基本計画 -第3章-

第3章 緑にかこまれた安全で快適な生活環境づくり

第1節 生活道路の整備

現状と課題

 北斗市の市道は、平成18年3月末で1,103路線(1・2級市道74路線、その他市道1,029路線)総延長478.9kmとなっており、道路の整備水準を示す舗装率は72.1%であり、順調に整備が進められてきていることを表しています。今後の道路網の整備にあたっては、道路利用者が北海道新幹線の開業や高速交通体系の整備が生み出す利便性を享受することができるよう、広域道路網の整備とあわせた市道整備を進めていく必要があります。また、快適な生活を支える生活道路網の拡大のためには、私道の整備を引き続き進めていくことが求められております。市街地を中心とした自動車交通量は依然として多い状況にあり、安全な歩行空間の確保のため、歩道などの整備が今後も望まれています。また、市街地の幹線道路では、冬季の快適な道路利用を図るため、利水上の可能性を検討し、流雪溝の整備にも取り組んでいく必要があります。
 また、道路施設のうち、特に橋りょうの多くが今後急速に老朽化が進み、修繕や架け替えが必要となります。現状の厳しい財政状況のなか、限られた財源を効率的に使うことが求められており、長寿命化修繕計画の策定とこれに沿った施策の実施による延命化対策が必要です。

市道の整備状況

市道の整備状況

<施策の体系>

生活道路の整備
1. 道路網の充実
2. 安心で快適な道路空間の形成
3. 効率的な道路管理

主要施策

1. 道路網の充実
(1) 主要な道路網の整備を広域幹線道路網の整備とあわせ推進します。
(2) 私道の整備を推進し生活道路としての機能を高めます。

2. 安心で快適な道路空間の形成
(1) 幹線道路の車道整備とあわせ歩道などを設置し、歩行者などの交通安全を確保します。
(2) 現在進めている流雪溝の整備を引き続き推進します。

3. 効率的な道路管理
(1) 橋りょうの長寿命化修繕計画を策定し、これに沿って延命化対策を実施します。
(2) 老朽化している市道の改良や舗装補修を計画的に実施します。

 

第2節 住宅環境の整備

現状と課題

 民間の住宅建設は長引く景気の低迷により従前程の勢いがありませんが、核家族化などの持ち家志向に支えられて戸建住宅の建設が進んでいます。生活水準の向上、生活意識や社会環境の変化に伴い、民間事業者と連携し、住宅需要を適切にとらえたなかで良質でゆとりある住環境の供給を進める必要があります。
 公営住宅においては、さらに進行する高齢化に配慮し在宅生活ができるよう、安全で快適な住居を供給していく必要があります。また、少子化、核家族化に対応した子育て支援を積極的に行ない、若年世帯者の定住にも努めていかなければなりません。さらに、今後も老朽化した公営住宅の建て替えや新規建設時には、市街地では建物を集約、中・高層化し、駐車場、緑地や歩道なども確保する必要があります。また、郊外の新規住宅地では周囲の環境に配慮して低層とするなど、それぞれの地域特性に応じた住みよい住環境の供給を図る必要があります。

公営住宅の現況

 新たに造成される大規模住宅団地は、土地利用計画や都市計画に基づき良質でゆとりある住宅地とするため用途地域にあった良好な居住環境の確保に今後も努めていきます。
 民間の良質な戸建住宅や賃貸住宅の建設促進のため適切な建築相談、指導の促進に努めます。

<施策の体系>

住宅環境の整備
1. 住宅用地の確保
2. 公営住宅の整備
3. 住宅環境の整備
4. 民間建設との連携

主要施策

1. 住宅用地の確保
(1) 定住促進を今後も進めるため、市街地の整備方針、地域の動向などを踏まえて良好な住宅用地供給の誘導に努めます。
(2) 大規模な住宅用地計画に対しては、住居系地域の拡大の誘導に努めます。

2. 公営住宅の整備
(1) 市営住宅である東前西団地と緑ヶ丘団地の建て替えを推進します。
(2) 老朽化した団地は、統廃合をし、維持管理の軽減化に努めます。
(3) 安全、安心、ゆとりや駐車場、公園などに配慮した住環境の整備に努めます。
(4) 障がい者、高齢者世帯には安全な生活に配慮した住宅の整備、若年者世帯には子育て支援施設の設置を検討します。
(5) 道営住宅の建設を要望します。

