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平成29年度 教育行政執行方針

はじめに

北斗市教育委員会 教育長

 平成29年第1回北斗市議会定例会の開会にあたりまして、教育委員会所管に関する執行方針について申し上げ、議員各位並びに市民皆様のご理解とご協力をお願いする次第でございます。

 近年における教育行政は、平成27年度の教育委員会制度の大幅な改正に始まり、総合教育会議の設置や教育大綱の策定など、様々な教育課題への迅速な対応が求められております。
 また、平成32年度からは、小学校、中学校と順次全面改訂となる学習指導要領の中で、今までの確かな学力を身に付けるための知識の習得・活用等から、今後における社会の加速度的な変化に対応するために必要な資質・能力を身に付け、主体的で対話をとおした深い学びの視点によるものへと方向性が示されております。
 これからの社会では、より一層進むグローバル化や情報通信技術、とりわけ人工知能の飛躍的な進化により、社会の仕組みが大幅に変化していくと予測される中、未来に対応できる子どもたちの教育に学校教育と社会教育が一体となって取り組んでいかなければならないと考えております。

学校教育の推進

1. 社会で活きる実践的な力の育成

 子どもたちが、社会で生きていくために必要な「生きる力」を身に付けるため、平成26年度に市長が掲げた「知の保証プラン」を3年間継続した結果として、一定の成果が得られたと考えております。
 社会がどのように変化をしてもいつの時代も最低限の学力は必要不可欠であります。平成29年度では、「知の保証プラン」が北斗市のスタンダードとなり、それが広く浸透するように努力をしてまいりたいと考えております。
 また、平成32年度から改訂となる学習指導要領への対応として、さらなるICT機器の導入、ALTの増員を計画的に実施してまいりたいと考えております。
 さらに、自ら課題を見つけ、自ら解決していく学習スタイルや、各教科を横断した学習が求められており、それらを指導する教職員の資質向上を図るため、自主的な先進地視察補助金の増額や、小学校から中学校までの9年間を見通し、共通理解を図るための効果的な研修会を開催してまいりたいと考えております。

 土曜授業につきましては、平成27年度から土曜日の過ごし方として、体験学習やふるさと学習等に地域の皆様方のご協力をいただきながら実施しております。
 平成28年度より、今まで以上に地域と学校の関わりを深めるために、学校運営協議会を順次設置しております。地域の人々が学校運営に直接携わることにより、今まで以上に地域と学校が相互に活性化を図るための補助金制度を試験的に実施してまいりたいと考えております。

 特別な支援を要する子どもたちにつきましては、子どもの数が減少する中でも、増加している状況にあります。一人ひとりの子どもがそれぞれの特性を生かすために、個々に応じた指導、関係機関との連携、教職員の資質の向上に努めることは勿論でありますが、平成29年度に開校される特別支援高等学校との連携を深め、情報交換や指導をいただきながら対応していかなければならないと考えております。

 要保護及び準要保護世帯における就学援助費につきましては、平成29年度から新入学児童生徒学用品費の単価の見直しや援助項目を増やすなど、助成を拡大してまいりたいと考えております。

2. 豊な心と健やかな体の育成

 子どもたちが今の学校生活を楽しく過ごし、そして将来社会に出て生きていくためには、健康と人を思いやる気持ちが重要であります。幼少期における家庭での教育が基本であり、地域とのふれあい、そして学校における教育により豊かな心と健やかな体の育成に努めていかなければなりません。
 平成27年度に策定された教育大綱の中では、コミュニケーションの基本となる「あいさつの大切さ」について記述されおり、平成28年度において重点事項として取り組んでまいりましたが、平成29年度におきましてもさらなる指導を進めてまいりたいと考えております。
 そのためには、就学前における家庭での「おはよう」から「おやすみ」までの基本的なあいさつの習慣が重要でありますので、保護者の皆様にもご協力をお願いいたします。
 平成28年度の全国体力・運動能力、運動習慣調査の結果では、小学校男女におきましては全国平均を上回る結果でありましたが、中学校男女においては改善傾向にあるものの、全国平均を下回っている状況であります。
学校教育において、幼稚園や保育園との連携や子どもたちに運動することの楽しさや健康の重要性を正しく伝えるための授業改善にも取り組まなければなりません。
 また、調査結果においては、北斗市の子どもたち全般に言えることとして、中程度の肥満の割合が多い状況であり、日常における生活習慣の改善や通学における自動車での送迎についても考慮していかなければなりません。
歯の健康につきましては、平成28年度において全ての小学校でフッ化物洗口を実施することができ、平成29年度においては中学校でも実施し、虫歯予防に努めてまいります。

3. 信頼される学校づくりの推進

 子どもたちへの学習指導、生徒指導を行う上で、子どもや保護者との信頼関係の構築は不可欠であり、意思疎通ができていない状況における指導はトラブルの原因になることを認識し、児童生徒や保護者の思いをくみ取り、綿密な連携を図っていかなければなりません。
 また、道内では教職員による飲酒運転をはじめとする問題が増加傾向にあり、信頼が薄れてきております。北斗市におきましては、飲酒運転を含む重大事案についての事例はありませんが、教職員に対しての規範意識の確立についてより一層の指導をしてまいります。
 災害時等における危機管理の対応では、北斗市地域防災計画や各学校における危機管理マニュアルに基づき、学校のみならず、地域と連動した防災訓練を実施するとともに、各関係機関からの外部講師の導入等をして、子どもたちや教職員の災害等に係る危機管理意識の向上に努めてまいります。

