はじめに
令和8年第1回北斗市議会定例会の開会に当たり、新年度の市政執行に臨む基本方針と施策の一端を申し上げます。
私は、本年1月に行われました北斗市長選挙により、引き続き市政を担わせていただくこととなりました。選挙期間、私の考えを訴え続けていく中で、北斗市のさらなる発展に向けて、市民の皆さまの市政に対する期待の大きさを実感し、改めてその責任の重さを痛感しております。
私は、市長に就任して以来、「みんなが住みよいまちづくり」の達成を基本目標に掲げ、市民目線に立ち、市民による市民のためのまちづくりの理念のもと、市政に取り組んでまいりました。これからも初心を忘れず、北斗市発展のため、全力で市政運営にあたる所存であります。
市長としての8年間を振り返りますと、SDGsの理念である「誰一人取り残さない社会の実現」に向けたまちづくりを推進し、「第2次北斗市総合計画」「第2期北斗市まち・ひと・しごと創生総合戦略」などの行政計画を着実に実行してまいりました。その結果、1期目及び2期目の当初に公約として掲げた各施策については、議員各位、そして市民の皆さまのご理解とご協力を賜り、その全てについて実施できたところであります。
一方で、この間、全世界で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症への対応のほか、国際情勢の緊迫化を背景とした原油価格上昇の影響による生活必需品などの物価高騰への対策といった、これまでに経験のない、長期化する事態への対応を迫られました。その他にも、市政を進める過程においては、日々、大小さまざまな課題に直面しましたが、一つ一つ確実に、また時にはスピード感をもって解決に努めてまいりました。
本市が抱える行政課題は、最優先課題である人口減少問題のほか、中長期的な財政課題として、少子高齢化の進行による社会保障費の増加や近年の物価高騰の影響による経常経費の上昇、さらには公共施設等の老朽化に伴う更新・改修費など、多額の財政需要が見込まれております。特に、日本全体において人口減少が進む中にあっては、限られた財源のもとで、より効率的かつ効果的な財政運営を行う必要がございます。持続的な自治体経営にあたりましては、財政推計を毎年度精査しながら、長期的な視野に立って市政にあたっていかなければならないと強く認識しております。
また、自然災害への対応をはじめとする万全な防災体制の構築についても、優先度の高い課題の一つです。地域防災力の向上を図るため、公共施設の適切な維持管理や避難所機能の充実、町内会を基本とした地域コミュニティとの連携強化などの施策を一層推進し、安全・安心なまちづくりを進めてまいります。
本年2月1日をもって、北斗市は誕生から20年の節目を迎えました。旧町それぞれの伝統と地域性を大切に継承し、合併を経て誕生した北斗市が、次の時代に向かって引き続き発展し、50年、100年と存続していけるよう、皆さまのお力添えのもと、持続可能なまちづくりを進めてまいります。
市政の基本方針
次に、市政の基本方針について申し上げます。本市が抱える行政課題は多岐にわたりますが、新年度においても、まずは「市民の皆さまの安全・安心な暮らし」を守ることを第一に、次の基本方針を定め、市政を着実に前へ進めてまいります。
第一は、最優先課題である少子化と人口減少社会への対応です。北斗市の強みである、手厚い住民サービス、子育て世帯への支援は継続しながら、出会い・結婚・妊娠・出産・子育てといった、それぞれのライフステージに応じた、あらゆる施策を展開し、人口減少の抑制に努め、若者層を引きつける活力と魅力に満ちた地域社会の実現に努めてまいります。
第二に、地域経済の活性化を図るため、地場産業の振興と新たな産業の創出に注力してまいります。北斗市は、各産業が特徴を生かし、田園工業都市として発展しておりますが、さらなる成長に向けた潜在的可能性はまだまだ大きいものがあると確信しております。その可能性を引き出すため、地域経済活動における環境に応じた各産業支援制度の充実を図るとともに、産業間における連携と相乗効果を高めることで、地域経済の持続的発展を力強く推進してまいります。