3. 住宅環境の整備
(1) うるおいのあるまちとして、樹木や花壇など緑の配置を積極的に推進します。
(2) 民間住宅団地の造成の場合は、可能な限り大きな区画を確保し、ゆとりある住宅地とするよう誘導します。

4. 民間建設との連携
(1) 優良な住宅建設を推進するため、情報の提供などを幅広く行ないます。また、住宅の耐震化の促進を図るため、耐震改修促進計画を策定し、耐震化に努めます。
(2) 宅地の無秩序・無計画な広がりを防止するため、開発の監視に努めます。
(3) 借り上げ公営住宅など、民間活力の導入を検討します。

 

第3節 上水道の整備

現状と課題

 北斗市の水道は、上水道、簡易水道、専用水道からなっており、平成18年3月末における水道の普及率(総給水人口/行政区域内人口)は97.7%であり、全国平均97.2%・全道平均97.2%を上回る高い普及率となっています。
 近年、宅地開発などによる人口の増加に加え、生活様式の変化に伴う水道水の需要が増加しており、上水道の区域では、水道法による事業認可を受けた目標年次である平成26年において、給水人口は53,200人、1日最大給水量は23,700m3になることを予想しています。
 現在の上水道は、戸切地川上流にある上磯ダムを水源とする清川浄水場水系、木地挽、新木地挽、村山、高田の4ヶ所を水源とする村山浄水場水系、大野ダムから注水された大野川水系、上河汲沢川を水源とする向野浄水場及び向野第2浄水場水系により、各家庭・事業所などに給水を行なっていますが、今後見込まれる水道水需要の増加にあわせた施設の整備、拡充が必要となっています。
 このため、平成19年1月までに変更認可を受けた上水道の事業拡張により、老朽化の著しい向野第2浄水場を向野浄水場に統合し、清川浄水場の改築、野崎ポンプ場の増設、清川配水池の増改築及び配水管路の増改設を行ない、給水能力の向上を図る必要があります。
 安全で安定した水づくりを行なうためには、水源となる限りある水資源を保全することが重要であり、水源上流域の森林を保護し、水源涵養力を高め、常に良好な状態を保つことが必要となります。
 また、水道未普及地域(茂辺地市ノ渡・中山)においては、保健衛生上の観点からも給水施設の整備を進め、安全な飲料水を供給する必要があります。

<施策の体系>

上水道の整備
1. 水資源保全対策の推進
2. 水道未普及地域の解消
3. 上水道施設の整備促進
4. 水資源の有効利用の啓発強化

主要施策

1. 水資源保全対策の推進
(1) 水源上流域の森林をできるだけ水源涵養林として保全するよう関係機関に要望します。
(2) 水源涵養林の植林については、保水力の高い樹種で植林するよう関係機関に要望します。

2. 水道未普及地域の解消
(1) 水道未普及地域における給水施設の整備を促進し、安全で安心な飲料水の供給に努めます。

3. 上水道施設の整備促進
(1) 浄水場の増改築、施設の拡充整備及び関連施設の整備を推進し、安全で安定した水の供給に努めます。
(2) 配水管の増改設及び、老朽管の布設替えを計画的に行ない、管網の充実と安定した水の供給に努めます。

4. 水資源の有効利用の啓発強化
(1) 有効率の向上を目指して、給配水管の維持管理及び漏水防止対策を徹底し、水の有効利用に努めます。
(2) 長期的展望に立って生活用水・業務用水などの必要量を想定し、安定した水の供給に努めます。
(3) 雑使用水の再利用など、水の上手な使い方と有効利用の啓発に努めます。

 

第4節 下水道の整備

現状と課題

 北斗市では、公共下水道事業、漁業集落排水整備事業及び浄化槽市町村整備推進事業により、下水道の整備を計画的に進め、平成19年3月末の下水道普及率(処理人口/行政区域内人口)は、84%であります。
 そのうち公共下水道事業は、昭和53年から進め、現在は市街化区域内の整備がほぼ完成し、市街化調整区域内の農村集落の事業を推進しています。
 また、漁業集落排水整備事業は、平成7年から進めており、整備はほぼ完成しています。
 浄化槽市町村整備推進事業は、平成19年度から進め、公共下水道事業区域外及び漁業集落排水整備事業区域外の下水道未整備地区の整備を図る必要があります。
 今後は、下水道整備区域内の未水洗化住宅を解消するため、各種制度の活用及び地域住民への普及啓発を進め、水洗化の普及を促進していく必要があります。

