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【令和4年度】青少年の主張

北斗市青少年育成大会が令和4年10月8日(土曜日)、総合文化センターかなで~る大ホールで行なわれました。
大会では、「拝啓 未来の北斗市へ~変わりゆく世界を見つめて~」「今のわたしが未来を創る~無限の可能性を信じて~」をテーマに、市内小中学校、高校から選出された青少年が主張しました。北斗市の未来や、これからの北斗市への提言、そして今後の自分の未来、身近な人との心のつながりなどに対する、率直で熱い思いを発表しました。 

開会式の写真たくさんご来場いただいた会場の写真

 

1.郷六航 さん(茂辺地小学校6年)『世界とつながれ 未来の北斗市』
2.太田凛駕 さん(上磯小学校6年)『未来へつなげる自分たちの姿勢』
3.高田玲央斗 さん(沖川小学校6年)『北斗市のお米「ふっくりんこ」について思うこと』
4.渡谷桔平 さん(浜分小学校6年)『スポーツの力を信じて~魅力ある街、北斗市』
5.藤田威琉 さん(島川小学校6年)『北斗市と共に未来に向かって』
6.山﨑夏音 さん(大野小学校6年)『お互いのことをわかりあう未来へ』
7.小川源粋 さん(石別中学校2年)『輝け北斗市!これからも』
8.寺澤詞野 さん(浜分中学校2年)『北斗市を有彩色に』
9.山下歩睦 さん(大野農業高校3年)『大野農業高校の魅力を伝え、未来の農業を支える存在にしていくには』
10.西山航平 さん(函館水産高校3年)『ジェンダー~私の想うこと~』

 

1.郷六航 さん『世界とつながれ 未来の北斗市』

茂辺地小学校郷六さん写真

 Hello everyone. そして未来の北斗市のみなさんこんにちは。
 僕は絵を描くのがとても好きです。去年、学校の近くの矢不来天満宮を描きましたが、格好よく描けたのでうれしくなりました。
 北斗市には、多くの人に知ってもらいたい宝物といえるものがたくさんあると思っています。
 たとえば茂辺地地区には札幌から東京まで走っていた寝台列車の北斗星の車両があり、今はホテルとしてさまざまな人に利用されているのを知っていますか?
 また、北斗市で育てているおいしいトマトは、本州にも出荷されて、なんとディズニーランドでも使用されているそうです。
 みなさんのまわりにも、まだ僕の知らない宝物がいろいろあるのではないでしょうか。
 僕はそれらの宝物をイラストに描ければうれしいなと思っています。
 北斗市のさまざまな宝物がイラストになって、たくさんの人に親しんでもらえるようになれば、楽しいと思いませんか?
 僕は今年の夏、茂辺地サーモンズのみんなと愛知県一宮市で行なわれた一千万人ラジオ体操・みんなの体操祭に参加してきました。
 新函館北斗駅から北海道新幹線に乗り、名古屋駅まで行きました。朝8時30分に茂辺地を出発した僕は夕方4時には愛知県のホテルに到着していました。
 次の日の朝早かったのですぐ休みましたが、早朝のラジオ体操は気持ちよく、テレビ放送にも映ることができたのはよい思い出です。
 この経験から北斗市に新幹線の駅があることはすごいことだと気がつきました。
 お金や時間はかかりますが、僕達は一日のうちに日本中のどこにでも行くことができるのです。
 2030年、僕が二十歳になる頃、北海道新幹線は札幌までつながる予定です。今は何時間もかかりますが、新幹線に乗れば一時間で札幌まで行けるようになるそうです。
 もっと未来には、海も越えて、韓国などの外国ともつながることができているかもしれません。
 そうなれば日本だけでなく、世界中の人達にも北斗市の良さをわかってもらえる機会がふえるのではないかとワクワクします。
 新幹線だけではなく、船などのいろいろな乗り物も発展し、北斗市がどんどん世界とつながっていってほしいです。
 未来の北斗市のみなさん、北斗市と日本中、世界中との交流は進んでいますか?いろいろな人達とのふれあいを思いっきり楽しんでください。
 僕も北斗市の宝物をたくさん見つけてイラストに描けていればと思っています。
 Thank you for listening. Have a nice day.

