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令和5年度 市政執行方針

はじめに

 令和5年第1回北斗市議会定例会の開会に当たり、新年度の市政執行に臨む基本方針と施策の一端を申し上げさせていただきます。

 私は、昨年1月に2期目の市政を担わせていただくこととなり、1年が経過しました。

 この1年では、2期目の就任時に公約として掲げた八つの政策目標に基づく各種施策の多くの事業について、実施や着手できたものと考えています。これからも、市民の皆さまとお約束した公約を実現していくため、議員各位のご理解・ご協力をいただきながら、各種施策を実現してまいりたいと考えております。

 さて、我が国の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の影響による大きな落ち込みから、ウィズコロナによる経済活動の正常化に向けて、緩やかに回復が続いております。一方で、ロシアによるウクライナ侵略を背景とした国際的な原油価格、原材料価格の上昇、さらには電気・ガス料金、食料品や生活必需品などの物価高騰は、市民生活に大きな影響を与えており、経済を取り巻く環境は厳しさを増していることから、政府は「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を策定したところであります。

 本市におきましては、社会情勢の変化、そして国や北海道の動向を見極めながら、本市の状況に則した形でコロナ対策や物価高騰に対応するための生活支援や経済対策を躊躇なく進めてまいります。

 また、市民の皆さまにとっての身近な福祉、医療、教育、環境などの各種施策を着実に実行し、さらにはデジタル社会や脱炭素化といった時代の要請への対応を積極的に進め、将来にわたり安心して暮らし続けることができる社会の実現に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。

市政の基本方針

 はじめに、市政に当たります私の基本方針について申し上げます。

 現在、喫緊の課題として、まず挙げられるのは、5月8日に感染症法上の位置付けが5類に移行する新型コロナウイルス感染症対策と少子化による人口減少問題であります。特に、人口減少は地域の活力が失われるだけでなく、地域コミュニティの維持が困難となり、地域文化の継承にも大きな影響を及ぼすことになります。さらには、生産年齢人口の減少により、生産性・経済力の低下を招き、本市の財政運営にも支障をきたすものであり、できる限りの人口減少に歯止めをかけるべく、取り組んでいかなければなりません。

 人口減少問題以外にも、本市が抱える行政課題は多岐にわたりますが、既存事業の見直しや今後実施しなければならない新たな事業など、『事業の選択と集中』の考えを常に意識し、合わせて民間活力との連携も積極的に進めてまいります。

 今後も、市民の皆さまとともに、誰一人取り残さない社会の実現を目指すSDGsの理念に基づくまちづくりの推進に向け、市民目線の視点を持ちながら、市民による市民のためのまちづくりを進めることを、市政の基本方針とするものであります。

主要施策の推進

 次に、今申し上げた市政の基本方針に基づき、新年度に取り組む主要な施策についてご説明申し上げます。

1 人口減少問題への取組み

 第1は「人口減少問題への取組み」についてであります。

 昨年の我が国の出生数は統計開始以来、初めて80万人を下回り、国の予測を上回るペースで少子化が進んでいます。本市においても、昨年の出生数は200人を下回り、少子化をはじめとする人口減少問題は喫緊の課題でありますが、全国的に見ても充実した高いレベルにある子育て支援について、不妊治療費助成や妊産婦の健診、子ども医療費助成、産後ケア事業の充実、多様な保育サービスなど、妊娠・出産から育児、子育てまで切れ目のない施策を展開しますとともに、結婚・出産・子育ての希望を叶えることができる環境を整えてまいります。

 安心して出産・子育てができるよう、本年2月から事業を開始した、伴走型相談支援と経済的支援を一体として実施する「出産・子育て応援給付金等事業」については、妊婦や子育て家庭のニーズに即した効果的な人的支援を実施してまいります。また、児童福祉法等の改正に伴い、母子保健と児童福祉を一本化し、すべての妊産婦、子育て世帯、子どもの包括的な相談支援を行う「こども家庭センター」について、令和6年度の体制構築に向けた検討を進めるほか、次期計画の策定に向け、アンケート調査等を実施します。

