基本計画 -第8章-

第8章 総合的、弾力的な計画の推進

第1節 財政運営の効率化

現状と課題

 北斗市の歳入で最も大きな割合を占めているのは、国から配分を受ける地方交付税です。
 地方交付税は、所得税や法人税などの国税の一定割合を、合理的な基準に従い、地方に配分するもので、地方の固有の財源となっています。
 ここ数年、国の厳しい財政事情のもと、国と地方の税財政制度を見直す三位一体改革により、地方交付税は、年々減少しています。また、三位一体改革では、国庫補助負担金を廃止・縮減し、その分を国から地方へ税源移譲する改革が実現し、自主財源である市税の充実が図られることとなりました。
 しかし、地方の景気回復の遅れから、市税においても、その伸びが小さく、市の独自事業に使える地方交付税や市税などの一般財源の確保が厳しい状況となっています。
 歳出においては、少子・高齢社会への対応、住民に身近な社会資本の整備、地域経済の振興、北海道新幹線開業に向けた関連事業の実施、合併に伴う市民の融和、一体化の施策など、まちづくりを進めるための財政需要の増大が見込まれています。
 なお、平成18年12月には、地方分権改革推進法が成立し、今後、地方の自主・自立に向け、地方への権限委譲の推進、国と地方の税源配分など財政上の検討がされることになっています。
 また、行政改革大綱及び行政改革実施計画に基づき、行政の簡素、効率化のため、自主性・自立性の高い財政運営の確保が求められています。

歳入決算額の推移

目的別歳出の推移

年度別財政力の推移<性質別決算額>

年度別財政力の推移<一般財源と特定財源の対比>

<施策の体系>

財政運営の効率化
1. 財源の確保と財政構造の健全化
2. 均衡のとれた効率的な財政運営
3. 財政状況などの公表

主要施策

1. 財源の確保と財政構造の健全化
(1) 自主財源の根幹である市税などの収納率向上を図るため、納付相談業務の充実・周知、滞納者対策の強化など、全庁的な対策を講じて、歳入の確保に取り組みます。
また、小中学校における租税教育を進め、納税思想の涵養に努めます。
(2) 各種負担金、使用料、手数料の適正化を図るとともに、コンビニ収納など納付環境の整備を進めます。
(3) 後年度負担となる地方債の借入やその他の債務負担を抑制し、将来にわたる地方債の発行計画(借換債を含む)及び償還計画を策定します。また地方債発行額について、数値目標を設定するなどの取り組みを検討します。
(4) 行政改革大綱に基づき、補助金交付基準を策定し、補助金などの公平性の確保に努めます。
(5) 合併による暫定的な取り扱いについて、速やかな一体化が図られるよう努めます。
(6) 特定目的基金のあり方や、基金の管理運営状況を検討し、運用益の確保など、基金の適切かつ有効的な運用を進めます。
(7) 地方公共団体の財政の健全化に関する法律で定める4つの健全化判断指標を勘案し、より一層財政の健全化に資するよう、行財政上の措置を講じてまいります。

2. 均衡のとれた効率的な財政運営
(1) 経費の節減合理化などと施策の重点化を図るため、各種団体への負担金も含め、全ての事務事業について、費用対効果や受益者負担の適正化の視点から、見直しに取り組みます。
(2) 建設事業は、事業効果などを検討し、重要性や緊急性などの観点から、優先順位を付して実施します。
(3) 事業の実施においては、各種財源を比較検討し有利な財源を確保します。
(4) 公有財産の有効活用を図るため、管理手法の見直しを検討します。
(5) 公営企業・特別会計の健全な財政運営の推進に努めます。

3. 財政状況などの公表
(1) 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(2006)」を踏まえ、複式簿記の考えを導入するなど、新たな公会計制度の調査・研究を進めます。
(2) 財政事情説明書や財政健全化法に基づく財政の健全化に関する4つの指標の公表のほか、公営企業会計などを含めた連結バランスシートの作成を進め、財政情報の開示については平易な表現に努めるなど工夫を重ねてまいります。

 

第2節 広報広聴活動の充実

現状と課題

 市民の行政に対するニーズが多様化、高度化するなかで、的確な市民ニーズの把握や、情報の発信が重要です。
 さらに、市民のまちづくりへの参画機会が拡大することに伴い、市民と行政が一体となってまちづくりに取り組むことができるよう、情報の共有化を図り情報発信の即時性を高めて行く必要があります。