2.太田凛駕 さん『未来へつなげる自分たちの姿勢』

上磯小学校太田さん写真

 皆さんは、北斗市で生まれ育ってどのように感じていますか。
 ぼくが感じている北斗市の印象は、住んでいる人がとても優しい街だということです。そのように感じる理由は、二つあります。
 まず一つ目は、学校に行くとき、近所のおじいさんやおばあさんに会うと必ずあいさつをしてくれます。朝からうれしい気分になって登校することができます。
 二つ目は、信号機のない横断歩道で止まって車が通り過ぎるのを待っていると、ドライバーさんが車を停車させ、「渡っていいよ。」と手で合図をしてくれます。ぼくもゆずり合いの気持ちを忘れず、相手のことを大切にできる大人になりたいと思います。
 ぼくは、今、小学校で児童会長を務めています。ぼくが頑張って取り組んでいることは、小学校を明るいあいさつでいっぱいにすることと、いじめのない学校にすることです。
 あいさつに関しては、自分から手本になることはもちろん、上磯小学校の児童全員が自ら進んであいさつをする習慣が身に付くよう、あいさつ貯金箱などの活動をしています。上磯小学校の1日が、明るいあいさつから始まり、私たちが地域の方から元気をもらうだけでなく、上磯小学校のあいさつを地域にも広げ、地域の人たちに元気を与えられる発信地になればうれしく思います。
 いじめをなくすためには、相手の気持ちを考えて行動すること、助け合うこと、友達と認め合うことが大切だと思います。やさしくされると、他人にもやさしくしたくなります。先ほど話したドライバーさんの行動のように、やさしさと思いやりが広がったら、いじめはもちろん、犯罪や事故が減って暮らしやすい北斗市になると思います。
 平成28年に開業した北海道新幹線に皆さんは乗ったことがありますか。私は北海道新幹線に乗って2度東京に行ったことがあります。とても東京が身近に感じたことを覚えています。8年後には札幌までつながり、今後はますます東京と札幌をつなぐ中継点として私たちの北斗市は、重要な役割を担います。たくさんの桜の名所がある北斗市。海と山の新鮮な食べ物にも恵まれる北斗市。そんな自慢のできる北斗市へ、多くの人に観光に訪れてほしいと思います。そのために、JRと連携し新幹線の発着アナウンスに北斗市内の小学生のメッセージを入れてお迎えできたら素敵だと思います。たくさんの人たちが北斗市を訪れた際に、地域の人の素敵なあいさつやドライバーさんのような思いやり、ゆずり合いのようなおもてなしの心で、私は訪れた人を迎えたいと思います。地域の人たちから受け取ったやさしさというバトンを大切に引き継いでいけるようなそんな北斗市をつくっていきたいと思います。
 最後に皆さんに紹介したい歌詞があります。「いつかぼくらが大人になったらここをふるさととよぶだろう、それまで一緒に笑って泣いて、たくさんの愛と太陽浴びて、うれしいときも悲しいときも手を取り合って…」
 これは私が小学校1年生の時に北斗市のPRムービー(キミとボクとホクト)に参加した際に出会った歌詞の一節です。私はこの部分の歌詞が特に気に入っています。
 これこそ未来へつなげる自分たちの姿勢だと思います。今できることに一生懸命取り組み、この素晴らしい北斗市がいつまでも続いていくよう、無限の可能性を信じて、一緒に取り組んでいきましょう。   

