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平成30年度 市政執行方針

はじめに

 平成30年第1回北斗市議会定例会の開会に当たり、新年度001.jpgの市政執行に臨む基本方針と施策の一端を申し上げさせていただきます。
 私は、高谷前市長の急逝により、去る1月28日の北斗市長選挙において、多くの市民からの信任を得て初当選を果たし、市政を担わせていただくことになりました。
 皆様もご承知のように、私は、上磯町議会議員、北斗市議会議員を20年間務め、また、この間のうち7年間は北斗市議会議長として、議員各位のご協力を賜わりながら、高谷前市長とともに北斗市のまちづくりを進めてまいりました。
 市長就任から1か月が経ち、この間、市長の職責の重さを改めて実感し、身の引き締まる思いで仕事に取り組んでまいりました。今後もこの気持ちを忘れず、北斗市の発展のため、市民の期待と負託に応える市政に誠心誠意、全力で取り組むことをお誓い申し上げます。
 ここに、議員各位、並びに、市民皆様のご理解とご協力を賜わりますよう、衷心よりお願い申し上げる次第であります。

市政の基本方針

 はじめに、市政に当たります私の基本方針について申し上げます。
 人口減少が社会問題となっている現在、北海道新幹線が開業したとはいえ、北斗市も緩やかに人口減少が進んでおります。
 人口減少は、北斗市の活力を削ぐとともに、生産年齢人口の減少にもつながり、また、財政の硬直化を招く要因にもなります。
 現在、北斗市の財政は健全性を維持しておりますが、今後、市民生活に不便を来さないようにするには、市民目線に立ち、持続可能な財政運営に努めるとともに、『事業の選択と集中』の考え方を一層反映させ、北斗市の新たなまちづくりを進めていく必要があります。
 そのためには、『みんなが住みよいまちづくり』の達成に向け、『創る』『つなげる』『広げる』をキーワードに施策展開を図り、『躍動する都市 北斗市の創生』を目指していくことを市政の基本方針といたします。
 

主要施策の推進

 次に、主要施策の推進について申し上げます。

 新年度の平成30年度から「第2次北斗市総合計画」がスタートいたします。
 私がこれから進めようとする北斗市のまちづくりは、高谷前市長が提案し、議会の議決をいただいた基本構想と、その方向性が一致するものであり、この認識のもと、私が公約に掲げた7つの政策目標に基づく各施策や事業について、今任期中に実行していく考えであります。

 以下、私が掲げた政策目標ごとに、新年度に取り組む施策を中心に、順を追って、ご説明申し上げます。

1 人口減少問題への挑戦

 はじめに第1としたのは、「人口減少問題への挑戦」であります。

 基本方針で申し上げたように、人口減少問題は喫緊の課題であり、その対策に全力を挙げ、取り組んでいかなければなりません。
 前の内閣官房地方創生総括官で、現在、北海道顧問の山崎史郎氏は、北海道全体の問題として、道内各地域から札幌市への流出、そして、その札幌市から東京圏への流出という2つの問題を挙げ、両者を解決しなければ、北海道全体が立ち行かなくなると、強く指摘をしております。
 この北海道全体の問題は、北斗市でも同様な問題であると認識し、東京圏に加え、札幌への若い方の流出を抑え、そして、両圏域から人を呼び戻し、あるいは、新北斗市民として住んでいただけるよう、様々な面から取り組みを強めていく考えであります。

 そのため、「北斗市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げた4つの基本目標の達成に向け、最重点に施策の展開を図るとともに、子育て支援の充実や移住・定住の促進、茂辺地・石別地域の振興対策など、これまでの取り組みを広げる北斗市シティプロモーション事業を新たに実施してまいります。
 シティプロモーションは、移住・定住の促進をはじめ、企業誘致や観光など幅広い分野で北斗市が「選ばれる」ために、地域イメージや認知度を向上させることを狙いとするもので、新年度は戦略的な情報発信、コンベンション誘致、アーティスト誘致の3本柱で取り組み、北斗市への多様な人の流れをつくり出し、連鎖的な魅力の向上とイメージアップを図ってまいります。