下水道普及率

<施策の体系>

下水道の整備
1. 下水道の整備促進
2. 水洗化の普及促進

主要施策

1. 下水道の整備促進
(1) 公共下水道事業は、市街化調整区域内の農村集落の整備促進に努めます。
(2) 浄化槽整備により、下水道未着手地域の整備促進に努めます。
(3) 地域住民の生活環境の向上はもとより、公共用水域の水質保全に努めます。

2. 水洗化の普及促進
(1) 宅地内排水設備工事において、水洗便所改造等資金融資あっせん制度を継続します。
(2) 広報誌の活用、パンフレットなどの配付、住民説明会などにより、水洗化の普及啓発に努めます。

 

第5節 公園、緑地の整備

現状と課題

 北斗市の都市公園は、街区公園103ヶ所、近隣公園2ヶ所、総合公園1ヶ所、運動公園1ヶ所、特殊公園4ヶ所、都市緑地6ヶ所の合計117ヶ所あり、都市公園以外の公園は30ヶ所整備されています。
 今後も地域と充分協議を進め、市民が身近で自然に親しむことができるよう、地域特性を活かした憩いの場となる公園、また、災害発生時には避難広場としてさまざまな機能をあわせ持つ公園の整備や、既設の公園の施設整備を推進する必要があります。
 また、平成18年に制定した北斗市緑化条例に基づき、「都市の緑は住む人の心をなごませ、市民にとって守り育てる財産」であるという考えに立ち、花いっぱい運動とあわせて「市の木、市の花」を活用した緑化施策を総合的に推進していく必要があります。

都市公園などの分布内訳

都市公園などの分布内訳

<施策の体系>

公園、緑地の整備
1. 自然とのふれあいの場、避難広場など多機能をもった都市公園の整備促進
2. 緑化、花いっぱい運動の推進
3. 総合的な緑化施策の推進

主要施策

1. 自然とのふれあいの場、避難広場など多機能をもった都市公園の整備促進
(1) 土地の利用状況に応じ、地域との協議を進め、地域の特色をもった街区・地区公園などの整備を推進します。
(2) 北斗市運動公園の機能向上整備に努めます。
(3) 需要状況に応じて野崎霊園第2期の整備を検討します。

2. 緑化、花いっぱい運動の推進
(1) 道道上磯峠下線の一部を地域住民とともに「千本桜」として整備したように、都市計画道路や市街地内の河川、水路、さらには学校、住民センター、スポーツ施設などの公共施設周辺も可能な限り花などで緑化し、うるおいのある環境の設定に努めます。
(2) 工場立地法との関連により、企業誘致を図る際の工場新設や、既存の工場、さらには住宅団地造成にあたっても可能な限り緑地の確保、植樹などを指導し、緑化促進に努めます。
(3) 緑化事例の紹介など緑化思想の啓発を積極的に推進し、既存の緑化保護団体の育成強化を図るとともに、町内会や老人クラブなど市民の自発的活動を基本に、花の育苗・植栽に関する技術や知識をフラワーマスター制度を活用しながら指導、啓発に努めます。
(4) 緑化保護団体と協力し戸切地陣屋の桜並木の保護に努めます。

3. 総合的な緑化施策の推進
(1) 緑の基本計画に基づき、総合的な緑化施策を推進します。

 

第6節 河川の整備

現状と課題

 北斗市の河川は、2級河川が8河川(総延長123.3km)、準用河川が4河川(総延長4.9km)、普通河川が83河川(総延長263.1km)となっています。2級河川の8河川のうち常盤川、久根別川、大野川、戸切地川、流渓川、茂辺地川の6河川が直接函館湾に流下し、海域の環境と密接な関係をもっています。河川は、水道・農業あるいは工業用水として使用されていますが、治水上では未改修の部分もあり、護岸工事や河川浚渫など改修事業の促進を図る必要があります。また、改修にあたっては河川が本来備えている優れた自然環境の保全に配慮した改修工法の採用に努めます。

河川の現況

<施策の体系>

河川の整備
1. 主要河川の改修事業の促進
2. 河川管理体制の強化
3. 内水排除対策の強化
4. 自然環境に配慮した河川整備

主要施策

1. 主要河川の改修事業の促進
(1) 2級河川である久根別川、戸切地川、流渓川の河川改修の早期完成を要望します。
(2) 普通河川、水路の治水対策を推進します。

2. 河川管理体制の強化
(1) 2級河川、準用河川、普通河川、各種水路の管理者と連絡を密にし、流出物・堆積物の除去、水害防止など管理体制の充実に努めます。
(2) 各河川の流路阻害などの調査及び樋門・樋管の点検を強化し、非常時に備えて維持管理の充実に努めます。