第三に、防災・減災対策の強化を図り、災害に強いまちづくりを着実に進めてまいります。昨年も全国各地で発生した、地震や大雨といった自然災害を新聞報道等で目にしました。また、昨年実施した大規模な防災総合訓練での成果等も踏まえながら、地域での防災力の向上を図り、市全域での防災体制を強化してまいります。
第四に、SDGsの理念を取り入れたまちづくりを進め、環境負荷の低減や脱炭素社会の実現に向けた施策を展開するほか、DXの推進による市民サービスの向上と業務の効率化を図り、未来を見据えた持続可能な行財政運営の実現を目指してまいります。
これらの基本方針のもと、市民との対話を重視した「協働のまちづくり」を念頭に、市民の安全・安心な生活を守り、未来の子や孫世代に負担を押し付けることのないよう、「住んでみたい、住んでよかった、住み続けたい」と感じられるまちづくりに努めてまいります。
主要施策の推進
次に、ただいま申し上げました市政の基本方針に基づき、新年度に取り組む主要な施策についてご説明申し上げます。
1 人口減少問題への取組み
第1は、「人口減少問題への取組み」についてであります。日本全体で人口は減少しておりますが、特に、地方における減少スピードは著しいものがあり、進学・就職等に伴う若年層の流出、子どもの出生数の減少に加え、高齢化の急速な進行が、地域経済や地方自治体の行政サービス維持に大きな影響を及ぼしております。これは、本市においても例外ではなく、国や道の施策と連携を図り、人口減少の速度を抑えながら充実した地域社会を創り持続させることは、市政を担うものとして、私に課せられた最優先課題であると強く認識しております。
令和6年以降、国内の年間出生数は、70万人を下回っており、本市の令和7年の出生数は167人で、合併以降、最大であった平成20年の440人と比較すると大幅に減少し、極めて深刻な状況にあります。国においては、全ての子ども・子育て世帯を対象に、出会いから妊娠・出産・子育てに至るまで、切れ目のない支援を行うことを基本として、関係省庁が連携し、各種施策を総合的に推進しているところです。
人口減少問題については、国の各種施策を注視したうえで、若者層から子育て世代を対象とした少子化対策として、出会い・結婚・妊娠・出産・子育てといったライフステージに応じた施策を展開するとともに、産業振興による雇用の場の確保など関連する施策の相乗効果が発現できるよう、粘り強く取り組んでまいります。
令和7年度から開始した、官民連携による「出会いとつながり創出事業」では、安心感のある男女の出会いの場となるよう、交流イベントを3回開催したところですが、大変盛況であったことから、官民連携によるメリットを生かし、男女の出会いを後押しする施策を継続してまいります。
妊娠を希望し、不妊治療を受けられる方には、市独自の制度として不妊治療費の助成を継続し、経済的負担の軽減を図っております。また、妊娠期から出産までの間において「妊婦等包括相談支援事業」による妊産婦へのきめ細やかな支援と令和7年度から開始した「1カ月児健康診査事業」による新生児・乳幼児の健康管理を一体的に実施し、安心して出産・子育てができる環境づくりを進めております。
子育て世帯に対しては、令和7年度から新たに保育園等の「第2子以降の保育料無償化」を実施しています。さらに、昨年8月からは「保育所等及び小中学校の給食費完全無償化」を国に先行して実施したところであり、DXの活用による各種申請等の手続きの効率化を含めた子育て世代の負担軽減を進めてまいります。
放課後児童クラブ運営事業については、保育人材の確保とサービスの持続的な提供を目的に、令和7年度から運営を民間事業者に移行したところですが、通学校区内に放課後児童クラブが設置されていない一部地域においては、学校から離れたクラブを利用する児童・保護者の負担軽減を図るため、送迎支援を新たに開始しております。今後も、開設場所の在り方を含めた体制の検討を進めるとともに、保護者が安心して子どもを預けられるよう利用環境の維持・向上に努めてまいります。