 <施策の体系>

広報広聴活動の充実
1. 広報活動の充実
2. 広聴活動の充実

主要施策

1. 広報活動の充実
(1) 毎月発行している広報「ほくと」の一層の内容充実に努めます。
(2) ホームページの活用により、即時性を高めた情報発信の充実に努めるとともに、市議会本会議の画像中継についても即時性を高めることが求められており、効果的な手法の検討を進めます。
(3) 職員による地域担当制である「地域サポートチーム事業」などを通じて、市民への行政情報の説明機会と市民からの情報の把握機会の充実に努めます。
(4) 報道機関などとの連携により、幅広い周知に努めます。

2. 広聴活動の充実
(1) 要望により市政懇談会を実施し、市民の声を聞く機会の充実に努めます。
(2) 出前講座(仮称)を実施し、より詳細な市民ニーズの把握に努めます。
(3) 北斗市まちづくり電子会議室を活用し、広聴体制の充実に努めます。 

 

第3節 広域行政の推進

現状と課題

 北斗市においては、地方自治法に基づく特別地方公共団体(一部事務組合、広域連合)の設置により、消防や環境衛生、下水道、大学運営などの特定分野の行政サービスを推進するとともに、函館圏行政連絡協議会や渡島広域市町村圏振興協議会の構成市として広域的な地域振興計画の策定に参画し、国や道、関係市町との調整、連携を図りながら主要事業の計画的な推進に努めています。

一般事務組合・広域連合の現況

広域的な地域振興計画の策定状況

 モータリゼーションの進行や広域交通手段の多様化、情報化社会の進展により、地域の経済はもとより、文化・スポーツ、福祉、環境対策などさまざまな分野で住民の日常生活圏がさらに拡大しています。今後においても、都市機能の向上を図るため、新幹線新駅を拠点とした広域交通ネットワークの整備促進をはじめ、広域的な観点から施設の共同設置・運営や事務の拡充を図る必要があります。

<施策の体系>

広域行政の推進
1. 広域連合、一部事務組合への加入による行政事務の効率化
2. 総合的な地域づくり計画の推進
3. 広域的な主要施策の整備促進

主要施策

1. 広域連合、一部事務組合への加入による行政事務の効率化
(1) 一部事務組合や広域連合の構成市として、効率的な事務事業を推進し適切な行政サービスの向上に努めます。
(2) 後期高齢者医療保険制度は、運営主体である北海道後期高齢者医療広域連合と構成する市町村の役割分担に基づき、新たな医療制度の適切な事業運営に努めます。

2. 総合的な地域づくり計画の推進
(1) 函館圏行政連絡協議会などにおいて関係市町間の連絡調整を図りながら、函館圏広域都市計画や函館圏地方拠点都市整備基本計画、函館地域高度技術集積活性化計画に基づく主要施策・事業を推進します。
(2) 渡島圏域の振興発展を図るため、渡島広域市町村圏振興計画や特定地域経済活性化計画に基づく主要施策・事業を推進します。

3. 広域的な主要施策の整備促進
(1) 新幹線開業にあわせた道南地域や道央圏を結ぶ高速道路網の形成のため、北海道縦貫自動車道や高規格幹線道路函館・江差自動車道、函館新外環状道路などの高速道路の整備促進をはじめ、新駅へのアクセス道路として新駅駅前通や南北の幹線道路を結ぶ主要道路を道道として整備を要望します。また、道民の悲願である北海道新幹線新青森・新函館(仮称)間の早期完成及び札幌延伸を要望します。
(2) 都市機能の向上を図るため、国道228号や幹線臨港道路湾岸線(第2工区)などの整備や、農水産物の安定供給ルートのため地域間の営農団地を結ぶ広域農道の整備促進を要望します。
(3) 新幹線開業に伴う、江差線の経営分離については、「北海道道南地域並行在来線対策協議会」で、沿線地域の公共交通機関の確保について検討を行いながら、沿線住民が安心して利用できる公共交通機関の確保に努めます。
(4) バス交通の確保・充実については、通勤・通学や通院など生活交通としての必要なサービスを北海道や近隣市町と連携し、安定的に提供できるよう努めます。
(5) 北海道新幹線の開業にあわせた体験型観光や農水産物の統一ブランド化を推進し、関係市町と連携し地域特性を生かした魅力ある広域観光の振興に努めます。
(6) 近隣市町の幅広い住民の交流の場として、文化・スポーツ施設の効果的な活用を関係市町と連携し、広域的に利用されるよう努めます。