 また、移住プロモーションの主役である「人」を感じるキャッチコピーを前面に打ち出した「キミとボクとホクト事業」では、移住・定住の促進施策として市独自の2つの支援制度を継続するとともに、今年度制作したPR動画を一層拡散させるため、SNSをはじめ、首都圏でのデジタルサイネージといった広告媒体の活用など、シティプロモーションと併せた取り組みを進めてまいります。
 さらに、市内介護従事者の人材不足の解消を図ろうと、首都圏で介護や福祉に従事している方や大学等の学生などを対象に、就業・移住合同説明会を開催し、移住指向で大きなポイントとなる「仕事」の情報提供や相談体制を強化した上で対応に当たり、移住促進につなげてまいります。

 人口減少問題を克服するには、これら社会動態を均衡化する施策と同時に、自然動態において出生率の向上につながるような子育て支援の充実に取り組む必要があります。
 これまで継続してきた市独自の高校生までを対象とした医療費助成や保育料の軽減措置につきましては、子育てがしやすいと一定の評価をいただいているものと思っており、新年度におきましても、これらの子育て支援のサービス水準を維持した上で、親子ふれあいブックスタート事業をはじめ、産婦健診や幼児フッ化物洗口事業といった新たな施策に取り組んでまいります。

2 北海道新幹線効果拡大への挑戦

 第2は、「北海道新幹線効果拡大への挑戦」であります。

 北海道新幹線が開業して2年が経過しようとしております。
 開業年の勢いは落ち着きを見せているものの、まだ大勢のお客様に、北海道新幹線、そして、新函館北斗駅をご利用いただいており、新幹線がもたらす大きな人の流れを北斗市の経済活性化やまちづくりに今以上に活かし、さらに広げていかなければなりません。
 そのため、観光振興をはじめ、新函館北斗駅前の賑わいの充実、そして、最大の懸案であります企業誘致は、私も重点施策として位置付け、全力で取り組んでまいります。
 1点目の観光振興につきましては、平成24年度からスタートした「北斗市観光振興プラン」に基づき、到達点の北海道新幹線開業に向け、ハード、ソフト両面から施策を展開してまいりました。また、民間におきましても、農水産物のブランド化や新商品の開発に取り組まれるケースも増え、ほぼゼロからスタートしたと言ってもよい北斗市の観光が、一歩一歩、着実に前進してきたものと認識しております。

 観光は、既存の産業を連鎖させながら、それぞれの可能性を引き出す、いわば「複合産業づくり」のツールであると思っております。
 新年度の観光予算は、継続事業が主なものですが、経済界の皆様と話し合い、共通認識のもと、今後5年先の北斗市の観光をしっかりと見据えながら、次期観光振興プランを策定してまいります。
 また、観光客誘致のPR活動は、一層強化していきたいと考え、道南各地域との連携を今以上に深めた上で、より効果が上がるよう、私自身も積極的にたくさんの方々と関わりをもって取り組んでまいります。

 北海道の玄関口である新函館北斗駅前の賑わいの充実は、2点目の課題であります。
 新年度予算では、駅前の活性化対策経費を新たに計上いたしました。
 経済団体を中心に北斗市の特産品の販売をはじめ、また、昨年、大勢のお客様にお越しいただいた市内小中学校の吹奏楽演奏も学校や子どもたちの協力を得ながら、北斗市の魅力を体感できるイベントとして、複数回に渡り、開催してまいります。
 新函館北斗駅前の賑わいの充実には、行政だけではなく、北斗市観光協会や「ほっくる」のテナント事業者の皆様と共同歩調をとることが重要と思っており、共通の目標を持ち、一体となって取り組んでまいります。