また、若年層の移住・定住を促す取組みとして、東京圏の大学生が北斗市内での就職活動を行う際の交通費を助成する「地方就職学生支援事業」を引き続き実施し、地元企業への就職を促すほか、令和7年度から始めた「地域みらい留学事業」では、首都圏を中心とした都市部の中学生に対し、大野農業高等学校や函館水産高等学校の地域に根差した特色ある魅力を発信し、若者の流入による地域の活性化の実現を図ってまいります。
2 力強く成長する産業の形成
第2は、「力強く成長する産業の形成」についてであります。
まちの発展を支える中心は地域の産業であり、地域社会が活性化するには産業が元気でなければなりません。本市の恵まれた資源と立地条件を十分に活かし、地域経済のさらなる活性化につながるよう、農林水産業、商工業を継続して支援してまいります。
市の基幹産業である農業では、引き続き各種支援制度を通じて、営農基盤の強化を図るとともに、作業の効率化・省力化を推進し、高収益化の実現を目指してまいります。「農業機械等導入支援事業補助金」では、新年度から市内の土木事業者が施工すること等を条件に、畑地の排水不良の解消を目的に暗渠整備を補助対象に加え、気候変動に対応した持続可能な農業経営を支援してまいります。
令和6年度から計画的に進めている「トマト共同選別施設整備事業」では、令和9年度からの稼働に向けて、新年度中での工事完了を予定しております。新たな施設では、高品質のトマトの安定出荷が可能となることから、高収益化とブランド力の向上を目指し、首都圏を中心とした本州方面への販路拡大を図ってまいります。
また、国営かんがい排水事業の「北斗用水地区」については、令和7年度から事業がスタートしたところです。上磯地区では慢性的に用水不足が発生していることから、事業が完了した際には、安定した農業用水の水源が確保され、持続可能な農業経営に大きく貢献できるものと期待しております。
林業分野では、森林が持つ水源の涵養や土砂災害の防止、豊かな生態系を形成するなどの重要な役割を踏まえ、森林環境譲与税のほか、令和7年度から開始したJ-クレジット事業によって得られる収入も活用し、北斗市森林整備計画や森林経営計画等の内容に沿った、森林整備を進めてまいります。また、市内事業所でのインターンシップに参加した際の宿泊費補助や、新規での林業就業者に対する家賃支援などの各種制度を通じ、林業従事者の確保に努め、将来にわたる安定的な森林の保全を推進してまいります。
水産業分野では、「漁業経営体質強化支援事業」を継続し、設備導入への支援を通じて、海洋環境の変化に対応しうる持続可能な漁業形態への転換を促進するほか、「漁業担い手支援事業」では、現場ニーズに即した支援内容の拡充を図り、若手漁業者の経営力強化を後押ししてまいります。また、近年、水揚げ量が増加しているホッキ貝をはじめ、新鮮で安全な魚介類を安定的に出荷できるよう、上磯地区の荷捌き所に「貝類蓄養水槽」を整備し、経営基盤の強化を図ってまいります。
商工業分野では、北斗市商工会と今後も密に連携し、地元企業の経済活動を活性化させるとともに、新年度では、国の金融政策の転換に伴う貸付利率の上昇を考慮し、中小企業振興資金等の利子補給率の見直しを実施し、運転資金や設備投資に対する経営支援を行ってまいります。
北斗追分IC産業団地整備事業は、令和7年度から官民連携により、約15ヘクタールの産業団地の造成工事がスタートし、物流業やサービス業を核とした11企業の立地がすでに決定しております。これにより、700名ほどの新たな雇用が見込まれることから、若い世代の雇用の場となるほか、市内だけでなく、道南圏域で地域経済の好循環が創出されるものと見込んでおります。
3 次代を担う子どもへの応援
第3は、「次代を担う子どもへの応援」についてであります。
子どもや子育てを取り巻く環境の向上と最適化を図るため、より一層子どもと家庭を社会全体で支えていくことが求められています。未来を担う子どもたちが豊かな人間性を育み、誰もが幸せで輝くまちづくりのため、教育委員会や関係機関との連携・協力のもと、各種施策を一体的に展開してまいります。