3.高田玲央斗 さん『北斗市のお米「ふっくりんこ」について思うこと』

沖川小学校高田さん写真

 みなさんは、北斗市の「町自慢」と聞いて何を思いうかべますか。桜やホッキ貝などいろいろありますが、僕は迷わず、「ふっくりんこ」と答えます。
 「ふっくりんこ」は、北斗市で一番多く作られているお米です。僕の家は、祖父の代から農業を営んでいます。トマトやきゅうり作りが中心ですが、米作りもしています。もちろん作っているお米は「ふっくりんこ」。僕は毎日、自分の家で作った「ふっくりんこ」を食べていますが、本当においしいです。名前の通り、ふっくらしていて、炊き立てはもちろん、冷めても甘みがあっておいしいです。僕の家族もみんな、「ふっくりんこ」が大好きです。「ふっくりんこ」は、飛行機のファーストクラスの機内食に選ばれていたり、「学校給食米」としてお店で売られています。給食で出るふっくりんこタルトやムースも人気があります。それだけ「ふっくりんこ」はおいしくて安全なお米と認められていて、北斗市の大きな自慢だと、僕は思います。
 米作りは、決して簡単なものではありません。僕は、田植えの特に苗箱を洗う手伝いをしましたがとてもつかれました。作業の大変さはもちろんですが、それ以上に難しいのは、米の出来ばえが天候に左右されることだと、祖母が教えてくれました。特に稲刈りまでに田んぼが乾いていなければいけないのですが、この時期は台風シーズンなので、毎年心配なのだそうです。毎日何気なくおいしいご飯を食べていますが、これも米作りを頑張っている祖父母や農家の方々のおかげであり、感謝の心をもって食べなければいけないと、改めて思いました。
 「ふっくりんこ」についてもっと知りたいと思い、僕は沖川小学校のみんなと先生方に、自分で考えたアンケートを行いました。その結果、「ご飯が好き」と答えた人は100%で、「給食のご飯が好き」と答えた人もほぼ100%でした。僕ももちろんその一人なのでうれしかったです。しかし、給食のご飯が「ふっくりんこ」だと知らなかった人が約38%もいて、僕はショックでした。「ふっくりんこ」のことをもっと知ってもらいたいと思いました。また、夕食でご飯を食べる人は100%に近かったのですが、朝食にご飯を食べる人は半分ほどしかいませんでした。朝も夕もご飯を食べている僕は、朝食でもお米を食べてほしいと思いました。
 実は、僕は前から気になっていたことがあります。それは給食で残るご飯のことです。僕の学級では、ご飯が残ることが少ないのですが、毎回完食というわけではありません。北斗市全体ではご飯の残食量がどのくらいあるのか、給食センターさんに問い合わせてみました。みなさんはどのくらいあると思いますか。給食1回分でのご飯の残食量は、北斗市全体で約130kg。おにぎりにすると約1,300個分でそれらはすべて処分されているそうです。給食として炊いたご飯の約20%が捨てられているという計算になるそうです。給食一回で約130kg。ご飯は週三回なので単純計算で、一週間に約390kg。それが一カ月、一年と考えると、ばく大な量の「ふっくりんこ」が捨てられていることになります。僕は本当に驚き悲しくなりました。SDGsの食品ロス問題にも大きく関わりますし、農家さんの大変さがわかる僕にとって、その苦労がこんな形で捨てられていると思うと、とても辛いです。アンケートでは、給食のご飯の残量を減らす方法として、ふりかけや味のついたご飯、おにぎりにするなどのアイデアが出ていて、僕もなるほどと思いました。ご飯の残量がもっと少なくなるような取り組みが必要だと思います。
 「ふっくりんこ」は、北斗市の「町自慢」の一つです。僕は、「ふっくりんこ」のおいしさをもっと知ってもらい、たくさん食べてもらいたいです。また僕は将来、農業を継ぐ兄を手伝いながら「ふっくりんこ」を作る側としてもがんばりたいと考えています。僕が大好きな「ふっくりんこ」を、これからも北斗市の自慢のお米として、食べる側と作る側の両方の立場で大切にしていきたいと思います。

4.渡谷桔平 さん『スポーツの力を信じて ~魅力ある街、北斗市~』

浜分小学校渡谷さん写真

 私はスポーツをすることが好きです。その中でも、私も選手としてプレイしているサッカーが大好きで、よくフットボール場を利用します。皆さんの中にも、総合体育館や、かみんぐなどがある北斗市運動公園を利用したことがある人も多いのではないでしょうか。
 私は、北斗市について考えた時、皆さんにもスポーツを通して、多くの北斗市の魅力を知ってほしいと思いました。
 北斗市は、多くのスポーツ選手を輩出しています。オリンピックに出場したバドミントンの佐々木翔選手、アルペンスキーの佐々木明選手などはここ北斗市から生まれました。また、プロサッカー選手や野球選手として活躍した人もいます。今の子ども達も、陸上やバスケットボールなど、色々なスポーツで活躍しています。これは選手自身の努力はもちろん、北斗市の恵まれた環境もその一つではないでしょうか。北斗市に合宿に来た実業団の陸上選手の方々が、PR動画の中で北斗市の魅力について、「北斗市の夏は涼しく、長い時間トレーニングすることができ、食事は無農薬野菜を使ったおいしい料理が食べられ、陸上競技場の近くにあるプールやトレーニングルームが無料で利用できる所は、選手にとってすごく良い環境が整っている」と話していることからも、北斗市の環境が、スポーツに適していると思います。
 私は今年、フットボール場で強豪チームの上手なプレイを見てもっと上手くなりたいと思いました。
 このような、レベルの高い選手を間近で見られる北斗市の環境はとても魅力的で、将来のスポーツ界で活躍するかも知れない子ども達にとって、必要だと思いませんか。
 ところが浜分小学校の六年生にアンケートを取ってみたところ、こういったスポーツ合宿がおこなわれていることを知っていたのは145人中、たったの6人しかいませんでした。しかも、練習を見に行ったことがあったのは私1人でした。この結果を見て、私は「マジか」と驚きました。せめてスポーツをしている人は、みんな知っていると思っていたからです。
 この現状を知って、もっと知ってもらう方法を考えなければと思いました。例えばポスターを作り北斗市内の学校に配布したり、NCVで紹介してもらったりするのはどうでしょうか。そして、私のこの発表も会場にいる皆さんに知ってもらうきっかけになればいいと思います。
 北斗市はSDGsの取り組みも掲げています。「だれ一人取り残さない」みんなでスポーツを楽しめる環境になれるように、まずスポーツを好きになってもらうことから始めたらいいのではないでしょうか。いきなり本格的でなくても、遊び気分でスポーツを楽しめる公園や施設、イベントが北斗市にもっとあればいいな、と思います。
 この先、もっと多くのスポーツ選手を見られる機会を増やすこと、そしてスポーツに興味を持った子ども達が選手の方々から直接指導を受ける機会を作っていただくことで子ども達にとって良い刺激になり、これからも多くのスポーツ選手が北斗市から生まれるかもしれません。そして、北斗市がもっと魅力あるスポーツの街になるのではないでしょうか。
 さあ、明日は市民スポーツの集いです。
 皆さん、スポーツを楽しみましょう!  

