | 実質公債費比率 | 5.8% | ↓ |
主要施策
- 組織体制の強化と人材育成
- 財政状況等の公表
- 健全な財政運営
- 第2次北斗市総合計画について詳しくは「第2次北斗市総合計画(ページリンク)」をご覧ください。