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令和8年度 教育行政執行方針

はじめに

 令和8年第1回北斗市議会定例会の開会に当たり、北斗市教育委員会における教育行政の執行方針について申し上げさせていただきます。

 国は、令和7年12月に閣議決定された「令和8年度予算編成の基本方針」において、足元の景気は緩やかに回復している一方、滞在成長力は伸び悩み、賃金の伸びが物価上昇に追いつかず、食料品を中心とした物価上昇により、個人消費は力強さを欠いている現状から、戦略的な財政出動により官民が力を合わせ、社会課題の解決と暮らしの安全・安心を確保するとともに、滞在成長力を引き上げ強い経済を実現していくことを示したところです。また、教育施策については、質の高い公教育の再生や教育無償化への対応を進めるとしています。

 誕生から20年の節目を迎えた北斗市では、任期3期目を迎えた池田市長が目指すまちづくりとして、人口減少問題を最重要課題と捉え、物価高騰対策、地域経済の活性化、雇用対策、産業の振興など、すべての世代が安心して暮らせる、持続可能なまちづくりのため、市政執行方針で述べられた各種施策について、取り組んでいるところです。

 教育委員会では、こうした国の動きや本市の方針を踏まえつつ、本年3月に改訂となる「北斗市教育大綱」に基づき、持続可能な社会の担い手として、将来の予測が困難な時代を生き抜く力を育む教育の推進に向け、ふるさとを愛し、そして世界へはばたく子どもたちの育成と、文化・芸術・スポーツに親しみ、誰もがいきがいを持てる教育の推進に努めてまいります。

学校教育の推進

1 社会で活躍する力を育む教育活動の推進

 はじめに、「北斗市教育大綱」の基本方針である、「社会で活躍する力を育む教育活動の推進」について申し上げます。

 令和7年度に周辺機器とともに更新したタブレット端末については、特別な支援を必要とする児童生徒を含め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、資質・能力が一層に育成できる教育環境を実現するものであり、子どもたちの「確かな学力を育む教育」の推進のため、更なる効果的な活用を進め、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に向けた授業改善に取り組んでまいります。
 また、教員の負担軽減を図り、教員が児童生徒への指導や教材研究などに注力できるように配置している本市独自の教員配置については、きめ細やかな指導を行うための少人数補助教員のほか、複式学級補助教員などを引き続き配置するほか、新年度から学習支援員の配置を拡充し、一人ひとりに適した学習指導の更なる充実に努めてまいります。

 全国学力・学習状況調査については、差は縮まりつつあるものの、引き続き全国平均を下回っております。この調査は、限られた学年と教科のみの調査であり、また、学習指導要領の内容すべてを網羅するものではないことから、その結果のみで学校や児童生徒を評価できるものではありませんが、その上で、令和7年度の学力結果の分析では、全般的に基本を理解しているが文章にできない、説明できないなど、読解力が低い傾向が見受けられたところです。
 新年度においては、分析結果や個々の実態を踏まえ、各学校および児童生徒一人ひとりの弱点の克服を図るほか、授業の質の向上、授業改善プロジェクトなどによる組織的な学習指導の工夫・改善を推進するとともに、保護者の皆さまのご理解とご協力のもと、家庭学習を含む学習意欲の向上を図ってまいります。

 多様化・複雑化する現代社会での学校運営については、学校・家庭・地域が連携・協働することが重要であり、子どもたちを取り巻く課題の解決に向け、児童生徒の学習および体験活動の更なる充実を図り、子どもたちの「豊かな心と健やかな体を育む教育」を推進してまいります。
 また、多様な学習、文化やスポーツ、体育活動の機会を設けるとともに、通常の教育課程に加えた教育環境を提供する「土曜授業」については、地域の特性などを十分に念頭に置き、それぞれの学校における選択制を新年度においても継続します。

 児童生徒一人ひとりが、持続可能な社会の担い手となることができるよう、子どもたちの資質・能力の育成を着実に進めることが求められている中で、道徳教育は、自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、道徳的な判断力、心情、実践意欲などを育てるものであり、問題解決的な学習のほか、道徳的行為に関する体験的な学習などを適切に取り入れ、主体的・対話的で深い学びにつながる教育を今後も推進してまいります。

2 誰一人取り残さない教育環境の整備と充実の推進

 次に、「誰一人取り残さない教育環境の整備と充実の推進」について申し上げます。

 令和6年度、全国のいじめの認知件数については過去最多となり、令和3年度から4年連続して増加しています。また、全国の不登校児童生徒数についても、増加率の低下が見られる一方で、過去最多の人数となったところです。
 いじめや不登校児童生徒への対応については、それぞれの学校において、各種法令等を踏まえた対策マニュアルに基づき対応しておりますが、組織的対応の徹底と未然防止、早期発見、早期対応が重要であり、子どもたちとのコミュニケーションをより一層図るための定期的な教育相談の実施、校内支援センターの設置と充実のほか、オンライン授業、教育支援センター、特認校制度活用などについて引き続き実施してまいります。
 国では、不登校児童生徒数が急増していることを背景として、不登校特例校、いわゆる「学びの多様化学校」の設置を促進しています。本市では、不登校、または不登校の傾向にある児童生徒に対する教育機会の確保等を推進するため、適応指導教室を設置しているところですが、今後、「学びの多様化学校」について検討・協議を進め、本市の児童生徒が等しく学びの機会を得られるよう努めてまいります。