5.藤田威琉 さん『北斗市と共に未来に向かって』 

島川小学校藤田さん写真

 ソサエティ5.0の世界。AIの発達。SDGsの取り組みなど、人間がうまくIoTを使いこなし、ともに生きていく時代が始まっています。では、これからは未来をどのように生きていけばよいのでしょうか。そこで、僕は、北斗市の未来について、クラスのみんなと一緒に考えました。
 一つ目は街をきれいにすることです。街をきれいにすると心もきれいになり気持ちよくすごせるからです。また、環境問題にとってもいいですし、観光客を呼び込むためにも良いと思うからです。そのためには、私たちがごみ拾いをしたり、ごみをそこらへんに捨てなかったりすることが必要です。それに加えて自動のごみ拾い機などもよいという話になりました。
 二つ目は防災に力を入れることです。最近は地震や集中豪雨などの異常気象が後を絶たないからです。それに対応すべく、今あるハザードマップなどを活用しながら、シェイクアウトの推進や防災アプリの開発などを目指していくとよいと思います。
 三つ目はいろいろな物を自動化することです。例えばトラクターやバス、雪かき機、ゴミ分別機などを無人化するという意見が出ました。それらを使うことで、誰もが便利に暮らせる北斗市になると考えたからです。
 クラスで話し合ったことをまとめると、観光、防災、自動化、それらを組み合わせることで、さらに北斗市の未来はよくなるということです。
 その中で特に、僕が大切にしたいことは農業に関わることです。今の農業は高齢化で跡継ぎも少なくなっています。実際、僕の家も農家ですが、僕の家族はいつも忙しくしています。そのような農家はまだほかにもあると思います。では、どうしたらよいのか、考えてみました。
 一つ目は、機械の自動化です。とは言っても、機械の導入にはお金がかかります。そこで、北斗市が中心となってみんなで機械化を進めるのはどうでしょうか。もちろん、様々な問題があるとは思いますが、今後の北斗市を考える上では必要なのではないでしょうか。
 二つ目は、使われていない畑の活用です。新しい土地を開拓することは自然環境の問題があります。ですから、今使われていない畑や今後、使われなくなりそうな畑を確実に活用していくことが必要だと思います。
 三つ目は、農業に関わる人を増やすことです。そのために、VRを用いた農業体験はどうでしょうか。そうすれば、北斗市周辺に住んでいない人にも、農業の経験と良さを伝えることができると思います。
 僕は、将来、農業をしたいと思っています。北斗市の自慢の農業を農家と北斗市がタッグを組んで進化させていく。そのために、よりよい未来を想像し、みんなで考えてみませんか。僕も頑張ります。
 

6.山﨑夏音 さん『お互いのことをわかりあう未来へ』

大野小学校山﨑さん写真

 みなさんは、いじめについてどれだけ真剣に考えたことがありますか。私は、心の底からいじめをなくし、お互いのことを思いやる街にしたいといつも考えています。
 私の友達は、いじめを受けたことがあると教えてくれました。そして、私のお母さんも、学生時代にいじめを受けていたそうです。「物をかくす」「無視をする」「噂を流す」「仲間はずれにする」。やっているほうは、いじめだと思っていないかもしれません。でも、その人にとっては深く心が傷ついてしまうことは、よくあることだと思います。
 最近は「ネットいじめ」と言う言葉もよく聞きます。平気で個人情報をさらしたり、悪口をSNSにあげたりしている人が増えています。
 たった一つの言葉。たった一つの行動が、ときには人の命を奪ってしまう事もあります。みなさんも気づかぬうちに、誰かを傷つけているかもしれません。それは子どもだけでなく大人も一緒だと思います。
 お互いのことをわかり合い、思いやる未来へ。私にはやりたいことがあります。
 一つ目は、『相手の立場になって考えること』です。仲の良い友達だからと言って、どんな言葉や行動も傷つかないわけではありません。仲がいいからこそ、はっきり言えず深く傷ついている人もいると思います。相手の気持ちを常に確かめながら一つ一つの言葉を大切に使っていきたいと思います。
 二つ目は、『いじめにあった人やいじめをしてしまった人に、実体験を伝えてもらう機会を作ること』です。思い出しただけでも心が苦しくなると思いますが、学校に来てもらい話を聞くことで、「いじめをなくす」ことを真剣に考える機会になるのではないでしょうか。
 三つ目は、『「お互いの事を思いやろう。」というポスターを北斗市内の様々な場所に掲示すること』です。心が温かくなるような言葉を載せてもらい、みんながお互いの事をわかり合い思い合える言葉があふれる街づくりをしていきたいです。
 北斗市に住む人が、そして北斗市に来てくれた人が、「この街は、心が温かい。みんなが互いを思いやっている。」そう感じてもらえる未来のために、私は自分ができることを精一杯していきたいです。