国においては、令和5年度から施行された「こども基本法」に基づき、こどもに関する取組み・政策を社会の真ん中に据える「こどもまんなか社会」の実現が進められています。本市においては、子どもの意見をまちづくりに生かす事業の一環として、子ども議会のほか青少年育成大会での「青少年の主張」を毎年実施しております。また、昨年から一部供用を開始した運動公園では、気兼ねなく遊べる場として、さまざまな遊具と広場の整備を進めてきたところであり、新年度からは全面リニューアルオープンいたします。今後も次代を担う子どもたちを、地域全体で支えていく環境づくりを進めてまいります。
近年の夏季における猛暑を踏まえ、令和5年度から進めてきた小中学校の冷房設備設置事業は、令和7年度末をもってすべての小中学校で完了する見込みです。引き続き、児童生徒が仲間との交流を通じ、安心して学ぶことのできる環境の充実を図り、その心身の健やかな成長を見守ってまいります。
また、学校給食については、第1の「人口減少問題の取組み」においても述べましたが、これまでも物価高騰が続く中にあって、市の負担により給食費を実質的に据え置いてきたところですが、保護者へのさらなる経済的支援として、昨年8月から国に先駆け、小中学校における給食費の完全無償化を実施したところです。今後も、すべての児童生徒が経済状況に左右されることなく、安心して学ぶことのできる環境を確保してまいります。
これらの施策のほか、すべての子どもが、自らの特性を活かし、希望する未来を実現できるよう応援し、また、地域に根差した活動を通じて北斗市の歴史と文化を学び、ふるさとへの理解と愛着を育むとともに、グローバルな視点を持って地域社会に貢献できる人材へと成長できるよう支援してまいります。
4 安心できる福祉・暮らしに身近な環境の向上
第4は、「安心できる福祉・暮らしに身近な環境の向上」についてであります。すべての市民が安心して暮らせる環境を整えるため、地域福祉の充実、防災・防犯対策の強化、生活支援の拡充を図ってまいります。また、地域福祉計画の最上位計画である「北斗市地域福祉計画第3期計画」に基づき、福祉の向上に努めるほか、住み慣れた地域で誰もが安心して暮らせるよう、社会福祉協議会や関係機関との連携による「重層的支援体制」を充実させ、複雑化する支援ニーズに対応してまいります。
高齢者への支援については、地域で生き生きと自分らしく暮らし続けていただくため、現在、高齢者ふれあい入浴券交付事業や高齢者運転免許証自主返納支援事業、老人医療費助成事業などを実施しております。しかしながら、高齢化が進む中にあっては、社会参加の促進による介護予防の推進や健康寿命を延ばすための取組みがより一層求められております。このため、新年度では、高齢者支援制度の一体的な見直しを地域の皆さまとともに検討し、現行の入浴施設での利用に加え、バスやタクシーなどの交通機関でも利用できる仕組みの構築を図るなど、令和9年度からの新たな事業実施を目指してまいります。
保健医療分野では、令和7年度から実施している、がん治療に伴う外見の変化に対応する補正具等の購入支援事業の「アピアランスケア支援事業」を引き続き実施するほか、新年度からは、「中等度難聴者補聴器購入助成事業」を創設し、聴力の低下によりコミュニケーションに支障が生じている方に対し、補聴器購入費用の一部助成を実施してまいります。これにより、社会参加の維持・促進を図るとともに、閉じこもりの防止や高齢者の介護予防、さらには認知症予防の推進につなげてまいります。
また、予防接種事業では、新年度から「RSウイルスワクチン」が定期接種の対象となることから、円滑な実施に努めるとともに、「おたふくかぜワクチン」については、市独自の助成制度を創設し、接種費用の一部を助成してまいります。特に高齢者や子ども、基礎疾患を有する方々など、感染症のリスクが高い層に対し、予防接種の重要性を周知し、市民の健康増進に取り組んでまいります。