 学校教育施設につきましては、多くの学校が建築時より20年以上経過していることから、長寿命化を図るため計画的に改修工事を進めてまいります。また、学校給食共同調理場におきましても、計画的に大規模な調理機器の入れ替え等を実施してまいります。

社会教育の推進

1. 北斗市らしい生涯学習社会の実現

 社会教育の役割は、市民が生涯にわたり明るく元気な生活を送るために、自由に学べる環境の提供と多様化する市民の学習活動に対応して行くことにあります。
 北斗市における各種団体サークル活動は、自主的、積極的に行われておりますが、少子高齢化の進展、社会情勢の変化、家庭環境の変容等により、加盟団体や会員数は減少傾向にあります。
 今後、社会教育活動を推進していくためには、市民ニーズに即した活動に加えて学校教育との連携を密にして、学校教育ではできない教育を社会教育が担って行かなければなりません。
 そのため、地域との関わりを大切にし、市民相互のつながりを広め、学習で得た知識や経験を地域の活性化や子どもたちの成長に生かせる環境づくりを進めてまいります。
 また、総合文化センター「かなで~る」の改善につきましては、長寿命化計画に基づき、順次改修を進めてまいります。
 平成29年度では、吸収式冷温水機の入れ替え、小ホールには車椅子に対応できる観客席改修工事を実施してまいります。

 青少年の健全育成につきましては、幼少期における家庭教育が基本でありますが、目まぐるしい社会環境の変化と多様化する現状においては、家庭だけではなく、社会全体で子どもたちへの関心を深め、見守る活動が大きな役割を果たすものと考えております。
 このため、各中学校区に設置されている健やかに子どもを育てる会など関係団体の活動に対し、引き続き協力・連携してまいります。
 また、学校におきましては、幼稚園、保育園と小学校、中学校とさらなる連携を図り基本的なものの考え方や規範意識、運動能力等について連続性を持ち、育成してまいりたいと考えております。

 ふるさと教育につきましては、子どもたちが北斗市の良さを認識し、愛着を持つために、学校教育における学習や社会教育における「ほくと学ジュニア検定」、「ふるさとかるた」の普及を実施しており、その結果として、第2次総合計画策定に伴う中学生へのアンケートにおける北斗市の印象の分野において、一般調査を上回るプラス評価を受け、その成果が徐々に見えており、今後も重点事項として取り組んでまいりたいと考えております。

 図書館におきましては、利用者数が減少傾向にあります。蔵書数は10万冊を越えているものの、専門書等が古くなってきており、その入れ替えや新刊、幼児向けの絵本の充実に努めていかなければならないと考えております。
 また、図書館の運営につきましては時代のニーズに即した事業展開や運営方法について検討していかなければならないと考えております。

 文化財につきましては、平成28年度をもって高規格幹線道路函館・江差自動車道建設に伴う埋蔵文化財の発掘作業が終了したことにより、これらの出土品を含めた常設展示や特別展示において、市民の皆様が北斗市の文化や歴史に興味を持って足を運んでいただけるような企画を通して、文化財の活用と郷土資料館の効果的な運営を進めてまいります。
 無形文化財につきましては、保存会の皆様のご努力もあり、さまざまな行事への参加によって、市民の皆様にご披露する機会が増えております。今後におきましては、学校との連携を図りながら後継者の育成にも努めてまいります。

 スポーツ活動の推進につきましては、大きく分類すると競技スポーツと楽しむスポーツの二つに分けられます。
 競技スポーツにつきましては、オリンピック等への出場や小中学校におきましても全国大会で優秀な成績を収めるなど、その活躍は、目覚ましいものがあります。
 これは体育協会をはじめとした各種スポーツ少年団、学校におけるクラブ活動の成果であります。
 市民の健康を考えたときに競技スポーツでの活躍は、市民に対してスポーツへの関心を高める意味では大きなものであります。
 一方で、楽しむスポーツの底辺拡大の基本として、市民が気軽に誰でもが取り組める健康づくりとして、ラジオ体操を普及させてまいりたいと考えております。
 このため、平成29年度におきましては、夏期巡回ラジオ体操を実施する予定としております。これを契機に市民の皆様方にラジオ体操の効果を周知していくこととし、家庭において、地域において健康増進への意識を高め、健康で生きがいの持てるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

むすびに

 昨年は、北斗市誕生10周年、北海道新幹線開業と歴史的な年でありましたが、これからの社会情勢が予想しにくい時代において、北斗市に住んで良かった、これからも北斗市に住み続けたいと思えるまちづくりを教育の分野において取り組んでまいりますが、そのためには、家庭、地域の皆様方のご協力をいただきながら、「教育で選ばれるまち北斗」を目指して北斗市の教育の充実発展に誠心誠意努めてまいる所存でございます。

 市議会議員各位、並びに市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、所信といたします。

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