7.小川源粋 さん『輝け北斗市!これからも』  

石別中学校小川さん写真

 肥沃な大地、温暖な気候、漁業、農業、商工業。
 北斗市には、たくさんの恵みがあります。
 また、北海道で初めてお米が作られた場所として知られていたり、きじひき高原、八郎沼公園、上磯ダム公園などの自然体験スポットがあったり、私の家のすぐ近くにはトラピスト修道院という観光スポットがあったりします。
 そんな北斗市ですが、少子高齢化が確実に進んでしまっている、という話をよく聞きます。地区によっては過疎化も進んでいます。
 素晴らしい北斗市を、素晴らしいまま継続するのは難しいのだろうか、という疑問が私の中に大きくあります。
 私は、人口が増加している地域と、人口が減少している地域を調べて、比較してみることにしました。そして気付いたことがありました。
 キーワードは、「便利な生活」と「所得」だと思いました。
 「便利な生活」に関わって、子どもの育てやすさという点では、北斗市はクリアしているように思います。子どもの医療費負担の補助をはじめ、様々な子育て支援がしっかりしていることは、私も両親に聞いてよく分かっているつもりです。
 ただ、友達や先輩と話をしていると、「将来は○○に行く」という声を聞くことがあります。支援してもらった街に還元するのではなく、別の街で力を発揮してしまう。そういう若い人が多い、そんなイメージが私の中にあります。
 そこで課題になるのが、「所得」なのだろうかと思いました。
 働いても生活が楽にならない、不便なままだ。そうなると、やはり若い人達が街を離れてしまいます。若い人達がいなくなると、次の世代が生まれず、仕事の後継者もいなくなり、街の輝きが失われていきます。
 道内で所得金額の多い札幌市は、第三次産業を主軸にしています。それにならって、北斗市も第三次産業を、と思いましたが、北斗市の素晴らしさを継続することも大切だと思います。地産地消はもちろん、関わる人達が六次産業化に積極的に取り組んでいくことが、大きな鍵になってくるのではないかと思いました。
 優先順位で言えば、第一に所得、つまり産業。第二に住みやすさ。そうなるのではないか、と思います。
 ただ、私は石別地区に住んでいるので、交通の利便性について思うところもあります。
 お店がある、ない、多い、少ないというのは、住んでいる人数の偏りがあるので仕方がないかもしれません。
 でも、だからこそ、バスの本数が少なく、電車の時間が限られている毎日は、不便だと言わざるを得ません。
 例えば、近所のおじいちゃんやおばあちゃんが、街中の大きな病院に行かなければならない、という日があります。
 車の免許を持っている人ばかりではありませんし、免許を返納するかどうか、という話題も増えました。
 石別を通るバスの、数少ない便に合わせるのは、大変です。だからといって、本数を増やしたら、赤字になるのも分かります。
 例えば、市として「乗客がいなくても数名分の運賃を保証する」というシステムはどうでしょうか。バスを購入したり、単純に増便したりするよりも合理的だと思います。そんな風に、会社の経営が赤字にならないよう、みんなでサポートしていけば、高齢者はもちろん、私達若い世代も生活しやすい環境が整っていくのではないかな、と思いました。
 中学二年生である私には、街を大きく変化させる力はありません。たくさんの人を動かすことも出来ません。
 でも、人の少ない地域で、人数の少ない学校で、充実した毎日を過ごせています。
 そんな私のふるさとである、この北斗市が、素晴らしいまま輝き続けてくれることを願ってやみません。