 

第4節 行政改革の推進

現状と課題

 国、地方を通じた厳しい財政状況を背景とした三位一体の改革や地方分権の進展によって、地方の自主・自立が強く求められており、平成18年度策定の行政改革大綱に基づき強固な行財政基盤を築くため行政改革を推進しています。
 一方、住民要望の多様化、少子・高齢社会や家族の多様化などの社会現象から、公共が担う範囲は拡大をみており、北斗市は住民に最も身近な行政組織として、新たなまちづくりに向けた市民からの負託にこたえるとともに、職員の行政処理能力の向上に努め行政運営の効率化や簡素化を図る必要があります。

<施策の体系>

行政改革の推進
1. 市民とのパートナーシップ
2. 市民サービスの向上と業務の効率化
3. 市民の暮らしを支える組織
4. 市政運営の公平・公正

主要施策

1. 市民とのパートナーシップ〔市民との協働〕
(1) 市民との信頼関係を深めるため市民との情報の共有化に努めます。
(2) 協働を目的とした市民活動への支援制度を整備します。
(3) 職員の地域担当制の導入を進め、町内会活動との連携強化に努めます。
(4) 市民参加を促進し地域協働を推進する枠組みを示し取り組むとともに、協働意識の浸透に努めます。

2. 市民サービスの向上と業務の効率化〔外部委託等の推進〕
(1) 市民サービスの質の確保と業務の効率化を図るため、外部委託の推進に関する具体的な方針を示して取り組みます。
(2) 外部委託の執行方法を見直し、効率化の効果などを高めます。
(3) 公の施設の管理方法の分析・検討を行ない指定管理者制度の導入など、適切な施設の管理運営を計画的に推進します。
(4) 公共施設などの整備促進は、民間資金などの活用によるPFI手法の選択も含めさまざまな手法を検討し、効率的かつ効果的な手法により行います。
(5) ITを活用したサービス提供手段の多様化による市民の利便性の向上に努めます。

3. 市民の暮らしを支える組織〔市民のための職員集団の形成〕
(1) 市民ニーズへの迅速かつ的確な対応を可能とするため、簡素で効率的かつ機動的な組織を目指します。
(2) 個々の職員の責任と権限の明確化及び行政処理能力の向上を図るとともに、より優れた組織機構へと見直し・再編を行います。
(3) 定員管理及び給与の適正化を進めるため、定員適正化計画に基づく定員削減、超過勤務手当の縮減及び特殊勤務手当の見直しを行ないます。
(4) 職員の定員・給与・福利厚生などの状況について、市民に毎年公表します。
(5) 職員人材育成方針の策定、人事評価システムの導入など、職員の人材育成に取り組みます。

4. 市政運営の公平・公正〔歳出の効率化と適正な住民負担〕
(1) 自主性・自立性の高い財政運営を目指し、中長期の財政分析に基づく財政計画を策定するとともに、バランスシートや行政コスト計算書などを整備・活用し、財政の健全化に努めます。
(2) 公営企業会計などを含めた連結バランスシートの作成に取り組むとともに、財政状況を公表します。
(3) 各種団体への負担金も含め、全ての事務事業を、費用対効果及び受益者負担の適正化などの視点から見直します。
(4) 市税などの自主財源の確保を図るため、市税などの納付環境の向上や徴収に関する全庁的な目標管理を導入し、収納率の向上に取り組みます。
(5) 納付相談業務の充実・周知を図り、納付遅延者の状況などの早期把握に努め、効果的な対策を講じます。
(6) 公有財産の有効活用を図るため、管理手法の見直しを検討します。
(7) 地方公営企業などの経営の効率化・活性化を図り、経営の健全化に努めます。
(8) 公共工事のコスト削減を図るとともに、入札手続の透明性と公平性を確保するため、適切な入札実施方法の検討・見直しを行ないます。

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