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平成30年度 教育行政執行方針

Ⅰ はじめに

 平成30年第1回北斗市議会定例会の開会にあたりまして、教育委員会所管に関する執行方針に永田教育長ついて申し上げ、議員各位並びに市民皆様のご理解とご協力をお願いする次第でございます。

 少子高齢化が大幅に進む中、北斗市におきましても例外ではなく、人口減少問題に伴い、小中学生の児童生徒数の減少が顕著であります。
 このような中、社会では人工知能の飛躍的な進化による社会の仕組みが大幅に変わろうとしており、これからの子どもたちが、社会に出て困らないための「生きる力」を身に付けさせるために、家庭、地域、学校、行政が一体となって取り組んでいかなければなりません。
 しかし、一方では教職員の過重労働が問題視されており、働き方改革についても大きな問題として、取り組んでいかなければなりません。
 社会の変化、施設の老朽化に対応すべきハード整備、さまざまな問題に対応をするために創意工夫をしたソフト面の展開をしていかなければならないと考えております。

Ⅱ 学校教育の推進

1 社会で生きていく実践的な力の育成

 社会の変化するスピードはとても速く、今の小学生が社会に出るころには、人工知能の大幅な進化により、職業、働き方も大きく変わっていると考えられます。
 今までの学力を身に付けるだけの教育だけではなく、その知識をどのように活用し、さまざまな問題点を自ら見つけ、どのように解決していくかという力を身に付けていかなければなりません。
 新年度では、新しい教科である道徳、小学校からの英語教育などに対応してくためにも教職員の資質向上を図ることが必要であり、自主的な先進地視察研修の補助金の継続と、地域、家庭と学校が一体となった教育を進めるために、学校を核としたコミュニティースクールを推進する補助金の増加をしてまいりたいと考えております。
 また、新たな時代への対応を図るために、平成30年度と31年度で全小中学校にタブレット端末の導入を行います。
 特別な支援を要する子どもたちにつきましては、児童生徒数が減少する中にあっても増加している状況にあることから、指導が十分にできる体制づくりとして、学習支援員の増員を行う予定であります。
 また、昨年開校いたしました北斗高等支援学校との連携を密にし、学校教育と福祉、商工との連携により、一般就労への推進に努めてまいります。
 教職員の働き方改革については、ICT機器の導入、学習指導方法等の共有、クラブ活動のあるべき姿について検討を行い、子どもたちにとっても、教職員にとっても望ましい姿としていかなければならないと考えております。
 また、長期休業中に教職員が休暇を取りやすい体制づくりとして、学校閉庁日の設定についても検討してまいりたいと考えております。

2 豊かな心と健やかな体の育成

 社会が大きく変容していく中で、子どもたちにとっては、今の学校生活を楽しく過ごし、人を思いやる気持ち、ふるさとを思う気持ち、美しいものへの感動する気持ち、そして健康な体づくりが大切なことであります。
 このような心を育てるためには、第一に家庭における幼少期の教育が大きなウエイトを占めることになりますが、地域におけるコミュニケーションや学校での集団生活・生活指導、そして、さまざまな体験活動が重要な要素であります。
 平成27年度に策定した北斗市教育大綱において、コミュニケーションの基本である「あいさつ」について記述しており、家庭、地域、学校における指導、協力により、良い方向に改善されてまいりましたが、今後におきましても、さらなる指導と協力をお願い申し上げます。
 健やかな体の育成につきましては、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果では、中学校女子が平均値を下回る状況にあります。このため、学校教育では、運動の重要性を正しく伝え、社会体育事業においては、大会や教室への参加を進めていかなければなりませんが、家庭における食生活の改善、運動習慣の定着に向けた取り組みについても課題として考えていかなければなりません。
 歯の健康につきましては、フッ化物洗口事業を平成28年度に全小学校で、平成29年度からは中学校1年生から全中学校で実施しており、今後におきましても継続実施をし、虫歯の予防に努めてまいります。
 

3 信頼される学校づくりの推進

 近年、教職員の不祥事が、新聞等で数多く報道される中で、北斗市の教職員においては、飲酒運転等の大きな問題事案は発生していないものの、交通違反や児童、生徒への指導においてさまざまなトラブルが見受けられます。
 社会の変容とともに、保護者の価値観や考え方も多様化しており、子どもたちを指導していく上では、学校としての指導方法等について、十分な説明をして児童生徒、そして保護者の想いをくみ取り、学校と保護者間における信頼関係を築いていかなければなりません。

 災害や事故発生時においては、危機管理意識を高く持ち、常に最悪の状況を想定しながら、素早い対応をしていかなければなりません。
 地震、津波、火災等に対しての避難訓練や、AED、エピペン等の正しい使用方法の研修会を実施することは、もちろんでありますが、緊急時における正しく冷静な判断をするために、専門的な立場からの研修会の実施に努めてまいりたいと考えております。