8.寺澤詞野 さん『北斗市を有彩色に』 

浜分中学校寺澤さん写真

 「北斗市と聞いて思い浮かべるものは?」そう聞かれたら、皆さんは何と答えますか?私の知り合いはこう答えました。「灰色かな?」それを聞いて、何だか私は寂しい気持ちになりました。セメント工場に、石油備蓄タンク群、大きな道路を行き交うたくさんのトラック・・・、それらが「灰色」をイメージさせたようです。確かに、そうかもしれません。しかし、私の思い描く北斗市は、もっと色鮮やかで魅力にあふれています。
 春は咲き乱れる桜をあちこちで観覧できる桜回廊。夏は海水浴場の青い海や、高原の圧倒される緑。秋は町全体が赤や黄色の紅葉に彩られ、冬は真っ白な雪に包まれる。北斗市の雄大な自然はまさに有彩色で、まるで日本の四季の美しい景色を集めたようです。私も八郎沼公園やきじひき高原など北斗市のたくさんの自然に親しみながら過ごしてきました。
 また、その自然の中で育った農産物や魚介類は、口にした人々を魅了し、さまざまなグルメイベントも行われています。
 豊かな自然と美味しい食材、それだけでも北斗市は十分に魅力的な町だと思います。
 また、灰色のイメージを作ったセメント工場や石油備蓄タンク群は、北斗市の経済の発展に大きな影響を与えました。調べてみると、この「太平洋セメント上磯工場」は日本国内の現役最古のセメント工場で、その重厚なたたずまいは昼、夜で表情を変え、見る者を魅了しているそうです。
 このように、私たちは、自分の町のことでも知らないことがたくさんあるのではないかと思います。そして、改めて知ることで、北斗市に豊かな彩りを与え、町の魅力が増していくのではないかと思いました。
 そして、何よりも町に魅力を与えるもの、それはそこに住む人々ではないかと私は思います。私の身の回りにも、素敵な人がたくさんいます。私は、夏休みに地域の早朝マラソンに参加しましたが、そこに参加していた男性が、歩道に落ちているゴミを拾いながら走っている姿を見ました。他にも、通学路のゴミを当たり前のように拾ってくださる主婦の方や、段差に困っていた車いすの人を自然に助けていた方など、温かな人が地域にたくさんいることを誇らしく思いました。また、転んで泣いている小学生に優しく手を差し伸べていた先輩や、ボランティア活動に積極的に参加している友人、卒業後も部活の指導に顔を出してくれる先輩など、身近にも尊敬できる人がたくさんいます。
 きっと、私が知らない人たちの中にも、素敵な人がたくさんいると思います。だから、私は、もっともっと町の人たちと関わる機会がほしいです。例えば、気軽に利用できる公共施設がより充実することで、さまざまな人と出会う機会が増えると思います。また、他校の人たちと、もっと気軽に交流できるようになりたいです。まずは、公共の練習場所で一緒に部活動の練習をする機会が増えたり、市内の経験者の方々に一緒に指導していただいたり、ともに質の高い練習ができるようになると嬉しいです。
 浜分中学校では、総合的な学習の時間に持続可能な未来をめざすSDGsについて学んでいます。北斗市の未来について考えたとき、SDGsがめざす17の目標が頭に浮かびました。海の豊かさや陸の豊かさを守ること、福祉や教育の充実や住み続けられるまちづくり、そして、いずれもパートナーシップでめざしていくこと。みんなで力を合わせ、一つ一つの目標をクリアしていくことは、未来の北斗市を作っていくことにもつながります。
 そう思うと、今の私たちにできることが見えてきたように思います。まずはたくさんのことを学び、多くのことを知ることです。知ったうえで、実際に何ができるかを考えていくことが大切だと思います。例えば、北斗市の魅力の一つ、自然を守っていくために、積極的にボランティア活動に参加すること。私も海浜清掃や植樹活動に参加したことがありますが、その活動が四季折々にみられる美しい景観につながっていると思うとやりがいを感じます。また、市内で行われるイベントにも積極的に参加したいです。家族や友達と一緒に参加するとより楽しいし、町も活気づくと思います。その活動を通して、新たなつながりも生まれ、市民の輪が広がっていくと思います。
 新型コロナ感染症の流行により、私たちは、人との関わりがどれだけ大切かということを改めて感じることができました。周りの人との関わりやつながりを大切にしながら、この北斗市の魅力を守っていけたらと思います。そして、いろんな人が北斗市を大切に思い、その人たち自体が北斗市の魅力となっていくといいなと思います。目に見える実際の色彩だけでなく、そこに住む人々に豊かな彩りを感じられるような充実した町に北斗市がなっていくことを願っています。