町内会活動については、会員数の減少や役員の担い手不足といった課題が顕在化し、地域コミュニティの希薄化も見られる状況にありますが、地域において町内会が果たす役割は依然として大きなものがあります。特に、住民同士のつながりを維持し、行政と地域を結ぶかけ橋としての役割は、今後も欠かすことのできないものと認識しております。町内会活動の持続的な運営に向けては、SNSの活用による情報発信や町内会費のコンビニ納付導入支援など、町会連合会による新たな取組みも見られております。市としては、町内会の負担軽減と活動の活性化を図りながら、各種支援を継続してまいります。また、防災対策の面においても町内会の果たす役割は大きいことから、防災士資格の取得支援などにより自主防災組織の拡充を図ってまいります。あわせて、平時からの訓練等を通じて、市全域の防災力の向上につなげるため、町内会をはじめ幅広い主体と連携した施策を進めてまいります。
住民センターをはじめとする市内コミュニティ施設への空調設備の設置については、計画的に進めており、令和8年度末までに予定している施設への設置が概ね完了する見込みです。これにより、夏季の利用環境の向上とともに、指定避難所及び指定緊急避難場所としての機能強化を図ってまいります。また、市内クーリングシェルターの拡充についても検討を進め、熱中症対策のさらなる充実を図ってまいります。
昨年は全国的にクマ被害が多発した年でございました。本市におきましては、幸いなことに人的被害はありませんでしたが、市街地付近でも目撃情報があるなど、市民の安全確保が喫緊の課題となっていることから、現在、クマ対策に関するゾーニング計画の策定を進めております。新年度では、新たに有害鳥獣対策専門員を配置し、専門的な業務に従事させるほか、捕獲等に必要な資機材についても予算措置を講じており、市民の安全・安心な暮らしの確保を推進してまいります。
5 若者や女性、高年齢者がチャレンジできる環境づくり
第5は、「若者や女性、高年齢者がチャレンジできる環境づくり」についてであります。本市においては、人口減少や少子高齢化が進む中で、すべての世代が活躍できる環境を整え、持続可能な地域社会を形成することが求められています。そのため、若者や女性、高年齢者がそれぞれのライフステージに応じ、個性や能力を発揮できる環境を整備し、地域全体の活性化を推進してまいります。
市内企業の人材不足の解消に向けた取組みとして、令和5年度から実施している高校生を対象とした合同企業説明会は、これまでの開催実績を踏まえ、参加する事業者や学校・生徒の意向に沿った改善を図り、継続実施してまいります。このほかにも、企業の求人情報掲載費用の助成や、就職活動に要する交通費への支援など、各種助成事業を引き続き実施し、地域社会における人材確保に努めてまいります。
また、これまで実施してきた「商店街等元気づくり補助事業」の後継制度として、新たに「チャレンジ支援事業補助金」を創設いたします。本事業は、創業等に関する継続的なニーズや制度運用上の課題を踏まえ、制度の再構築を図るもので、新制度では、引き続き若者・シニア・女性の創業支援を重視するとともに、多様な働き方にも対応し、将来にわたり事業の継続が見込まれる取組みを重点的に支援することで、地域経済の活性化につなげてまいります。
中小企業向けの支援策としては、出産や育児に伴う離職を防ぐことを目的とした「育児休業取得支援事業」について、テレワークや短時間勤務といった、柔軟な働き方に対応できるよう要綱の改正を行い、より一層、仕事と子育ての両立が可能な職場環境の向上を推進してまいります。
これらの施策により、すべての市民が年齢や性別などを理由に夢をあきらめることなく挑戦し、活躍できる環境の構築を着実に進めてまいります。
6 安心・安全な都市環境の整備
第6は、「安心・安全な都市環境の整備」についてであります。市民が安心して暮らすことができる都市基盤の整備に積極的に取り組んでまいります。特に人命に関わる、防災・減災の視点を重視しながら、ハード整備の充実を図るとともに、自助・共助・公助の意識の醸成も進め、被災時の人的被害や経済的損失の軽減に努めてまいります。
防災体制の確立に向けては、海溝型巨大地震が発生した場合の被害想定を踏まえ、鉄路や旧久根別川の存在により避難が困難とされる久根別地区において、河川への歩道橋の設置を新年度から2カ年で進めてまいります。また、避難者数の見直しを反映した備蓄計画に基づき、指定緊急避難場所である高規格道路高台への備蓄倉庫を新年度から設置し、あわせて、円滑な避難を確保するため、一部避難路の舗装化についても令和11年度までの完了に向け、実施してまいります。
