北斗市指定文化財(有形文化財)
考古資料 越前すり鉢 2点
所 在 地:北斗市本町200番地 北斗市郷土資料館
所 有 者:北斗市教育委員会
指定年月日:平成18年2月1日(旧大野町指定:平成16年6月22日)
昭和58年(1983)春、大野町字市渡(現北斗市市渡)27番地の1の畑の土中、深さ約90cmのところから2個
が出てきたものである。一つは壊れた(復元済み)が、もう一つは完全な形で掘り出された。北海道立埋蔵
文化センターなどの調査で、15世紀前半に、北方交易船で運ばれてきた越前焼のすり鉢であることが判明し
た。越前焼は市内でも出土しているが、完成品は非常に珍しい。
市渡の起源については、明治39年(1906)に河野常吉が書いた「明徳年間(1390〜93)相原周防守藩士・
川村太郎、率先して市渡に来住」が最も古い記録だが確証はなく、大野が文献に初めて登場するのは寛文年
間(1661〜72)である。
すり鉢は和人の生活用具であり、使用痕も確認されたことから、少なくとも15世紀前半に、市渡周辺に和
人が住んでいた可能性を示唆する史料といえる。大野には越前地方(福井県東部)からも多く移住している
ことからも、大野の起源を探る上で貴重な文化財である。
なお、越前焼は日本六大古窯の一つに数えられ、今からおよそ800年以上前に始まり、農業が盛んになった
平安末期には、つぼやかめ、すり鉢などの生活雑器が作られるようになった。
2個のすり鉢のおよその寸法は、それぞれ次の通りである。
区 分 |
その1(完形品) |
その2(復元品) |
器 高 |
12.4p |
11.9p |
口 径 |
36.5p |
37.8p |
底部経 |
14.2p |
15.4p |
その1(完成品) その2(復元品)