3. 内水排除対策の強化
(1) 低地帯を含む内水氾濫地区での浸水被害を軽減するため、内水排除対策を強化します。

4. 自然環境に配慮した河川整備
(1) 河川がもつ優れた自然環境を保全するため、改修にあたってはこれに配慮した工法の採用に努めます。

 

第7節 廃棄物対策、リサイクルの推進

 私たちが暮らしていくために、地球上の限りある資源を投入して製品を生産し、消費、破棄する、いわゆる大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会を営んでいくことは、自然界へ大きな負荷を与え、ひいては私たちの社会を持続していくことを不可能にします。
 北斗市では、豊かな自然環境と共生する資源循環型社会の確立のため、市民・事業者・行政が連携して、ごみの減量化やリサイクル化に取り組んでいます。また、焼却処理施設の効率的で経済的な活用と、最終埋立処分施設の延命化を図りごみ処理体制の充実に努めるほか、環境教育・環境学習などを通して、意識の高揚を図り、循環型社会の形成を着実に推進しています。

ごみ処理の推移

分別収集による資源ごみ処理量の推移

集団回収による資源ごみ回収量の推移

分別収集の概要

 家庭から排出されるごみは、現在11種類に分別し収集していますが、今後も処理体制に即した分別を検討していく必要があります。家庭から排出されるごみと事業所から排出されるごみについては、転入者による人口増加や事業所の増加が予想されることから、さらなる減量化対策に取り組んでいく必要があります。
 資源ごみについては、6種類に分別し収集しリサイクルをしていますが、可燃ごみとして焼却しているごみのなかにも、資源としてリサイクルできるものがあるため、再分別を検討する必要があります。また、資源ごみ収集量、資源回収団体による回収量ともに横ばいの状況にあり、資源ごみ回収量の増加に向けた取り組みが必要です。
 渡島10市町で構成している渡島廃棄物処理広域連合が整備した焼却施設は、順調に稼働しているものの施設の適正な運営を維持するために、分別の徹底や施設建設時の計画ごみ量までの減量に向けた取り組みが必要となっています。
 埋立処分場は、中山地区の中山一般廃棄物最終処分場で埋め立て処理を行なっていますが、平成25年度で埋め立て完了見込みであり、新処分場稼働までできる限り延命化を図る取り組みが必要です。
 資源化処理施設については、館野地区と中山地区でそれぞれ中間処理を行なっており、施設の効率的な運営を図るために、施設の一本化が必要ですが、既存施設の有効活用を考えた運営を検討する必要があります。
 産業廃棄物は、排出事業者が自ら処理するか、または、処理事業者に委託をしている現状にあります。
 廃棄物の排出量増加に伴い、不適切な処分、最終処分場の残余容量のひっ迫、不法投棄の多発などの課題が顕在化しており、廃棄物の発生抑制と減量化や減容化、リサイクル化を図りながら、資源保護や地球環境保全に向けて努力するよう、指導していく必要があります。

<施策の体系>

廃棄物対策、リサイクルの推進
1. ごみの減量化、リサイクル化の促進
2. ごみ処理体制の充実
3. 産業廃棄物対策の充実

主要施策

1. ごみの減量化、リサイクル化の促進
(1) 北斗市一般廃棄物処理基本計画を見直し、家庭ごみの減量化や事業所から発生するごみの減量化と資源ごみの分別回収に取り組み、ごみの減量化とリサイクル化を推進します。
(2) 家庭ごみ減量化のため、生ごみの分別収集体制を確立するとともに、民間活力の導入による効率的な生ごみ処理の推進に努めます。
(3) 家庭における生ごみの減量化及びリサイクルの促進を図るため、コンポストや電動処理機の普及を推進します。
(4) 資源ごみのリサイクル率を高めるため、プラスチック製容器類の分別収集体制を確立するとともに、町内会や地域団体と協力し、地域における資源回収などのリサイクル活動を推進します。
(5) ごみの減量化やリサイクル、さらには資源保護に対する市民や事業者の意識向上を図るため、環境に関する教育や学習機会の充実に努めます。
(6) 不法投棄防止を図るため、市民との連携や巡回監視の強化に努めます。

2. ごみ処理体制の充実
(1) 渡島廃棄物処理広域連合で整備した焼却処理施設の効率的、経済的な運営に努めるとともに、構成町と連携し可燃ごみの減量化に取り組みます。
(2) 最終埋立処分場の延命化を図るとともに、新処分場の整備を推進します。
(3) リサイクル処理施設の整備と、既存施設の効率的で経済的な管理運営に努めます。