 移住・定住促進対策については、テレワークの普及により増加傾向にある地方移住の需要に対応するため、本市における交通アクセスの利便性を積極的にPRしていくほか、市内事業者への就職を支援することにより、事業者の人手不足の解消を図ってまいります。また、移住・定住の促進にもつながる新たな取組みとして、新卒者の市外流出を抑制するため高校3年生を対象とした「合同企業説明会開催事業」や、市内企業の受験者を支援する「就職活動交通費等助成事業補助金」、市内事業者の求人サイトへの掲載を支援する「求人情報掲載費用等助成事業補助金」及び市内事業者の育児休業取得を推進し仕事と子育てを両立できる職場環境の推進を図る「育児休業取得支援事業補助金」の4事業を実施してまいります。さらに、償還免除を可能とした奨学金制度の積極的な利用の促進及び「UIJターン奨学金償還支援事業」などについても引き続き実施してまいります。

 シティプロモーションについては、『音楽のまち・ほくと』を基軸とした、北斗市の強みを生かした効果的な発信を引き続き展開し、北斗市の知名度と地域イメージの向上を図ってまいります。また、アニメと観光を結び付けることにより、新たな来訪者を取り込み、SNS等の情報発信による本市の認知度向上など、相乗効果が期待される「アニメツーリズムプロモーション事業」への補助を実施します。

2 力強く成長する産業の形成

 第2の「力強く成長する産業の形成」でありますが、新年度におきましても、一次産業、商工業のバランスのとれた振興を図ってまいります。

 農業については、経営の効率化と所得向上を図るため、スマート農業のさらなる普及促進が必要となることから、ICTを活用した圃場の水管理の省力化に向けた自動給水栓モデル事業を、パイプライン化が終了している清川北部地区において実施するほか、施設園芸用ハウス等の導入への助成を引き続き実施してまいります。また、国の機械・設備等への補助事業が経営規模の大きい一部の農業者に限られることから、本市独自の事業として、作業の効率化や所得の向上を図るための「農業機械等導入支援事業補助金」を新たに設けるなど、営農基盤を強化する取組みを行うほか、新規就農者への支援を継続してまいります。

 ワイン関連事業への支援については、本市の風土を活かした醸造用ぶどうの産地化とワイナリーを核とした新たな地域振興策として、中長期的に北斗市の魅力をさらに高める取組みであります。令和4年度に、市独自の支援策として創設しました文月・向野地区における「ワイン関連施設整備事業補助金」を活用し、現在2事業者がワイナリー建設に着手し、新年度でも、2事業者がワイナリーと農泊施設の建設に着手予定であるため、「ふるさと融資」などを含めた支援策を継続してまいります。また、並行して「ワインによる地域活性化検討会議」が中心となって、ワイン産業振興の展開策を協議してまいります。

 林業については、森林環境譲与税を活用し、新年度においても私有林整備に対する助成や木製玩具の出生記念品としての贈呈を引き続き実施するほか、せせらぎ温泉のサウナ室改修事業や、小学校において森林の果たす役割や森林整備の必要性などについて理解を深めてもらう「木育活動支援事業補助金」、さらには林業事業者の担い手確保を支援するための取組みを実施してまいります。

 水産業については、当別地区荷捌場に活魚備蓄用水槽を設置し、活魚の出荷による高付加価値化やナマコなどの安定供給を図ってまいります。そのほか、ホッキ・カキなど特産品である貝類について、貝毒検査回数の増加に伴う負担軽減支援や、ナマコ漁における安定的な収穫促進の支援として、潜水器漁法を展開するためのダイバー費用への助成を3ヶ年の時限措置として実施します。

 さらに3ヶ年の事業として実施しております漁業者の新たな機器等の導入費用に対する助成のほか、ウニ、ホッキ、アサリ、アワビ、ナマコの「育てる漁業」への助成を継続し、漁業者の経営安定化に向けた支援を積極的に実施してまいります。

