北斗市指定文化財(無形民俗文化財)
民俗芸能 上磯奴
所 在 地:北斗市中央1丁目3-10 北斗市教育委員会内
所 有 者:上磯奴保存会 会長 黒田栄吉
指定年月日:平成18年2月1日(旧上磯町指定:昭和55年9月1日)
寛永12年(1635)、江戸幕府の武家諸法度により諸国大名の参勤交代(大名行列)が始まった。「上磯奴」
の原形は、この大名行列であり、市内神社の例大祭で御輿の門払いの先駆として欠かせない。起源は明らか
でないが嘉永6年(1853)に購入された御神輿と同年代に祭り行列に組みこまれたと考えられる。服装は、そ
ろいの半纏、手っ甲、脚絆、黒足袋、腰巾着に化粧前掛けをし草鞋履き、腰に奴刀を差すいでたちである。
道具は、白熊毛、黒熊毛といった3m余りの長柄や大鳥毛、挟み箱、弓、鉄砲、立傘、台傘、長刀の七つ道
具などを配し、掛け声とともに陣笠、裃に白扇を手にした師匠の指揮によって総勢30余名が練り歩くため、
その行列は約100mにも及ぶ。
行列の出発の所作には、突き槍、露払い(ギンザを切るという)、宮納めの所作を掛け声の応答も勇まし
く一糸乱れず練り歩く、その豪放で繊細な技と豪華絢爛荘重な風格は、誠に神事にふさわしく貴重な文化財
である。