3. 産業廃棄物対策の充実
(1) 農業用廃プラスチックなどの適正処理の指導と、リサイクル化を促進します。
(2) 排出者と処理業者に対して廃棄物の適正処理や有効活用の指導強化に努めます。

 

第8節 環境衛生の充実

現状と課題

 北斗市におけるし尿処理は、民間事業者4社で収集し、北斗市と七飯町で組織する南渡島衛生施設組合の施設で処理していますが、公共下水道や浄化槽の整備によって、水洗化が普及したことに伴い、収集量・処理量は年々減少傾向にあります。
 今後も、公共下水道や合併浄化槽整備の状況を展望しつつ、し尿と汚泥の適正な収集・処理体制を維持することが必要です。
 火葬場については、桜岱地区と向野地区に整備されており、地理的条件や火葬件数から当分の間は対応できるものと考えられますが、桜岱地区の火葬場は老朽化が進み、施設整備の必要性を含めた検討が必要です。
 また、公共墓地は、市内に17ヶ所設置されていますが、墓地不足の状況にあります。平成15年に野崎霊園を整備しましたが、今後も墓地の拡張整備について検討を行なう必要があります。
 環境衛生については、町内会が中心となった清掃活動や緑化・美化運動が展開されておりますが、市全域で実施するように意識高揚を図る必要があります。また、近年はペットとして犬の飼育が増加していることから、弊害としてペット公害が問題視されており、飼育者のモラルの高揚を図る必要があります。

し尿収集量・処理量の推移

火葬件数の推移

畜犬登録件数などの推移

<施策の体系>

環境衛生の充実
1. し尿・汚泥処理体制の維持
2. 火葬場・墓地の整備
3. 環境美化運動の展開

主要施策

1. し尿・汚泥処理体制の維持
(1) 南渡島衛生施設組合における処理施設は、下水道の普及状況により、処理量の減少に応じた管理運営を検討します。
(2) 自家処理浄化槽の適正な維持管理の指導を強化します。

2. 火葬場・墓地の整備
(1) 桜岱地区の火葬場は、施設整備の必要性を含めて検討します。
(2) 野崎霊園の第2期造成は販売状況を見極めながら検討します。

3. 環境美化運動の展開
(1) 町内会活動の一環として、道路や海岸、河川などの清掃活動を奨励します。
(2) 北斗市空き地の環境向上に関する条例(草刈条例)に基づき市街地の空き地などの環境美化に努めます。
(3) 犬などのペットの飼育者に対して、罰則規定のある北海道の関係条例の啓発を推進し、モラルの高揚を図るとともに、狂犬病予防注射の接種率向上に努めます。
(4) 緑は住む人の心を和ませ、市民にとって守り育てる財産であることから、緑化・花いっぱい運動の継続実施について、各種団体に奨励します。

 

第9節 環境保全対策の推進

現状と課題

 生活環境の向上や産業技術の発展に伴う自然環境の破壊が、温暖化、オゾン層の破壊、海洋汚染、酸性雨、野生生物種の減少、熱帯林の減少、砂漠化の原因となり、地球規模の環境問題として取りざたされています。
 こうした地球環境問題に地域から対応すべく、北斗市では大気汚染の常時観測や騒音振動の定期観測による監視や、河川の水質汚染測定などを実施して、環境公害の未然防止に努めています。また、公害対策審議会を設置するとともに、企業に対しては公害防止協定の締結をし、企業努力による公害防止を指導しています。
 今後とも、市民生活で発生する公害と企業の生産過程で発生する公害については、減少させる必要があります。
 北斗市をはじめ函館市や七飯町、漁業協同組合で構成する「函館湾漁場環境保全対策協議会」、さらに函館市、北斗市、七飯町で構成する「函館湾流域下水道事務組合」において、函館湾海域の水質保全に努めていく必要があります。

二酸化硫黄濃度の年平均値の経年変化

二酸化窒素濃度の年平均値の経年変化

浮遊粒子状物質濃度の年平均値の経年変化

河川のBOD経年変化

クリーンおしまの排出ガス測定値結果(1)ダイオキシン類

<施策の体系>

環境保全対策の推進
1. 公害防止対策の充実
2. 函館湾の水質保全対策の充実
3. 環境教育・啓発活動の充実
4. 環境問題への対応

主要施策

1. 公害防止対策の充実
(1) 大気汚染の観測、騒音、振動、悪臭などの定期観測を継続するとともに、規制区域外においても指導・監視体制の強化に努めます。
(2) 企業に対しては、公害防止協定の締結を指導します。
(3) 企業立地や宅地造成などの開発を行なう際に、緑化対策などの自然環境の保全を総合的に進めるように指導します。
(4) 林地開発や河川工事、土木工事などに伴う水質汚濁防止対策を図るように指導します。