 本市の基幹産業である一次産業振興については、農林水産業における本市独自の六次産業化支援事業を実施し、生産物の付加価値を高め、所得の向上を図る取組みを推進することにより、多角的で持続可能な一次産業の確立を目指してまいります。

 雇用対策については、「人口減少問題への取組み」でも申し上げました市内事業者への就職を支援するための新規事業を実施するほか、新たな雇用創出に向けて、さらなる企業誘致を推進するため、「企業立地の促進に関する条例」に基づく助成内容を充実します。高速交通網の結節点という立地優位性からも今後集積が期待される物流関係施設を対象業種に追加するとともに、コロナ禍以降における企業の働き方の変化を踏まえ、本社機能の移転やサテライトオフィスなどの助成を追加し、ウィズコロナにおける積極的な企業誘致活動や企業へのトップセールスなどにおいてアピールしてまいります。

 北斗追分インターチェンジ周辺地区については、陸・海・空の多様な交通アクセスにおける優位性を活かすため、工業・物流産業等の立地が可能となるよう、都市的土地利用への転換に向けた取組みを継続してまいります。

 商工業については、地域経済の活性化を図るため、北斗市商工会との連携をさらに深めるとともに、「商店街等元気づくり事業補助金」や「中小企業競争力向上事業補助金」などの商工業活性化支援施策や中小企業への支援施策を引き続き実施します。また、3ヶ年計画で実施しております北斗市商業活性化支援センターの大規模改修についての補助を継続してまいります。

3 次代を担う子どもへの応援

 第3は、「次代を担う子どもへの応援」についてであります。

 北斗市の子どもたちは、昨年も、全道、全国の舞台で、スポーツや音楽などの文化活動においてすばらしい活躍を見せており、次代を担う子どもたちの活躍は本市にとっての大きな財産であります。そのため、「北斗市教育大綱」に基づき、教育委員会と連携し、子どもたちの力を引き出す教育環境づくりをしっかりと進めてまいります。

 新年度の教育行政執行方針は、この後、教育長から申し上げますが、私に与えられた責務をしっかりと果たすべく、ICT教育の充実を図るため、教職員の校務用LAN環境整備を実施するほか、浜分小学校体育館の屋根改修や学校トイレ洋式化改修を行うなど、学校施設整備のために必要な予算の確保に努めたところであります。

 さらに、学校給食については、子どもたちに安全・安心でおいしい給食を提供するため、学校給食共同調理場の調理器具等の更新を行うほか、食材費が高騰している状況にあっても、保護者負担が増えないよう、上昇分については市が負担することにより学校給食費を据え置いてまいります。

 また、本市において本年8月に開催されます全国高等学校総合体育大会の相撲競技大会では、全国から訪れる多くの関係者の方々の受入れに万全を期するため、大会の開催準備・運営を図ってまいります。

4 安心できる福祉・暮らしに身近な環境の向上

 第4は、「安心できる福祉・暮らしに身近な環境の向上」であります。

 少子高齢化が一層進行する社会において、できる限り予防可能な疾病を防ぎ、身体機能や生活機能を維持することは、人生100年と言われる時代の中で、健康長寿を実現していくためにも、また、持続可能な社会を実現していくためにも重要です。

 令和5年度からの「第3期北斗市地域福祉計画」に基づき、包括的な支援の充実に向け重層的支援体制の構築などの取組みとともに、住み慣れた地域で、安心して暮らすことができる「誰もが幸せで輝くまちづくり」を目指し、施策の展開を図ってまいります。

 また、令和6年度からの「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」及び「障がい者福祉計画・障がい児福祉計画」を策定し、それぞれの施策の充実を図ってまいります。

 第1の「人口減少問題への取組み」でも申し上げました子育て支援をはじめ、高齢者や障がい者の保健福祉、また市民の健康づくりを推進する施策や各種医療助成制度など、新年度におきましても、サービス水準の維持を基本に、一部施策の見直しと拡充を図りながら推進してまいります。