9.山下歩睦 さん『大野農業高校の魅力を伝え、未来の農業を支える存在にしていくには』   

 私が通っている大野農業高校は、自然が豊かでとても賑やかな雰囲気の学校です。学校内では、生徒が皆生き生きとしており、私たちは和気藹々と学校生活を送っています。先生方も大変気さくで親切な方が多く、安心して高校生活を送ることができます。
 私は、食品科学科に在籍しています。入学当初は、食品についてあまり詳しく知らず、楽しみとともに不安も抱いておりましたが、いざ実習に取り組んだ際、先生方からは本当に丁寧なご指導をいただき、1年生の終わり頃には実習の手順をしっかりと身に付けることができており、自分たちで考えて取り組めるようにまでなりました。食品科学科ということで主に食品の製造に関わる実習を行ってきました。学校で栽培されたトマトや果物を用いてトマトジュースやパウンドケーキを試作品として作る体験などであり、農業科学科や園芸福祉科とのしっかりとした連携によって充実した実習を行うことができます。
 そして、2年生になると、食品関係の実習以外にも畑作や野菜栽培の実習や牛舎での実習も加わり、さらに幅広い分野について学ぶことができます。畑作や野菜の実習では、播種や除草などの栽培管理や野菜の収穫といった農業高校らしいことを行います。牛舎での実習では、力仕事もあり、とにかくスピーディーに実習をしなければならないのでとても大変です。さらに、2年生のときに行った見学旅行では、大阪の街で自分たちが作ったものを販売することができ、また送ってほしいなどと書かれた手紙もいただき、大変嬉しく思いました。
 このように、大野農業高校の実習では、原料生産から商品になり、そして、販売に至るまでの過程、つまり、農業の6次産業化について学科に関係なく学べます。その学びを将来につなげて、製造関係の仕事に目を向けられることも、大野農業高校の魅力の1つであり、私たち生徒としてもそのことを大変誇りに感じます。実習の中でいかに正確に作業できるか、他の人と連携をしていかに効率よく作業できるかを、これまでの経験を通して学んできました。
 現代の日本の農業には次のような問題点があります。それは、農業従事者の減少や高齢化、食糧自給率の低下などです。このような問題によって、これまで先人が培ってきた伝統であり、人々の食生活を支えてきた農業を衰退させる訳にはいかないのではないかと思います。農業においても機械化が進んでいますが、もし機械が故障した際に手動で操作できる人も当然必要であり、そのような視点で考えてもやはり従事者というものが必要です。そのため、これらの問題を克服していくためには、より多くの若い人たちが将来農業または農業と関連する仕事に携わっていくことが必要なのです。
 そのための取り組みの一つとして、より多くの生徒が入学してもらえるように、この大野農業高校の魅力を地域の人たちにより伝えていくことが大切だと思います。先に述べた通り生徒は皆明るく、実習においても真剣に、そして、精一杯取り組み、生徒一人ひとりが大変充実した学校生活を送っています。学校の魅力を伝えていくためには、大野農業高校での学習活動の様子についての情報発信を活発に行い、そして、私たちが一生懸命取り組んでいる様子を地域の方々に生で見てもらうことが最も有効だと考えます。例えば、大野農業高校では年に一度開催される緑園祭や月に1回実施される鹿島屋において、学校で収穫された作物や、製造された商品を地域の方々に販売しております。私たちは地域の方々に喜んでいただきたいという想いで準備や販売に一生懸命臨んでいます。これらの取り組みを成功させるためには、地域の方々に学校へ目を向けていただき、学校へ足を運んでいただけるためにはどうすれば良いかを考えていくことが大切であり、そのためには学校全体での連携力が必要であると思います。
 実習を通して、全ての作業において労力を必要とし、作物や製品の管理も十分に行わなければならないことから、決して農業は楽なことではないと身をもって感じております。しかし、自分たちで育てた作物を製品化して誰かに食べていただき喜んでいただくことで、出荷した側にとってのやりがいや喜びにもなり、世界の平和にもつながっていくのではないかと考えます。そのため、農業がもっと繁栄することが未来において必要不可欠だと改めて感じます。大野農業高校で何年も続けてきたヨーグルトやパウンドケーキの製造などをこれからも継続していくことで、人々の食を支えてきた伝統である農業を守っていくことにもつながると思います。
 大野農業高校は、北斗市そして北海道の農業高校として未来の農業を支える存在として必要不可欠であると強く感じます。これからも地域の農業高校が活気に溢れていることで、地域の農業や関連産業の活性化にも必ずつながるはずです。この学校の活性化のためには、学校の魅力をいかに伝えることができるかにかかっていると思います。そのために今私たちが心がけるべきことは、元気よく笑顔を大切にし、これからも心を込めて実習に臨むことだと考えています。それが地域の方々に学校の魅力を伝える第一歩ではないかと思います。将来高校生になる小・中学生の皆さんに大野農業高校で経験できること、大野農業高校の魅力、そして農業の魅力を知ってもらい、たくさんの生徒が大野農業高校に入学し、持続可能な農業の担い手が育っていくことを願います。