 全国の特別支援学級に在籍する児童生徒数は年々増加しており、本市については、令和7年度の割合が全児童生徒の約6パーセントであり、特に学級数では、その割合が全学級数の約3割を占めています。このような状況において、共生社会の実現に向けたインクルーシブ教育システム構築のため、特別支援教育の推進は欠かせないものです。
 新年度においても、在籍児童生徒数が増加傾向にある通級指導教室を含め、教育相談や就学相談を適切に実施し、本人および保護者に十分な情報を提供するとともに、本人、保護者、学校、教育委員会等が、子ども一人ひとりの教育的ニーズを把握し、必要な支援について合意形成を図り、適正な指導、支援を実施してまいります。

 国は、教職員の働き方改革の推進について、一層の加速化を図るため、令和7年6月に給特法等改正法を公布したところです。教育委員会では、市内小中学校における更なる学校教育の質の向上に向け、また、教育の担い手である教職員が安心して授業や学校運営等に集中できる環境づくりを進めるため、引き続き学校における働き方改革、学校の指導・運営体制の充実に努めてまいります。
 また、学校部活動の地域展開については、国が策定した「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」、道が策定した「北海道部活動の地域移行に関する推進計画」、また、児童生徒や保護者を対象として道が実施した部活動の地域展開についての意向に関するアンケート調査結果を踏まえ、本市に適した休日の地域展開などに着手できるよう取り組んでまいります。

3 ふるさと「北斗」に誇りを持てる教育の推進

 次に、「ふるさと「北斗」に誇りを持てる教育の推進」について申し上げます。

 本市では、少子化と人口減少問題への対応を最優先課題とし、若年層の流出抑制に向けた取組みなど、将来にわたって活力あるまちの実現を目指すため、人口減少の抑制に努めています。教育分野においても、本市の歴史や文化、自然、環境等に興味を持ち、より一層の郷土愛を育むことが重要であり、新年度においても、小学校社会科副読本を活用した「ほくと学ジュニア検定」を実施するほか、郷土を素材とした体験的な活動などにより、協働して探究活動に取り組む姿勢を育むふるさと教育を引き続き推進してまいります。

 児童生徒が集団の中で、多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて、一人ひとりの資質や能力を伸ばしていくという特質を踏まえると、学校は一定の規模を確保することが望ましいとされています。しかしながら、学校は地域のコミュニティの核として、また、防災、保育、地域の交流の場などの機能も併せ持っています。
 学校の統廃合については、全国的な少子化の進行を鑑みると喫緊の課題であり、本市の小規模校における在校生の現状を踏まえると学校運営が厳しい状況にありますが、一方では、不登校児童生徒への対応の一端を担う特認校制度を利用している児童生徒が一定数いることなど、小規模校の必要性・重要性も考慮しなければなりません。今後も、学校運営や本市の財政運営への影響、廃校校舎の利活用についてなどの諸課題を解決するため、保護者の皆さまや地域の方々との共通理解を深め、子ども目線を最優先とした協議を重ねてまいります。

 学校施設の整備については、猛暑による熱中症防止対策として実施した市内小中学校の空調設備設置が令和7年度で全校終了し、長期休業期間を従来の期間とするなど、子どもたちが心身ともに健やかに、安全で安心な学校生活が送れるよう、学校施設の長寿命化を図る老朽化対策を引き続き行ってまいります。
 新年度は、上磯小学校の多目的トイレ新設事業のほか、大野中学校の暖房集中制御装置更新事業を実施し、子どもたちが安全・安心に学べる環境づくりに努めてまいります。

 学校給食共同調理場については、安全で安心な給食を提供するとともに、地産地消の取組みのほか、子どもたちの食生活に関する正しい知識と望ましい食習慣の定着を図るため、栄養教諭と連携した食育指導を引き続き実施してまいります。
 家計に深刻な影響を与えている物価高騰対策として、また、子育て世帯への支援策として令和7年8月から国に先駆けて実施した学校給食費の無償化については、新年度においても継続します。また、学校給食費の無償化と同時期に開始した「市外小中学校児童生徒給食費軽減事業補助金」についても、継続実施することとしています。
 学校給食費の改定については、食材等の物価高騰による影響が引き続き顕著であること、および学校給食の質・量を維持するため、新年度においても学校給食費の改定を実施します。新たな料金は、小学校における4月からの国の支援基準額を上回る予定ではありますが、その差額については本市が負担し、保護者負担の軽減を引き続き図ってまいります。