 市民の健康づくりに関しましては、自主的な疾病予防に努めていただくことが重要と考えており、各種検診や予防接種に対する費用の助成、特定健康診査の受診率向上対策などを引き続き実施するとともに、管理栄養士の増員配置による栄養・食生活の改善対策などを充実してまいります。不妊治療費への助成については、非常に高い効果が表れており、令和4年度から実施した自己負担額の一部助成や交通費、宿泊費の助成を引き続き実施するとともに、新たに混合診療の自己負担額の一部を助成する制度の拡充を行い、安心して治療ができる環境の充実を図ってまいります。

 また、障がい者が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画するとともに、農業分野での働き手の確保につながる農福連携の取組みについて、福祉事業者への一層の周知に努め、連携拡大を図ってまいります。

 新型コロナウイルス感染症への対応については、本年5月8日から5類感染症に位置付けることが決定しておりますが、国はこの変更に伴う政策や措置の見直しについて、3月上旬を目途に患者等への対応と医療提供体制の具体的な方針を示すとしていることから、今後の国の発表を注視しつつ、本市としては当面の間、市民の皆さまが安心してワクチン接種が受けられる体制を継続してまいります。

 また、高齢者とその家族の皆さまが安心できる環境づくりのため、見守りQRコード付きシールを活用した取組みや、見守り確認機器の購入費用への助成については、利用の促進を図りながら引き続き事業を実施してまいります。

 国民健康保険税については、令和12年度開始予定の統一保険税に向けて、新年度から資産割を廃止するとともに、財政調整基金を活用し、全ての被保険者の負担を軽減するため、基礎課税分の均等割、平等割を減額いたします。

5 若者や女性、高年齢者がチャレンジできる環境づくり

 第5は、「若者や女性、高年齢者がチャレンジできる環境づくり」であります。

 起業の促進を図るための取組みは、若者や女性、高齢者の就労支援や、新たな人の流れを生み出すことで、交流人口や関係人口の増加に繋がるものと考えています。新年度においても、誰もがチャレンジしやすい環境づくりとして「商店街等元気づくり事業補助金」の実施や「本町商店街活性化事業補助金」の制度を延長するほか、函館地域産業振興財団との連携のもと、引き続き起業者への支援を実施してまいります。

 女性が出産後も仕事と子育てを両立できる職場環境整備を推進するため、市内事業者の育児休業取得を支援する「育児休業取得支援事業補助金」を国の補助金に上乗せして実施するほか、女性を子育ての面からサポートする保育事業をはじめ、各種施策におけるサービスを維持しつつ、放課後児童クラブにエアコンを設置するなど環境整備に努めてまいります。

 潜在的待機児童への対策については、保育士不足の解消や保育施設の環境整備が必要であり、七重浜地区・久根別地区における既存の保育所等の定員拡大が実現できるよう、引き続き関係法人との協議を進めるほか、保育士人材バンクの活用などによる人材確保に努めてまいります。

6 北海道新幹線効果拡大への取組み 

 第6は「北海道新幹線効果拡大への取組み」についてであります。

 北海道新幹線については、新型コロナウイルス感染症の発生以後、低迷が続いていた乗車率が回復傾向にあり、今後は早い段階でコロナ禍以前の状況に戻ることが期待されるところであります。人流の回復は北斗市のポテンシャルをさらに高めるものであり、北海道新幹線の札幌延伸に向けて具体の取組みを進めなくてはなりません。

 新函館北斗駅周辺地区については、4月に鉄道・運輸機構が道南拠点事務所を開設するほか、新たなホテル建設に向けて民間事業者が街区取得を予定しているなど、札幌延伸を見据えて企業の関心が高まっており、今後も空き街区解消に向けて、積極的な企業誘致を進めてまいります。

 観光振興については、北斗市の魅力ある観光資源の磨き上げ、結び付けを実施し、観光客の市内周遊を図るとともに、農業・漁業の体験などをはじめとした、北斗市が持つ魅力的な自然、文化などを生かした、体験・交流型の着地型観光を促進してまいります。