2. 函館湾の水質保全対策の充実
(1) 関係自治体と連携して、公共用水域の水質保全や海域、河川の水質などの調査を継続するとともに、油、廃棄物、工場排水などによる海洋汚染防止対策に努めます。

3. 環境教育・啓発活動の充実
(1) 自然環境の破壊がさまざまな地球環境問題を引き起こしていることから、学校における環境教育や環境シンポジウムの開催など、市民総ぐるみの環境保全対策を展開します。

4. 環境問題への対応
(1) 車から排出される二酸化炭素削減のために、市有車の低公害化に努めます。
(2) 廃棄物のリサイクルを促進し、限られた自然資源の効率的活用に努めます。
(3) 失われた自然を回復させ、今ある自然を保護するため、市民との協働による植樹や保護活動の推進に努めます。 

 

第10節 防災対策の推進

現状と課題

 北斗市では、平成5年の北海道南西沖地震以降、大きな災害は発生していませんが、函館平野西縁断層帯という活断層が存在することから、地震、津波、地すべり、崖くずれなど自然災害発生の危険性が懸念されており、災害に強いまちづくりなど防災に対する関心が高まっています。
 また、一般国道228号については、大雨によって矢不来・茂辺地間が閉鎖され、緊急時の通行や日常生活に支障をきたし、幹線道路の整備が急がれています。
 現在の防災体制は、北斗市地域防災計画に基づき進められています。さらに防災体制強化の重要性から、函館地域2市1町防災協定、応急生活物資の供給に関する協定、北斗市内郵便局間の協力に関する協定及び災害時における応急及び復旧対策に関する協定を北斗市建設協会と締結し、災害時の相互支援体制を確立しています。
 また、北海道石油コンビナート等防災計画で、特別防災区域に指定されている区域である七重浜地区では、住宅が密集しており、防災訓練を実施するなかで、特定事業所の所在する区域及び周辺での避難対象や避難先の見直しを図りながら、災害の発生や拡大防止を図る必要があります。
 さらに、災害時に迅速かつ効果的に対応するために、旧上磯地区内に73ヶ所設置されている防災行政無線を旧大野地区へも設置し、その有効活用と情報の提供体制の強化を図りながら、災害から身を守るために、市民の防災意識を高めるとともに、町内会や職場における自主防災組織を育成し、自主防災体制を確立する必要があります。

<施策の体系>

防災対策の推進
1. 国土保全の促進
2. 災害予防対策の強化
3. 災害応急体制の充実
4. 情報・通信体制の充実

主要施策

1. 国土保全の促進
(1) 海岸浸食を防止するため、東浜地区、谷好地区の海岸保全整備について関係機関と協議します。
(2) 崖くずれなどによる山地の災害防止に努めます。
(3) 保安林の保全管理に努めます。
(4) 未立木地への広葉樹などの造林を推進します。

2. 災害予防対策の強化
(1) 七重浜地区の石油コンビナート特別防災地区における保安対策の確立に努めます。
(2) 防災対策として緩衝緑地帯の保全に努めます。
(3) 南部坂地区の防災ダムの早期完成を促進し、流域の農地と下流の住宅地を水害から守ります。
(4) 河川上流域の保安林内の整備を進め、土砂流出や山地崩壊の防止に努めます。
(5) 崖くずれ、地すべりなどの傾斜地の崩壊防止対策として、治山事業を推進します。
(6) 富川・茂辺地間の高規格幹線道路の整備促進を要望します。

3. 災害応急対策の充実
(1) 防災関係機関と市民が一体となり、情報伝達や応急対策などを目的とした防災訓練を実施し、技術の向上や市民の防災意識の高揚に努めます。
(2) 地域住民や企業内の自主防災組織を育成します。

4. 情報・通信体制の充実
(1) 防災マップを作成し、地震、津波、大雨などの災害時における避難場所、避難経路の周知を図るとともに、迅速な避難ができるよう誘導標識などの設置を推進します。
(2) 災害時の情報を迅速かつ効果的に伝達するため、旧大野地区へ防災行政無線を整備するなど、防災情報の供給体制の強化並びにその有効活用に努めます。

