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令和4年度 教育行政執行方針

はじめに

 令和4年第1回北斗市議会定例会の開会に当たり、新年度の教育委員会所管に関する執行方針について申し上げ、議員各位並びに市民の皆さまのご理解とご協力をお願いする次第であります。

 新型コロナウイルス感染症は、令和3年度も収束することがなく、市民の皆さま、児童生徒には不自由な生活を強いることとなりましたが、ワクチン接種が順調に進み、制限の中ではありますが各種行事等を実施することができました。
 また、コロナ禍で行われた東京オリンピック・パラリンピックでは、日本人選手の大きな活躍があり、特にパラリンピックでは、国民の皆さまの障がいを持つ人や障がい者スポーツへの関心と理解が深まったものと思います。
教育の分野におきましては、新型コロナウイルス感染症対策を講じた中で、子どもたちが楽しみにしていた修学旅行を全学校において実施できたことや、1人1台のタブレット端末が整備されたことにより、学校の臨時休校を想定したオンライン授業や家庭との連絡ツールとしての取り組みも進めることができました。
 また、成人式につきましては、令和2年度は中止となりましたが、令和3年度は規模を縮小し、無事に挙行することができました。

 北斗市の教育の基本的な考え方につきましては、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念を基本とし、児童生徒の学力・体力の底上げや保護者との連携強化を図ってまいります。
 また、小学校、中学校においては新学習指導要領が全面実施されており、これに対応するための授業改善も早急に進めてまいります。

学校教育の推進

1 社会で活躍する力を育む教育活動の推進

 これからの社会においては、急速に進展しているグローバル化、超情報化社会に対応できる教育を進めていかなければなりません。プログラミング教育や英語教育はもちろんでありますが、自らが疑問を持ち、課題を見つけてみんなで協力しながら課題解決をするという考え方の定着を図ってまいります。
 一方では、基礎学力の定着がおろそかにならないよう一人一人に応じた学習指導、生活指導にしっかり取り組んでいく必要があります。
 また、GIGAスクール構想により1人1台のタブレット端末が整備され、校内授業や校外活動においても活用されておりますが、今後さらなる有効活用を図るための研修等を教職員に対して実施してまいります。
 さらに長引くコロナ禍においては、子どもたちの日常生活や学校生活が制限をされ、子どもたちの体力や心の状態が心配されております。特に人と人との接触が制限され、体験活動やコミュニケーションの不足が懸念されることから、タブレット端末を活用し、学校間やさまざまな人たちとのコミュニケーションがとれる活動などに取り組んでまいります。

 道徳教育においては、自らの生命の尊さや、自己肯定感を高めるための教育を教科横断的指導の中で取り組むとともに、スマートフォンの普及によるSNSを利用したいじめやトラブルに関しては、学校と家庭において共通認識を持ち、徹底した対応をしていかなければなりません。
 特に中学生につきましては、成人年齢が新年度から18歳に引き下げられることから、主権者教育を含め、大人となるための意識の向上に努めてまいります。
 さらに北斗市手話言語条例の制定意義や手話を直接学ぶことにより、障がいを持つ人たちへの理解や思いやりを大事にする心を育ててまいります。

2 誰一人取り残さない教育の推進

 全国的な傾向でありますが、小中学生の不登校が増加傾向にあり、北斗市においても例外ではありません。
 不登校の原因については個々さまざまであり、家庭・学校は子どもたちが何を悩んでいるのか、何に不安をもっているのかを察知する必要があります。そのため、子どもたちが相談に来るのを待っているのではなく、定期的に児童生徒との個別面談を行うことや、学校内で相談がしやすい体制づくりを進めてまいります。
 特に不登校児童生徒の学びの場であります適応指導教室の拡張や指導員の増員など教育環境の充実を図り、各学校との連携も今以上に密にしてまいります。
 また、医療的ケア児を含む特別な支援を要する子どもや、そのボーダーライン上にある子どもたちも年々増加傾向にあることから、教育相談などの支援体制を充実させるため、学校教育課に新設されます教育支援係と、市長部局に新設されます子ども家庭総合支援拠点との連携を図り、保護者の子育てや学校教育にかかる心配ごとの軽減に努めてまいります。併せて、新年度においては、学習支援員の増員を図ってまいります。