 令和4年度に新函館北斗駅前通を開放し、初めて開催した「食」をテーマとしたイベント「グルメだよ!全員集合in北斗」については、よりくつろげる会場の整備に努め、多くの方が来場し、楽しんでいただけるよう取り組んでまいります。また、新駅周辺の賑わい創出のため、昨年は地域の方をターゲットとした様々なイベントを開催し、多くの来訪者にお越しいただきましたので、新年度におきましても北斗市観光協会との連携を強化し、観光交流センターの集客力向上や新函館北斗駅周辺地区のさらなる活性化を図ってまいります。

 スポーツ合宿については、着実にリピーターが増加し、交流人口増加、地域経済への波及効果という点においても重要な役割を担っており、新年度も引き続き実施します。また、次期観光振興プランを、5年先の北斗市観光も見据えながら策定してまいります。

7 安心・安全な都市環境の整備

 第7は、「安心・安全な都市環境の整備」であります。

 昨年改訂された国の「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画」において、本市は津波避難対策特別強化地域に指定されましたが、これまで取り組んできた自然災害などから市民の命を守ることを最優先に考え、あらゆる被害を最小限にとどめる『減災』という基本的な考えのもとに、自主防災組織をはじめとする地域防災力の一層の強化を図り、災害への対応力を高めてまいります。今後におきましては、特別強化地域を踏まえた「津波避難対策緊急事業計画」を策定し、市民の安全・安心を一層高める取組みを進めてまいります。また、新年度では、防災業務の体制強化を図るため、任期付職員採用制度の活用による専門的知識を有する人材を配置いたします。

 情報伝達の多重化に向けた防災ラジオの導入については、令和4年度から実施している中継施設の整備工事が完了しだい、新年度において防災ラジオの供給、運用に要する予算を計上してまいります。

 消防・救急体制については、計画的に設置を進めている防火水槽を、新年度では三ツ石地区に設置するほか、老朽化する消火栓の更新を実施してまいります。

 犯罪抑止のための「防犯カメラ」については、特に不審者等の発生が多い中学校区内の公共施設を中心に設置を計画しており、新年度におきましても設置箇所を増やし、犯罪のない安全・安心なまちづくりを進めてまいります。

 道路や河川、公園、公営住宅、上下水道などの社会資本については、将来需要を見通した改修や長寿命化対策を基本として取り組んでまいります。

 市道整備については、小中学生の通学路であり、住民の生活道路としても広く利用されております久根別停車場線について、歩道未設置区間を解消するための調査を開始するほか、千代田第2号線や新函館北斗駅北口道路などの10路線を整備します。橋りょう整備については、大当別歩道橋などの5橋、河川整備については、トドメキ川などの3河川、街路事業については、引き続き上磯田園通の整備をそれぞれ進めてまいります。

 運動公園については、幅広い世代、多くの市民の皆さまに利用していただける公園を目指し、令和7年度の完成に向け整備を進めておりますが、新年度では、水遊びのできる親水広場やインクルーシブ遊具、太陽光発電を利用したトイレなどの整備を実施します。

 市営住宅については、市渡中央団地の排水管更新工事を実施するなど3団地の住環境の改善を図るほか、上水道については、安全・安心な水を供給するために、老朽管などの水道施設の計画的な更新を行い、下水道については、萩野・久根別5丁目地区及び開発地区の汚水管整備、下水道区域外においては、合併処理浄化槽の整備を進めてまいります。

 公共交通については、通勤、通学、通院など、市民の皆さまの日常生活における移動手段として欠かすことのできないものであり、「北斗市地域公共交通計画」に基づき、公共交通の利便性、効率性の向上を図ってまいります。

 巡回ワゴンの運行については、昨年実施したアンケート調査などを参考にしながら、地域公共交通活性化協議会との協議を深め、多くの方に利用していただけるよう改善を図るほか、令和4年度から拡充した通学定期券購入費用の助成制度により、学生等の保護者の負担軽減と地域公共交通の利用促進を図ってまいります。