 

第11節 消防、救急体制の強化

現状と課題

 北斗市は、七飯町、鹿部町とともに南渡島消防事務組合を組織し、広域的かつ効率的な消防、救急体制の強化に努めています。また、北海道広域消防相互応援協定が締結され、大規模な災害発生時には、道南の消防機関はもとより、北海道全域の広域的応援体制が確立しています。
 住宅地や工業団地などの新市街地の開発、北海道新幹線及び新駅の建設、高規格幹線道路の建設などに伴い、住宅の増加、建築物の大規模化、危険物施設などの増加が進み、都市型災害の危険性が懸念されるため、施設などの整備や消防職員、消防団員の育成強化など消防力の充実強化が課題となっています。

消防体制と消防力の現状

火災発生内容の推移

 消防機関の行なう救急業務は、昭和38年に法制化されて以来、その体制が逐次整備され北斗市においても市民の安全を確保する上で必要不可欠な行政サービスとして、市民生活に深く定着していると思われます。こうしたなかで、年々増加し続ける救急需要の大きな要因は、高齢化と救急に対する住民意識の変化が考えられます。また、救急業務を担う消防機関としては新たな処置拡大などを視野に入れ、病院前救護体制の更なる充実に努め、救急医療体制の強化と、市民に対して応急手当の普及啓発を推進し、救命率の向上に努めます。

救急出場状況の推移

 防火意識の啓発については、広報活動や一般家庭の防火査察、また、女性消防団員による一人暮らしの高齢者などの防火査察も行なってきました。今後は、さらに地域住民や事業所などによる自主防災組織の確立を図るとともに、防災訓練の参加を促し、防火意識の啓発を推進していく必要があります。

<施策の体系>

消防、救急体制の強化
1. 消防力の強化
2. 救急・救助体制の強化
3. 予防対策・意識啓発活動の推進

主要施策

1. 消防力の強化
(1) 南渡島消防事務組合における消防体制の充実に努めます。
(2) 道西地域の函館市消防本部や近隣町との相互応援体制を強化して、大規模災害、自然災害などの発生及び救急出動の増加に備えます。
(3) 消防車両の更新、通信施設のデジタル化、科学的な消防資器材の充実、消防水利、施設の増設、川・海などの水を利用し、時代の要請に対応できる消防力の強化に努めます。
(4) 北海道新幹線の新駅周辺整備計画ともあわせて、北斗消防署北分署庁舎の整備に関して検討します。
(5) 災害発生時には、河川などの自然水利をより一層有効活用するよう努めます。
(6) 消防団員の資質向上に努め、訓練活動を促進します。また、消防団員の減少に歯止めをかけるためにも、特定の活動や大規模災害に限定して、その対応ごとに機能を持たせた消防団員及び消防分団を確保するよう努めます。
(7) 女性消防団員による災害弱者などの防火査察を行ない、火災予防及び安全確保の促進に努めます。

2. 救急・救助体制の強化
(1) 南渡島消防事務組合における救急体制の充実に努めます。
(2) 急病や各種災害事故における傷病者への応急処置などを一般市民に指導します。
(3) 迅速で的確な救急・救助活動を実施するため、救急救命士育成、教育訓練を図り、救急隊員の資質向上に努めます。
(4) 増加傾向にある救助活動に対処するため、救助資器材の整備、救助隊の編成、教育などの充実強化に努めます。

3. 予防対策・意識啓発活動の推進
(1) 市街地の整備にあたっては、火災発生時の住宅や工場の集積地における延焼防止を図るため、消防水利施設を設置します。
(2) 山火事を防止するため、火入れの指導など山火事防止対策の推進に努めます。
(3) 自主防災組織の育成と、災害に対する防災訓練を実施し、防災意識の向上を図るとともに、広報活動により、市民に啓発していきます。
(4) 予防査察の強化、危険物施設の建設・保安指導の強化などの推進による火災予防の徹底と、防火管理者の育成・指導による、自主予防体制の確立を促進します。

 

