○北斗市手話言語条例

平成31年3月12日

条例第6号

(前文)

手話は、音声言語と異なる言語であり、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語である。

言語は、お互いのコミュニケーションを図り、知識を蓄え、文化を創造する上で不可欠なものであり、人類の発展に大きく寄与してきた。

しかし、ろう者は、これまで手話が言語として認められてこなかったことや、乳幼児期からその家族等と共に手話を習得する機会も乏しく、手話を使用することができる環境が整えられてこなかったことなどから、必要な情報を得ることもコミュニケーションをとることもできず、多くの不安や不自由さを感じながら生活してきた。

このような中でもろう者は、生きていく上で必要な言語である手話を大切に育んできた。

平成23年の障害者基本法の改正や平成26年の障害者の権利に関する条約の批准により、手話が言語として明確に位置づけられたものの、手話が日本語とは異なる独自の体系を持つ言語であることについては、未だ理解の広がりを感じる状況に至っていない。

北斗市は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解と広がりをもって市民誰もが支え合い、安心して暮らすことができる社会を目指し、この条例を制定するものである。

(目的)

第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話に関する基本理念を定め、市民の手話への理解及び手話の普及の促進を図るとともに、手話の使いやすい環境を構築することで、全ての市民がともに生きる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 ろう者及びろう者以外の者が、相互に人格及び個性を尊重し合いながら共生することを基本として、ろう者の手話による意思疎通を行う権利を尊重し、手話が言語であることの普及を図るものとする。

(市の責務)

第3条 市は、前条の基本理念にのっとり、手話に対する理解及び普及と、ろう者があらゆる場面で手話による意思疎通ができる地域社会を構築するための施策を推進するものとする。

(市民等の役割)

第4条 市民は、手話への理解を深め、市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、ろう者が利用しやすいサービスを提供するとともに、ろう者が働きやすい環境を整備するよう努めるものとする。

(方針の策定)

第5条 市は、次に掲げる事項を総合的かつ計画的に推進するための方針を策定するものとする。

(1) 手話への理解及び手話の普及啓発に関すること。

(2) 手話による情報の発信及び取得に関すること。

(3) 手話による意思疎通支援に関すること。

(4) 手話通訳者の確保及び手話通訳環境の充実に関すること。

(5) 前4号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

2 市は、前項の方針の策定に当たっては、障がい者の福祉に関する計画等との整合性を図るものとする。

(財政上の措置)

第6条 市は、手話に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(委任)

第7条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。

(条例の見直し)

2 市は、この条例の施行後5年を目途として、この条例の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて、必要な見直しを行うものとする。

北斗市手話言語条例

平成31年3月12日 条例第6号

(平成31年4月1日施行)

体系情報
第8類 生/第1章 社会福祉/第1節
沿革情報
平成31年3月12日 条例第6号