 特色のある学校づくりにつきましては、土曜授業、総合学習、コミュニティ・スクールを活用し、地域特性等を考慮して地域との連携を図りながら進めてまいります。

 教職員の働き方改革につきましては、「北斗市働き方改革プラン」に基づき、引き続き改革を進めるとともに、校務用パソコンの更新や学習支援員を増員することで、その一助にしてまいります。
 また、小中学校が連携した相互乗り入れ授業や小学校における教科担任制をより進めていかなければならないと考えております。
 部活動につきましては、スポーツクラブ等の協力をいただきながら、試験的な外部委託の実施に取り組んでまいります。

3 教育環境整備の推進

 社会の急速な変容により、学習指導、生活指導の在り方、家庭教育の在り方が従来どおりの考え方では対応できない時代に突入してきており、常にその在り方を見直し、改めていく必要があります。
 知・徳・体のバランスのとれた教育を推進することは変わるものではありませんが、家庭での変化や学校での出来事をお互いに共有するために、家庭・地域・学校がこれまで以上に連携をとりながら子どもたちへの教育活動を進めていかなければなりません。
 学校は児童生徒一人一人の個人的事情や家庭事情を把握した中で、個に対応した指導をしていくことが大切です。
 今、校則や制服の見直しが全国で問題提起され、社会の変化に合わせた見直しが必要となっております。従来であれば学校が決めたルールを児童生徒に求めていたわけですが、今後は、児童生徒、保護者、学校運営協議会の意見を求めた上で、見直してまいります。
 さらには、保護者や地域の方々に学校に対する理解を深めていただくため、新年度において学校ホームページの充実を図り、学校情報をわかりやすく広く発信してまいります。
 防災教育につきましては、学校における避難計画について、より詳細な計画書を作成するとともに、学校の多くは避難場所として指定されていることから、従来の避難訓練にとどまらず、外部講師等を活用した防災教室などを積極的に開催し、児童生徒、教職員の防災意識の向上に努めてまいります。

 学校施設につきましては、令和3年度の補正予算により大野中学校に多目的トイレを設置しておりますが、新年度においては長寿命化計画に基づいた久根別小学校の大規模改修工事を最終年として実施するほか、石別中学校の校舎と体育館の屋根改修工事、谷川小学校のグラウンド整備工事を実施してまいります。

 学校給食につきましては、子どもたちに安心安全でおいしい給食を提供するために、地場産品の活用をさらに進めていくとともに、新しいメニューの開発に努めてまいります。
 また、市長公約であります「次代を担う子どもへの応援」として第2子以降の学校給食費の無償化を実施していくことといたします。

社会教育の推進

1 地域の教育力向上と生涯学習の推進

 近年、子どもたちを取り巻く環境が大きく変化しており、未来を担う子どもたちの成長を支えるには、地域と学校が連携・協働し、社会総がかりで教育を進めていくことが必要です。地域活動の一層の活発化を図るため、地域と学校が主体となった学校運営協議会によるコミュニティ・スクールと連携を図り、地域とともにある学校づくりを進めることで、将来の地域を担う人材の育成、学校を核とした地域づくりを推進してまいります。

 生涯学習の理念として市民の皆さまが豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたってあらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができなければなりません。
 今、社会は急速に変容しており、人口減少という大きな課題を抱え、労働力人口が減少している中で、国際化社会、超情報化社会へと進んでおり、高齢者においてもスマートフォンの普及は年々増加傾向にあります。
 また、コロナ禍において不要不急の外出制限や3密回避など、人と人とのコミュニケーションが希薄になってきており、さまざまな情報収集や各種手続きにインターネットを活用したものが多くみられるようになってきております。
 このような社会では、超情報化社会における生活への対応が求められており、社会教育事業の在り方や社会教育委員の体制について検討してまいります。
 北斗市においては、各種文化・スポーツ団体、サークル、高齢者大学が自主的な活動を進めておりますが、加入者数が年々減少傾向にあります。
 社会教育事業においても、多種多様なニーズに対応していくため、事業に参加しやすい工夫が必要であります。
 また、高齢者大学においても、講義によっては高齢者大学生以外の市民の皆さまが気軽に参加できるオープンキャンパスの実施を検討してまいります。

