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郷土資料館 第10回特別展「松前藩戸切地陣屋跡展」

郷土資料館 第10回特別展「北斗にまたたく星の城 松前藩戸切地陣屋跡展」

幕末から明治へと激動する歴史のせつな、「城」がその役割を大きく変えそして終えていく時代の夜空の中、道南を中心にまたたいた五稜郭をはじめとする「星」形の城たち。

その中でも日本で最も古く、今なお清川・野崎の丘に当時の姿をのこすのが「国指定史跡・松前藩戸切地陣屋跡」です。

今回の展示では、発掘調査で見つかった幕末当時の暮らしぶりを物語る陶磁器をはじめとした数々の出土資料や、戸切地陣屋がつくられるまでの北海道の歴史・戸切地陣屋の「城」としての特色・道南に点在する「星」形の城や台場などについて学ぶことのできるパネル、戸切地陣屋の縮尺模型などを展示し、「日本最古の星の城」の魅力について紹介します。

桜の奥に眠る北斗の星の城について、この機会に是非知っていただければ幸いです。

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開催情報

日時

  • 2020年6月10日(水)~2020年7月10日(金)
    ※7月6日(月)は休館日です。
  • 9:00 ~ 17:00

会場

  • 北斗市郷土資料館 特別展示室(北斗市総合分庁舎 どり~みん 2階)

入場料

  • 無料

国指定史跡・松前藩戸切地陣屋跡について

 松前藩戸切地陣屋は、1855(安政2)年に松前藩によって築かれた戌営(ぼえい、防衛拠点となる城のこと)です。

 時は幕末、前年には日米和親条約が結ばれ函館が開港となり、世界各国の船が捕鯨などを目的として蝦夷地(えぞち、今の北海道)周辺にあらわれるようになり、北方の国防を重視した江戸幕府は松前藩から蝦夷地のほとんどを召し上げ直轄することを決めます。一方、召し上げた領地を松前藩と東北四藩(弘前藩・南部藩・秋田藩・仙台藩)に分担して守るように命じ、このうち松前藩が警備を命じられたのが幕府の拠点である箱館奉行所のある函館平野一帯でした。

 これにあたり、松前藩は以前より城を築くのに適した場所として知られていた野崎の丘に戌営を築くことを決め、縄張り(設計)を砲術師範・藤原主馬(ふじわらしゅめ)に任せます。主馬は、十六代藩主・松前昌広(まつまえまさひろ)に命じられ、当時国内随一の洋学者として知られた佐久間象山(さくましょうざん)のもとで蘭学・西洋砲術・西洋築城術を学んでおり、函館港にアメリカ船が寄港した際には応接役もつとめています。戸切地陣屋が築かれる頃は藩主は十七代の松前崇広(まつまえたかひろ)に代替わりしていましたが、崇広もまた西洋通として知られ、こうした事情もあってか戸切地陣屋の本陣は当時日本では前例のなかった、ヨーロッパで発達した対砲戦築城法である「稜堡式城郭(りょうほしきじょうかく、「星形要塞」とも呼ばれます)」の型式でつくられました。

 同じ稜堡式城郭としては函館市の五稜郭(1864年築城)や四稜郭(1869年築城)、長野県の龍岡城(1865年築城)などが知られていますが、戸切地陣屋はそれらより古く、つまり日本で最初に築かれた星形要塞ということになります(西洋流の要塞としては「お台場」として知られる品川台場が1853年に築かれていますが、そちらは星形(稜堡式)ではなく多角形をとっています)。

 戸切地陣屋には今ものこる星形の本陣のほか、現在は桜のトンネルとして親しまれている門前の大通り沿いにも土塁で囲まれた武家屋敷が立ち並び、さながら丘全体を一つの城として、120~150名の兵が常駐して函館平野全体を見守っていました。守備隊長は、佐久間象山とならぶ幕末日本を代表する洋学者である江川英竜(えがわひでたつ)に砲術を学んだ竹田作郎(たけださくろう)などがつとめています。発掘調査で出土した遺物からは、食器や酒器・調理器具・筆記用具などの陶磁器や、薬さじ・キセルなどの金属製品、碁石など、幕末当時の武家の暮らしをうかがわせる資料が多く見つかっています。産地も日本各地におよび、当時日本海交易の北の終着点であった松前と、東回り(太平洋側)交易で栄えた函館という、二つの貿易港とのかかわりをもっていた戸切地陣屋ならではの特徴といえるでしょう。

 しかし、江戸幕府が倒れ明治政府に代わった1868(明治元)年、蝦夷地に逃れてきた旧幕府軍と新政府軍の間で戦いが始まります(箱館戦争)。これを迎え撃つために陣屋守備隊も出陣しますが、大野村での戦いに敗れて他の新政府軍とともに久根別まで撤退します。陣屋はわずかな留守番兵を残し前線に孤立することとなり、このままでは守り切れないと判断、守備兵は自ら火をかけて城を捨てます。築城からわずか13年、戸切地陣屋跡はその歴史上の役割をここに終えたのでした。

 現在は、幕末時代の北方における日本と海外のかかわり、特に当時の西洋築城術の日本でのありかたを今に伝える重要な遺跡として国の史跡に指定されているほか、明治39年に植えられた並木をはじめとする、桜の名所として市民のみなさまに親しまれています。

松前藩戸切地陣屋跡展ミニギャラリー(画像をクリックすると拡大します)

陣屋跡表門と桜並木 空から見た戸切地陣屋跡 戸切地陣屋跡の構造 陣屋跡出土遺物(抜粋)
陣屋跡表門と桜並木 空から見た戸切地陣屋跡 戸切地陣屋跡の構造 陣屋跡出土遺物(抜粋)

 

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