生涯学習の推進

1 地域の教育力向上と生涯学習の推進

 次に、「地域の教育力向上と生涯学習の推進」について申し上げます。

 「人生100年時代」において、生涯学習は、より豊かで充実した人生を送るため、その重要性が高まっています。生涯学習とは、学校教育はもとより、家庭教育、社会教育、文化活動、スポーツ活動、ボランティア活動など、市民の皆さまが生涯にわたって行う学習活動であり、子どもから高齢者まで、生涯にわたり明るく元気な生活を送るため、いつでも楽しく学べる生涯学習社会に向けた環境づくりに引き続き取り組んでまいります。

 高齢化社会においては、価値観が多様化する中で、学習活動や社会参加活動を通じての心の豊かさや生きがいの充足の機会が求められるとともに、社会の変化に対応して、絶えず新たな知識や技術を習得する機会が必要です。また、お一人で暮らす高齢者の増加も背景として、地域社会において多世代が交流することの意義が再認識されています。
 生涯にわたる学習の場としての高齢者大学については、新年度においても、時代に即した幅広い学習機会を提供するとともに、新入学生の勧誘、オープンキャンパスの実施、健康づくりのための各種講座などのほか、世代間交流の充実などに引き続き努めてまいります。

 読書は、語彙力や読解力が身につくだけではなく、集中力や想像力、表現力、コミュニケーション力の向上など、多岐にわたる効果があります。また、多様性の現代において、読書による様々な分野の知識や知恵を得ることは、視野が広がることにつながり、社会生活や精神面にも良い影響を与えるものです。
 図書館については、地域の情報や学習活動の拠点であり、新年度は、図書システムの機器更新を行い更なる利用促進を図るほか、ホームページや広報による各種イベント情報の発信、蔵書検索や新刊・新着図書の案内の充実、「読書の通帳」の活用、「子ども読書マラソン」の実施、読書普及グループ等の育成など、引き続き利用者目線に立った図書館運営に努めてまいります。

2 市民が主体的にかかわる芸術・文化の振興とスポーツ活動の推進

 次に、「市民が主体的にかかわる芸術・文化の振興とスポーツ活動の推進」について申し上げます。

 文化芸術は、少子高齢化の進行による連帯意識の薄れや地域コミュニティが低下する中で、人と人を結び付け、相互に理解し、市民の皆さまの創造性を育み、心豊かな活力のある地域づくりに寄与するものです。今後も、音楽祭や音楽体験などの音楽関連イベントを行う「音楽のまち・ほくと」を掲げたまちづくり事業や市民文化祭など、文化や芸術の楽しさを市民の皆さまに感じてもらい、優れた文化や芸術に触れる機会の提供をより一層充実してまいります。

 文化施設の整備については、市民の皆さまが文化的な生活を行うための貴重なコミュニティ施設として機能していることから、安全で安心な施設として利用ができるよう、日常点検と定期点検に努め、引き続き延命化・老朽化対策を実施してまいります。
 新年度は、公民館の防煙壁更新事業のほか、文化センターの給水設備改修事業を実施するなど、引き続き「北斗市公共施設等総合管理計画」に基づく適切な維持管理に努めてまいります。

 本市の歴史や文化などを後世に伝える文化財については、市民共有の貴重な財産として大切に保存し、次の世代に引き継いでいかなければならないことから、ふるさと歴史講座の開催、保護団体の育成を推進するほか、郷土資料館の利活用など、郷土文化の情報提供を実施してまいります。

 生涯スポーツの推進については、市民の皆さまの体力向上と健康保持・増進のため、ラジオ体操の普及、市民スポーツの集い、各種健康づくり教室の開催など、体育施設指定管理者との連携を図り、身近なスポーツ活動の推進に努めてまいります。
 スポーツ施設については、新年度に、スポーツセンターのアリーナ床改修事業のほか、茂辺地体育センターの遠赤外線暖房機改修事業などを実施し、文化施設と同様に、適切な維持管理に努めてまいります。

むすびに

 以上、新年度の教育行政執行にあたっての基本方針を述べさせていただきました。

 社会構造の変化を背景として、子どもたちの抱える困難が多様化・複雑化する中で、学校は、一人ひとりの主体性や想像力を育み、それぞれの自己実現を目指し、持続可能な社会の創り手としての基盤となる資質・能力を育成する必要があります。現代社会においては、子どもたち一人ひとりのウェルビーイングを確保し、地域における学習などを通じて、市民の皆さまとの繋がりや関わりを作り出し、共感的・協調的な関係性に基づく地域コミュニティの基盤を作り上げることが求められています。

 教育委員会としましては、議員各位と市民の皆さまの、一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、地域の未来を担う子どもたちが、自らの可能性に挑戦できる学びの場を創出するため、また、市民の皆さまが健康で幸せを感じていただけるよう、積極的な教育行政の充実に努めてまいります。

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