北斗市では、観光施策を総合的かつ戦略的に推進するための行動指針、取組の方向性、具体的な施策を示した「北斗市観光振興プランⅡ」を策定しました。
計画の趣旨
北海道新幹線開業後、新函館北斗駅周辺の状況をはじめ、外国人旅行者の増大、新たなスポーツ施設の整備など、北斗市の観光を取り巻く環境が変化しています。本計画は、平成23年3月に策定した「北斗市観光振興プラン」の取組の検証を踏まえ、今後の交流人口の拡大や観光消費の拡大、ひいては本市の活性化を見据えた効果的で実効性のある観光振興プランとして策定しました。
計画期間
平成31年度から令和5年度までの5年間
観光振興に向けた基本方針
本市の観光振興においては、「きじひき高原の活用」「桜回廊事業の推進」「体験型観光の促進」「スポーツ合宿の誘致」「トラピスト修道院の景観活用」を観光の柱とし、観光資源の発掘・磨き上げ・活用、プロモーション、受入体制の強化により、観光価値を高めることが求められます。そこで、観光振興にかかわる人々や団体などが連携・協力をしながら取り組むため、次の基本方針を定めました。
(1)観光資源の充実及び周遊観光の推進
(2)誘致宣伝の強化
(3)観光客受入体制の充実
(4)多様な交流の推進
(5)広域観光の推進
※具体的な内容は第三章で確認することができます。
検証について
概要
平成31年3月に策定した「北斗市観光振興プランⅡ」の計画期間は令和5年度であることから、計画期間の折り返し時期である令和3年度にプランに搭載されている具体的な事業の進捗状況や新たな課題の整理などを行うため、策定時の「北斗市観光振興プラン市民検討会議委員」10名をメンバーとして検証を行いました。
開催経過
⑴第1回検証会議 令和4年2月8日 観光施策の現状と課題の整理など
⑵第2回検証会議 令和4年3月4日 観光施策の進捗状況と今後の展開など
⑶第3回検証会議 令和4年3月24日 検証内容の整理・確認
検証結果
⑴ 新型コロナウイルス感染症の影響
- 令和2年から続く新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた2年で、今後は、アフターコロナを見据えた受入体制の構築や衛生環境の整備が求められるものと考えられます。
⑵ 観光振興プランⅡに掲げる施策の進捗状況
- 下表のとおりこれまでの施策の取り組別進捗状況では、「観光資源の充実と周遊観光の推進」や「誘致宣伝の強化」は90%前後である一方、「観光客の受入れ体制の充実」は、62.5%と低調であることがわかります。
- 低調である主な要因は、観光を支える人材育成の充実が過渡期にあって未達成であったこと、コロナ禍にあってインバウンド対応が全く叶わなかったこと、観光ガイドの育成や接遇研修などを通じたホスピタリティの向上が遅れていることが挙げられます。
- 計画期間中の令和5年度までに、観光を支える人材育成の充実のため、観光協会の機能強化を図るほか、アフターコロナに対応した地域と来訪者の双方がプラスことによる持続可能な観光振興を進めていくことが求められます。
大項目 | 進捗率 | |
中項目 | ||
1観光資源の充実及び周遊観光の推進 | 88.8% | |
ア観光資源の発掘・磨き上げ | 83.3% | |
イ周遊観光の充実 | 83.3% | |
ウ各種イベントの観光資源化 | 100.0% | |
2誘致宣伝の強化 | 90.6% | |
ア各種媒体を活用した情報発信 | 100.0% | |
イ優位性を活かした効果的な宣伝誘致活動の推進 | 62.5% | |
ウ観光統計の効果的な実施 | 100.0% | |
3観光客受入体制の充実 | 62.5% | |
ア受入体制の充実 | 83.3% | |
イ観光メニューの充実 | 75.0% | |
ウ観光を支える人材育成の充実 | 58.3% | |
エ誰にもやさしい観光地づくり | 37.5% | |
オ観光ホスピタリティの向上 | 41.6% | |
カ観光案内機能の充実 | 91.6% | |
4多様な交流の推進 | 75.0% | |
ア交流人口の拡大 | 83.3% | |
イ様々な連携による観光地づくり | 62.5% | |
5広域観光の推進 | 87.5% | |
ア周辺自治体との連携 | 87.5% | |
全体進捗率 | 76.7% |
※進捗率は、事務局が別に定める方法によって独自に測定した数値。
⑶ 今後の展開
- 三ツ石地区や文月・向野地区ではワイン用のブドウ栽培が行われており、特に文月・向野地区においては令和5年度以降にワイン醸造所の建設が予定され、農業振興のみならず6次産業化による商業や観光などの地域全体への産業振興につながるものとして期待されるところです。
- 整備が予定されているワイナリーなどの新たな観光資源を活かすため、多様な関連事業者と連携を強化し、地域の方々が価値を見出すような資源の磨き上げをどう図るかが大きな課題であり、次期計画では更に踏み込んだ施策の展開が求められます。