消防・救急体制の充実に関し、南渡島消防事務組合の指令設備は、これまで消防本部内に設置されておりましたが、津波浸水区域に位置することから、更新に伴い北斗消防署北分署へ移設し、本年3月25日から運用を開始いたします。新たな機能としましては、119番などで受信した災害地点やルートなどの情報を、消防車両に搭載したナビゲーションシステムへ瞬時に送信できる機能や、大規模災害が発生した場合、現地の映像を関係機関と共有できる機能などが追加され、より迅速な対応が可能となります。また、茂辺地・当別地区では、計画的に進めてきた各分遣所の建替工事が完了したことから、新年度は当別分遣所に、消防団員の参集が難しい平日に職員1名を増員し、体制を強化してまいります。
市道整備については、交通の利便性向上と安全確保を目的に、老朽化した道路の改修や歩道の整備を実施し、地域住民の意見も反映した道路整備を計画的に進めてまいります。特に、歩道の未整備区間の解消が求められている久根別停車場線については、令和9年度の完成を目指し、新年度は該当箇所の用地取得を進めるほか、冬期間の凍結融解等により損傷が著しい市道については、財政措置が有利な「緊急自然災害防止対策事業債」の活用による道路改良を実施し、生活道路の維持管理を図ってまいります。
市営住宅については、久根別団地や稲穂団地等の住環境の改善を図るため、「長寿命化計画」に基づく、建物の老朽化対策や設備の更新を計画的に実施し、入居者の快適な居住環境の充実に引き続き努めてまいります。
上下水道事業については、市民の生命と暮らしを支える基盤として、安全かつ安定した水の供給確保に取り組んでまいります。水道事業では、老朽管の更新及び耐震化を計画的に推進し、下水道事業においては、機能の低下が懸念される茂辺地浄化センターの大規模設備改修を実施するなど、持続可能な施設運営を図ってまいります。
都市整備については、令和7年度から「都市計画マスタープラン」「立地適正化計画」「緑の基本計画」の3つの計画策定に取り組んでいるところです。人口減少等により社会が変容していく中で、北斗市が目指す将来像を描く計画であることから、環境への影響や市民の利便性を考慮し、人口規模に見合った持続可能な都市空間の形成に努めてまいります。
公共交通では、道南いさりび鉄道について、経営の赤字補填のほか、今後の設備投資や車両購入支援など、市負担の増加が見込まれておりますが、北海道や沿線市町と密接に連携してまいります。また、巡回ワゴンや新函館北斗駅・上磯線についても、高年齢者や学生が利用する生活路線であることを考慮し、持続可能な地域公共交通に向けた課題解決を図ってまいります。
7 北海道新幹線効果拡大への取組み
第7は、「北海道新幹線効果拡大への取組み」についてであります。令和12年度の開業を目指していた北海道新幹線の札幌延伸の開業時期は、トンネル工事の遅延などから最短で令和20年度末になるとも言われており、地域経済や観光振興の方策にも大きな影響が出てくるものと思われます。北海道新幹線は、札幌開業によって最大の効果を発揮することから、北海道新幹線建設促進道南地方期成会などの関係機関と連携し、早期開業に向けた働きかけを今後も強く継続してまいります。また、当面は終着駅となることから、交通結節点としての利便性を生かした効果の拡大に向け、札幌延伸も見据えた賑わいを生み出す施策についても検討してまいります。
新函館北斗駅周辺地区への企業立地については、東京都に本社を置くIT企業が令和7年1月に開設した、サテライトオフィスにおけるAI開発やドローン事業などの取組みに多くの関心が寄せられていることから、引き続き「新幹線新駅周辺地区企業立地補助金」を活用し、駅周辺地区が持つ潜在的可能性を周知することで、新たな企業の進出を促進してまいります。