8 SDGsと都市生活環境づくり

 第8は、「SDGsと都市生活環境づくり」であります。

 誰一人取り残さない包摂的な社会の実現を目指すSDGsの理念に基づくまちづくりは、北斗市の地方創生の実現に向けた指針であり、私の政治姿勢であります。SDGsの考え方をまちづくりに生かし、その理念を市民の皆さまとともに広めてまいります。

 SDGsの地域社会への浸透を推進するための新たな取組みとして、SDGsに取り組む市内事業者を募集し、宣言書を交付する「SDGs推進企業登録事業」を実施します。

 性の多様性への社会的理解が広がることを願い、一人ひとりが個人として尊重され、大切な人と安心して暮らせるよう、その一助として、「北斗市パートナーシップ宣誓制度」を環境が整い次第、早期に宣言いたします。市営住宅については、多様性を認め合う共生社会の実現に向けて、宣誓パートナーなどの入居も可能とします。

 地球温暖化対策は世界共通の喫緊の課題であり、我が国におきましても、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを表明しているところであります。

 こうした中、本市においても、将来に向け、なお一層、地域レベルの取組みを進めていく必要があると考え、今後早い時期に「ゼロカーボンシティ宣言」を行い、その上で、新年度におきましては、地球温暖化対策推進法に基づく実行計画を早急に策定し、公用車のハイブリッド車への更新や市有施設の照明器具更新を行ってまいります。

 DXの推進については、昨年、除雪作業におけるGPS端末を利用した運行管理システムを導入するなど、今後も急速に進展するデジタル技術を積極的かつ効果的に活用することにより、市民の皆さまの利便性向上を図るとともに、業務の効率化を図っていかなければなりません。今後は、DX推進戦略及び実行計画に基づき、具体的な取組みを庁内横断的に実施してまいります。納税環境面の活用では、固定資産税・軽自動車税について、パソコンやスマートフォンからキャッシュレス決済で納付可能となる共通納税システムの開始や、学校給食費もコンビニエンスストアでの収納を可能とするほか、対象科目の拡大とスマートフォンによる決済の導入を進めてまいります。また、マイナンバーカードをお持ちの方が受けられる住民票などのコンビニ交付については、早期のサービス開始に向け準備してまいります。

 今後、少子高齢化や人口減少が進行し、税収などの自主財源に大きな伸びが見込めない中においても、現行の子育て支援や高齢者等への保健福祉、医療費助成制度などのサービスを維持し、さらには多様化する行政ニーズに対応していくためには、国の地方財政対策等の動向や税収等の状況を見極め、財源確保を図っていくことは勿論でありますが、『事業の選択と集中』の考えを常に意識し、事業の見直しなどによる安定した財政運営に努めていくことが必要となります。新年度では、市税の徴収業務に、より一層注力することで、収納率のさらなる向上に努めてまいります。

むすびに

 以上、新年度の市政に臨む私の所信を述べさせていただきました。

 

 新型コロナウイルス感染症のまん延による、これまでに経験したことがない混乱から3年が経過し、徐々に社会経済活動は回復してきておりますが、今後も、しっかりと対策を取りながら、一日も早くコロナ禍以前の状態に戻していかなければなりません。一方、コロナ禍においては、社会経済活動におけるデジタル化の推進や、人々の価値観の変化など、社会全体に様々な変化が起きており、これらの変化を的確にとらえ、新しい時代に適応した持続可能なまちづくりを進めることが必要であると考えております。

 今後も市民の皆さまとともに、「誰一人取り残さない社会の実現」を目指すSDGsの理念に基づくまちづくりを推進することにより、「住んでみたい」、「住んで良かった」、「住み続けたい」と思っていただける北斗市の実現に向け、市政の運営に誠心誠意、全力で取り組んでまいります。

 北斗市議会議員各位、そして、市民の皆さまの、さらなるご支援とご協力を賜りますよう改めてお願い申し上げ、新年度に当たっての所信といたします。

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