北斗市指定文化財(有形文化財)
美術彫刻 鶉山道石版画
所 在 地:北斗市本町200番地 北斗市郷土資料館
所 有 者:北斗市教育委員会
指定年月日:平成18年2月1日(旧大野町指定:昭和57年2月12日)
明治18年(1885)8月に着工され、翌19年に開通した江差山道(鶉山道)工事を北海道長官・永山武四郎、
函館県令・時任為基が視察した際、随行した画家・沢田雪渓が官命によって描いたものである。
巻頭は石田良助(柏陽)の巻記で始まり、市渡の江差山道入り口を描いた「亀田郡一渡村(市渡村)」から
巻尾の江差港眺望までを妙筆で描かれた大作で、45景が石版画として収録されている。1枚目の「亀田郡一渡
村」の図には、旅籠や視察に来た役人の姿も見られ、役人の服装や乗り物などが確認できる。そのほかの絵も
山道の工事中の様子や要所をとらえ、所々に旅籠や旧道も見られる。
この図巻は当時のデラックスな画帳であり、石版刷りは函館県庁が導入した印刷機によって行われたもの
で、北海道の印刷史上からも注目すべき画帳といえる。江差と函館との交流や箱館戦争など、郷土を知る手が
かりとしても重要な史料である。
なお、残念ながら北斗市が所有しているのは、画帳ではなく、一枚一枚ばらばらになっている。
下二股 天狗嶽下
鶉山道図巻・江差山道入口