観光振興については、北斗市観光協会との連携を一層強化し、地域の歴史や文化、自然といった、本市の豊かな観光資源を活かした、体験型観光事業の拡充を図ってまいります。また、新函館北斗駅前での賑わい創出事業を引き続き実施し、観光客はもちろん、市民を含む道南圏域から訪れる人が増え、地域の活性化につながるよう、駅周辺の魅力向上を図ってまいります。
スポーツ合宿については、年間延べ宿泊数5,000泊を現在も維持し、交流人口の拡大と地域経済の活性化につながっているところです。昨年、本市の気候特性及び充実した練習環境が高く評価され、Jリーグチームのキャンプ誘致が成功いたしました。本年夏には、市民の皆さまがプロサッカー選手のプレーを間近で体感できる貴重な機会となるとともに、道外からのサポーターの増加も見込まれております。こうした機会を地域活性化につなげるため、官民一体となった受入体制の充実に努めてまいります。
8 SDGsと都市生活環境づくり
第8は、「SDGsと都市環境づくり」についてであります。本市では、持続可能な開発目標であるSDGsの理念に基づき、「誰一人取り残さない」社会の実現のため、市民、企業、団体が一体となって環境や社会との調和がとれた経済活動を推奨しております。これからも「広報ほくと」などを通じて、SDGsに取り組む企業や団体の活動を継続的に紹介し、市民の皆さまにその趣旨をご理解いただくとともに、日々の行動につなげていただけるよう周知してまいります。
環境対策については、令和5年のゼロカーボンシティ宣言を踏まえ、エネルギー効率の高い給湯器への更新や住宅での太陽光発電設備導入を引き続き支援し、一般家庭でのゼロカーボンの取組みを推進してまいります。また、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の施行を踏まえ、令和9年度からプラスチック製品ごみ分別収集を円滑に開始すべく、圧縮梱包機の更新等の準備に着手するほか、新たにペットボトルをペットボトルとしてリサイクルする「ボトルtoボトル」に取り組み、資源循環による環境負荷の低減を推進してまいります。
DXの推進については、市民サービスの向上を目的とし、デジタル技術の活用による行政機能の充実を図ってまいります。庁内での横断的な検討・協議を重ねた結果、新年度ではコンビニ交付での証明書発行メニューとして新たに所得証明書を加えることとしたほか、「書かない」「待たない」円滑な窓口業務の実現を図るため、証明書発行手続きの簡素化と待ち時間の短縮につながる、住民票の写し等の証明書交付申請端末を市役所本庁舎と七重浜支所に設置いたします。今後も、国の動向を注視し、マイナンバーカードを活用するなど、市独自のデジタル施策の検討を進め、市民サービスの向上に努めてまいります。
また、市が抱える公共施設については、人口規模や利用状況、老朽化の度合いを考慮し、今後の経常経費や更新費用の圧縮につながるよう、計画的な更新、統廃合について中長期的な視点から検討を進めてまいります。
むすびに
以上、新年度の市政に臨む私の所信を述べさせていただきました。
令和8年度は、私にとって、市長3期目の始まりとなる1年であります。初心を忘れず、これまで同様、市民目線に立ち、持続可能なまちづくりの実現に向け、各種施策を着実に推進してまいります。
人口減少が進行する中においては、財源や人材といったあらゆる資源に制約が生じることから、その適正な配分や事業の取捨選択が重要となってまいります。近年にわかに、地方自治体における、財政状況の悪化により、経費削減や事業の廃止といった新聞報道等を目にする機会が増えてまいりました。北斗市では、今後も「事業の選択と集中」を徹底し、市民の皆さまの満足度を最大化できるように、行政サービスの維持・充実に努めてまいります。
「誰もが住みやすく、誰一人取り残さないまち北斗市」の実現に向け、全力を尽くし、市政のさらなる発展と住民福祉の向上を着実に推進してまいりますので、引き続き、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
むすびに際し、これまでの議員各位と市民の皆さまの市政に対するご理解とご支援に対し、心より感謝申し上げますとともに、一層のご支援とご協力をお願い申し上げ、新年度に向けた所信とさせていただきます。