10.西山航平 さん『ジェンダー ~私の想うこと~』

函館水産高校西山さん写真

 私のクラスメートのひとりにインターネット上で「バ美肉」という活動をしている人がいます。「バ美肉」とは、男の人が、インターネット上で美少女のキャラクターを身にまとって、ゲーム実況などの活動をすることです。声は、ボイスチェンジャーを使って、女性の声にしています。
 「バ美肉」の「バ」は、バーチャルの「バ」。「バ美肉」の「美」は、美少女の「美」。「バ美肉」の「肉」は、身にまとうことを表す受肉の「肉」と、「バ美肉」は、これらの頭文字を取った略語です。
 このクラスメートは、視聴者から「かわいい」というコメントをもらうのが、一番嬉しいと話してくれました。もはや、彼にとって「バ美肉」の活動は、生活の欠かせない一部になっているようです。
 しかし、このクラスメートからは、この活動は内緒にしてほしいと口止めをされました。やはり、多くの人には受け入れてもらえないことのようです。
 彼の残念そうな表情を見ていると、「バ美肉なんて、何をくだらないことをしているんだ。」という簡単な言葉で、このことを片付けてはいけないように思いました。私たちは、この活動をひとつのジェンダーの多様性として、尊重していかなければならないのではないでしょうか。
 学校でのジェンダーの扱いについて先生に聞いたところ、最近は、様々な配慮がされているようです。例えば、出席簿の名前の順番です。もちろん、現在も「あいうえお」順で並んでいますが、以前のように男子だけ、先に「あいうえお」順で並べ、そのあとに女子が来るという形ではありません。男女関係なく「あいうえお」順になっているのです。今の出席簿の順番は、男女が、混在しているのです。
 教室の座席も、以前は男子の列、女子の列といったように分かれていたようですが、現在では男子の列、女子の列と分けることは、あまりありません。教室の座席も男女が混在しているのです。一般的に学校では、男女を分ける場面が随分と減ってきているようです。
 また、インターネットで調べて見ると、制服についても、ジェンダーレス化が広がっています。男女が明確に区別された学校の制服を着るよう強いられることが、心の重荷になる子どもたちがいるのです。
 ジェンダーへの配慮が求められるなか、東京・江戸川区では性別に関係なく制服を選択できる学校が増えています。自由な制服を求めて署名を集め、都の教育委員会へ申し入れをした卒業生もいます。そして、今、いよいよ制服のあり方を見直す動きが広がっています。
 東京・江戸川区では中学校の3分の1で、制服選択制を導入しています。このうち瑞江第二中学校では、スラックスかスカート、そしてネクタイかリボンの組み合わせを自由に選択できます。教室には、スラックスにリボンの生徒、スカートにネクタイの生徒など、みんな自分の選んだ組み合わせで登校しているとのことです。このように、ジェンダーの問題は、学校でも少しずつ配慮され始めています。しかし、まだ十分とは言えない気がします。
 人々は、古い時代から色々な悩みを抱えて生きてきました。文明、文化が発達したことで悩みの種類も増えてきました。特に最近、ニュースでも良く目にするようになったのが、「性の差別」だけでなく、「性的少数者」の問題です。
 現代では、男性、女性の2つのくくりでは区別できないほど、「性のあり方」が多様化しています。例えば、男性だけど「女性らしく」なりたい人、女性だけど「男性らしく」なりたい人です。こういった人たちは、性的少数者と呼ばれています。彼等が、少数派と呼ばれるのは、大多数の人が性別は男性と女性の2つで区分するという常識を持っているからです。ですが、この常識は変える必要があると思います。
 大多数と違っていても、それは間違いではありません。多数派も受け入れる必要もありますが、それを押し付けてはいけません。長く存在していた常識をすぐに変えることは難しいと思います。大事なのは偏見を取り去り、受け入れること、お互いがお互いを想って生きることです。
 このことを実現するためには、まずは学校から変わらなければなりません。そして次に地域だと思います。各地方自治体がイニシアティブをとって、アイデアを出し合い、啓蒙活動を続けていかなければなりません。
 私は、函館水産高校で生徒会役員をしていますが、先日、毎週月曜日に行われる定例の会議で性的少数派の話をしました。そして話し合って、私たちオリジナルの「性的少数派についてもっと知ろう!」と題したポスターを作りました。早速、このポスターを廊下の掲示板に貼り出しました。
 私の取り組みは、まだまだ始まったばかりですが、私も高校3年生になり、まもなく卒業です。将来は、海運関係の仕事に就きたいと思っています。もちろん社会人になっても、ボランティアとしてこの問題に取り組んでいきたいと思います。
 日本社会での女性の就業割合は、約43%ですが、私が就職しようと思っている海運業界は、女性船員の割合が2.4%と、これから女性をどんどん受け入れなければいけない状況です。これからの世の中は、男性・女性にかかわらず、みんなが本来持っている能力を発揮できる世の中になっていかなければならないと思います。道は、長いかもしれませんが、「バ美肉」をしている友人が楽しく暮らせるように、私も微力ながら貢献していきたいと思います。

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