 青少年の健全育成につきましては、成人年齢が新年度から18歳に引き下げられることから、学校教育とも連携をし、大人としての自覚と責任を育む教育を進めてまいります。成人式につきましては、アンケート結果に基づき従来通り20歳で行うこととし、名称については「二十歳(はたち)を祝う会」という形で実施する予定であります。
 また、青少年育成大会や子ども議会において発表する子どもの意見などについて、学校単位で話し合ってもらうことにより、子どもたちの健全な成長につながっていくものと思っております。

 図書館につきましては、近年情報化の急速な進展により、図書館利用者は減少傾向にありましたが、令和3年度から図書システムを更新し、新たに「読書の通帳」による事業展開を実施したところ、小学生を中心に図書館利用者、貸出冊数の増加が図られました。
 従来から行われている図書館まつり、夜の図書館、読み聞かせ事業についても好評であり、今後においてもこれらの事業を継続するとともに、図書館利用者や図書ボランティアジュニアサポーターの意見を参考に、魅力ある図書館づくりを目指してまいります。

2 市民が主体的にかかわる芸術・文化の振興とスポーツ活動の推進

 北斗市では、令和2年度より「音楽のまち・ほくと」を掲げたまちづくりを進めていく方向性が示されております。
 これは、決して吹奏楽だけにこだわるものではなく、さまざまなジャンル、年齢層において音楽に親しみ、音楽活動が活発になることによって市民の皆さまが明るく健康で生きがいを持てることを目的としており、社会教育事業においても、市民の多くの皆さまが参加できる音楽関連の事業を実施していくことといたします。

 文化財につきましては、令和3年に北海道・北東北縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されたことにより、郷土資料館での縄文展や松前藩戸切地陣屋展などの特別展が好評でありましたので、今後においても来場者に興味関心を持っていただけるような企画展示を行ってまいります。
 また、無形文化財につきましては、コロナ禍で披露する機会がなく、活動が停滞しておりますが、学校との連携を図りながら貴重な無形文化財の伝承に努めてまいります。

 スポーツ活動につきましては、社会教育の一環であり、健康で楽しい生活を送るためには必要なものであることから、より多くの市民の皆さまが参加できるスポーツ大会やスポーツ教室を開催してまいります。
 各種運動施設の充実した総合運動公園では、多くの市民の皆さまがスポーツに親しんでおります。また、令和2年度にオープンした北斗市フットボール場は、市民、近隣市町、スポーツ合宿の皆さまから大変好評をいただいており、今後さらなるスポーツ合宿での活用や各種大会を開催し、市民のスポーツに対する興味関心を高めてまいります。
 また、ラジオ体操につきましては、幼稚園・保育園から小中学校において正しいラジオ体操が浸透してきておりますが、今後においては子どもだけでなく、大人に対してもラジオ体操の普及に努めてまいります。
 なお、令和5年度には全国高等学校総合体育大会相撲競技大会が北斗市において開催されることとなっており、新年度より教育委員会に事務局を設置し、開催に向けた取り組みを進めてまいります。

 主な社会教育施設の改修につきましては、総合文化センター電気室蓄電池更新工事、公民館電気設備更新工事、総合体育館正面玄関等改修工事、浜分体育センター電気設備更新工事、久根別体育センター屋根改修工事等を実施してまいります。
 また、学校プールにつきましては、コロナ禍における感染対策や老朽化により、萩野地区学校プール以外の浜分・島川・沖川地区の学校プールを閉鎖する予定としており、学校におけるプール授業につきましては、学校バス等を活用し、市民プールで行ってまいります。

むすびに

 新型コロナウイルス感染症は、変異を繰り返し2年以上にわたり蔓延しており、経済活動や雇用情勢を圧迫し、日常生活や学校生活においても不便を強いられておりますが、一人一人の感染防止意識を高めていただき、早急な収束を願うものであります。
 また、感染された方や、そのご家族への偏見や差別、誹謗中傷などについては、あってはならないことであり、子どもたちはもちろん市民の皆さまにおいても「思いやり」の心をもって対応していただき、市民一丸となって新型コロナウイルスの感染を乗り越えていかなければならないと思います。
 市政の基本となっているSDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」という考えのもとに、教育行政も取り組んでまいりますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
 北斗市が今後ますます発展していくためにも、これからの時代を担っていく子どもたちが健やかに育っていくこと、そして市民の皆さまが健康で生きがいを持って暮らしていけることを願い、教育の充実に誠心誠意努力してまいる所存であります。

 

 

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