第12節 交通安全、防犯対策の推進

現状と課題

 北斗市三大運動の一つである交通安全運動を強力に推進するために、市民一人ひとりが主役となり、交通安全に関する各種活動に対して、その計画、実行においてさまざまな形で参加し、協働していくことが必要です。
 市内には、一般国道2路線、道道9路線の幹線道路があり、市道がそれらに接続しています。また、広域交通網や市民の生活圏の広がり、大型店の進出など、通過車両台数の増加で交通環境は極めて悪化しています。さらに、今後も交通量の増大が予想され、歩行者などの安全性の確保と道路環境整備が求められています。
 交通事故原因の多くが、スピードの出し過ぎや信号無視などであり、昨今では飲酒運転による事故が露見されるなど、運転手のモラルも低下しており、交通安全意識の高揚を図る必要があります。
 交通安全施設の整備を図ると同時に、「人優先」の交通安全思想を市民一人ひとりが自覚し交通弱者の一層の安全を確保するため、交通安全推進委員会や交通安全協会、交通安全指導員会及び町内会などと力をあわせたなかで総ぐるみの交通事故防止に取り組む必要があります。
 生活様式の変化により、自動車の保有が一家に2台、3台となり、路上駐車が多く見られ交通の支障や事故の原因となり、規制する前に交通マナーの徹底を図る必要があります。
 最近、街頭におけるひったくりや強盗、住宅などへ侵入しての窃盗など、身近なところで発生する犯罪が増加しており、また、児童などを対象とする連れ去り事件が全国的に後を絶たない状況にあり、地域の自主防犯組織と力をあわせたなかで防犯対策を推進し、安全で安心な暮しを確保する必要があります。

交通事故発生の推移

<施策の体系>

交通安全、防犯対策の推進
1. 安全な交通環境の整備
2. 交通安全意識の高揚
3. 市民総ぐるみの交通安全運動の推進
4. 市民総ぐるみの防犯対策の推進

主要施策

1. 安全な交通環境の整備
(1) 幹線道路や生活道路に交通安全施設を整備するための実態調査を行ないます。
(2) 幹線道路については、交通量の動向に応じて、歩道、防護柵、中央分離帯などの安全施設の設置や、信号機、交通安全規制標識などの設置を要望します。
(3) 生活道路については、通勤、通学、買物などの安全を確保するため、交通環境に応じた歩道整備に努めます。
(4) 地域によって道路環境や道路利用の実態及び交通状況が異なることから、地域の実情を個別要望から町内会要望などを通じて広く把握し、道路交通環境の整備を行ないます。

2. 交通安全意識の高揚
(1) 幼児、小中学生、高校生に対する発育段階に応じた交通安全教育を推進します。
(2) 高齢者大学や老人クラブなどと連携し、実践型の交通安全教育を推進します。
(3) 高齢者を中心に、子ども、親の三世代が交通安全をテーマに交流する交通安全教育を推進します。
(4) 路上駐車などの問題については、関係地域と連携し、交通ルールと交通マナーを守る意識の向上などに努めます。

3. 市民総ぐるみの交通安全運動の推進
(1) 交通安全関係団体を中心に、市民と一体となった交通安全運動を推進し、スピードダウン・シートベルト着用を重点的に推進します。
(2) 交通安全関係団体のみならず、町内会や学校などの地域による交通安全運動を推進します。
(3) 市内全域での交通安全旗の掲出を推進します。

4. 市民総ぐるみの防犯対策の推進
(1) PTA、学校、地域及び警察と連携を図ったうえで、学校、通学路などにおける児童・生徒などの安全確保に努めるため、PTAや各地域における自主防犯意識の高揚を推進します。
 また、組織犯罪から市民の安全を確保するため、暴力追放運動推進協議会北斗市支部や北海道暴力追放センター函館支局と密接に連携し、安全で安心なまちづくりに努めます。
(2) 青色回転灯の普及に努め青色回転灯の装着車両が市内全域をパトロールすることによって、抑止効果となる不審者(車)への市民の目による監視機能の強化を促進します。

 

第13節 消費者被害対策の推進

現状と課題

 インターネットなどによる通信販売や訪問販売による契約トラブルや悪質な商法などによる被害が増大しています。
 被害に遭わない消費者として、自立を促す教育・啓発活動を展開するとともに、相談体制の強化や生活関連情報の収集、管理、提供機能を確立する必要があります。

<施策の体系>

消費者被害対策の推進
1. 相談体制の充実
2. 自立する消費者の育成

主要施策

1. 相談体制の充実
(1) 消費者からの苦情などを処理する相談窓口体制の充実に努めます。

2. 自立する消費者の育成
(1) インターネットなどによる通信販売や訪問販売による契約トラブル、悪質な商法による消費者被害の未然防止に向け、自立した賢い消費者の育成に努めます。このため、広報誌などによる啓発活動の充実を図るとともに、高齢者にも分かりやすい消費者講座や研修会を開催するなど、消費者教育を推進します。

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