 学校施設につきましては、多くの学校が建築時より20年以上経過していることから、長寿命化計画に基づき順次改修工事を進めており、今後におきましても継続してまいります。
 新年度におきましては、浜分小学校の大規模改修工事を3年計画の2年目として実施予定であります。
 また、煙突の断熱材として使われているアスベスト対策として、文部科学省からの指導のもと、成分分析、劣化調査を行うとともに、順次アスベスト除去工事に取り組んでまいります。
 学校給食共同調理場につきましても大型調理機器の更新時期を迎え、順次更新していくとともに、給食搬送車についても大型化を図り配送時間の短縮に努めてまいります。

Ⅲ 社会教育の推進

1 北斗らしい生涯学習社会の実現

 社会教育における市の役割として、市民の学習に対する多様な需要を踏まえ、自らが実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成し、学習機会の提供を行うとともに、社会教育が学校教育及び家庭教育との密接な関連性を有していることから、学校教育との連携の確保に努め、家庭教育の向上に資することとなるよう、学校、家庭、地域の連携に努めるものとされております。
 北斗市では、社会教育の組織として、文化団体協議会、女性団体連絡協議会、高齢者大学などが自ら運営活動を行なっております。
 しかし、人口減少やIT技術の急速な進展などにより、市民の学習ニーズが多様化し、各団体における会員数、サークル数は減少傾向にあります。
 このような時代であるからこそ、社会教育の重要性を踏まえ、学校、地域と連携をした「ほくと学ジュニア検定」「イングリッシュキャンプ」「学習体験ひろば」などの事業を実施しているところであり、今後におきましても、さらなる市民のニーズに対応した事業展開に努めてまいりたいと考えております。

 施設の改修事業としては、総合文化センターでは、長寿命化計画に基づき、大ホールの音響設備改修工事、屋根改修工事を実施予定であります。
 また、公民館では、平成29年度に引き続き暖房給排水管更新工事を実施予定であります。

 青少年の健全育成つきましては、幼少期における家庭教育が子どもの根幹となる資質に大きな影響を与えることから、家庭教育、幼児教育、学校教育が綿密な連携を図る必要があり、加えて地域の協力のもと、学校に設置してある学校運営協議会との連携による効果的な事業展開を行い、子どもたちの社会性を養うことが重要であると考えております。
 また、青少年問題協議会で毎年開催している「青少年の主張」では、小学生から高校生までの子どもたちが、まちづくりなどに対して自分の意見を堂々と主張しており、このような意見を自由に述べられる場を増やしていくことについても検討してまいります。
 図書館におきましては、利用者数、貸し出し冊数がともに減少傾向にあるものの、図書館司書の学校訪問事業などにより、子どもたちの読書の習慣が徐々にではありますが、増加をしてきているように思われます。
 今後におきましても、図書館と学校との連携を深め、各学校への保護者、地域住民による読書ボランティアの拡大に努めてまいります。
 また、新年度からは、新生児へのブックスタートも開始される予定となっていることから、幼少期から本に親しんでいただくために、幼児向けの絵本などの充実にも努めてまいりたいと考えております。
 社会の変容に伴い、市民ニーズの多様化に対応していくためにも、図書館の役割や事業展開、運営方法について検討してまいります。

 文化財につきましては、平成26年度に市役所総合分庁舎に移設した郷土資料館の来館者数は増加傾向にあります。
 特に、指定文化財などの特別展における来館者数が多かったことから、新たな指定文化財の発掘に努めるとともに、市民ニーズに対応したさらなる事業展開を進めてまいります。
 また、子どもたちのふるさと教育への活用を図るため、学校との連携を図り、きめ細かな説明ができるような体制づくりについても検討を進めてまいります。

 スポーツ活動の推進につきましては、いつでも、どこでも、誰もが取り組むことができるラジオ体操の普及を目標に、平成29年度では夏期巡回ラジオ体操の誘致、ラジオ体操コンクールなどを実施してまいりました。
 その結果として、小中学生において正しいラジオ体操が身に付いてまいりました。今後におきましてもさらなる普及と継続を図る必要があると考えております。
 さらに、幼児から高齢者まで、気軽にスポーツを楽しむために、体育館の運営管理について民間の団体である地域総合型スポーツクラブへの指定管理を行い、体育協会のご協力をいただきながら市民ニーズにあったスポーツ教室や大会を実施し、市民の皆様へスポーツの重要性と楽しさを広めてまいりたいと考えております。

Ⅳ むすびに

 これからの社会は、人工知能の急速な発達により、どのように変化していくのか予測が難しい時代へ進んでいく中で、子どもたちが社会で生きていく力をつけさせること、また市民の生活様式が変わる中で、健康で楽しい人生を過ごしていくためにも、教育の役割はますます大きくなっていくと考えております。
 どのように社会が変化しようとも、まちづくりの基本は人であり、これからの時代を担っていく子どもたちが健やかに育ち、北斗市がますます発展していくためにも、教育の充実に誠心誠意努力してまいる所存であります。

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