 3点目は、新函館北斗駅周辺地区への企業誘致であります。
 現在、5.3ヘクタールの商業施設用地のうち、54.9パーセントに相当する2.9ヘクタールの宅地については、企業活動や道営住宅の用地として、土地利用が図られております。
 私も、最大限の努力を傾け、今後の企業誘致に取り組み、投資や雇用に対する市独自の助成制度をはじめ、半島振興法による投資税制の優遇措置といった時限制度をさらにPRし、早期の立地を促す誘致活動を展開してまいります。

3 力強く成長する産業の形成

 第3は、「力強く成長する産業の形成」であります。

 北斗市の農林水産業は、農業におきましては、先人たちの努力で早くから米と施設園芸作物の複合経営への転換を図り、「ふっくりんこ」やトマト、長ネギは有力産地として北斗市の名を馳せるまでに至りました。
 また、水産業では、「育てる漁業」を推進し、近年は「峩朗牡蛎」といった新たなブランドも確立されつつあります。
 経営者の高齢化や内外の産地間競争の激化など、農林水産業をとりまく情勢は好転しているとは言い切れませんが、食の安定供給に向けた成長産業と位置付け、「未来を見据えた攻めの農林水産業」を目指し、効果的な公的支援とともに、生産基盤の整備にも取り組むことが重要と考えております。
 こうした考えから、農業では、施設園芸ハウスの導入に対する支援などは必要なものとして、新年度も継続していくほか、道営農業基盤整備におきましても、継続事業に加え、御上谷地地区や第2次東開発地区のほ場整備をはじめ、上磯地区水利施設等保全高度化事業や、細入地区農道整備特別対策事業に着手をしてまいります。

 また、林業では、森林整備を進めるとともに、道南材の付加価値向上とブランド化の確立に資する「森林認証」を得るための取り組みについて、渡島管内の関係機関と連携し、実施してまいります。

 さらに、水産業では、上磯郡漁協が「貝鮮焼 北斗フィッシャリー」の営業体制を強化されることを受けまして、北斗市特産のホッキ貝やカキの品質向上と安定供給が図られるよう、蓄養施設の改良事業に支援をしてまいります。

 次に、商工業の振興についてでありますが、中小企業への金融支援をはじめ、商品開発などに対する市の独自制度は、他市町村に比べても充実しているものと理解しておりますので、これら施策を継続するとともに、さらなる充実策についても検討をしてまいります。

4 次代を担う子どもへの応援

 第4は、「次代を担う子どもへの応援」であります。

 北斗市の子どもたちが学校や社会で素晴らしい活躍を見せており、このことは、北斗市にとりまして、まさに大きな財産であると思っております。
 子どもたちが、両親やふるさとへの感謝の気持ちを忘れず、将来、社会に向かって、しっかりと羽ばたいていけるよう、支え、そして、応援をしていくことが我々の役割であり、「北斗市教育大綱」に基づき、教育委員会と連携を図りながら、子どもたちの力を引き出す教育環境づくりを進めてまいります。

 新年度の教育行政執行方針は、この後、教育長から申し上げますが、北斗市の教育行政を推進していく上で、私に課せられた責務はしっかりと果たしてまいりたいと考え、その一端として、ICT教育環境の整備は、平成29年度から3年間で市内全学校に整備するという計画に基づき、新年度は小・中学校合わせ7校の整備予算を計上したところであります。
 また、老朽化が進む学校施設の長寿命化改修や断熱材等アスベスト対策事業につきましても、安心・安全な教育環境づくりの観点から、これらを計画的に進めてまいります。

5 若者や女性、高年齢者がチャレンジできる環境づくり

 第5は、「若者や女性、高年齢者がチャレンジできる環境づくり」であります。

 若い方や女性、そして、高年齢者のいわゆるシニア世代が、張り合いをもって仕事を続けられるような環境づくりは、今後、その必要性が高まるものと考えております。
 商工業における起業促進を図るため、市独自の起業化振興資金利子補給や信用保証料補給制度があるほか、函館地域産業振興財団が主体となって、人的面、資金面からサポートする創業支援制度があります。
 また、新規就農に対しましては、国の制度であります農業次世代人材投資事業をはじめ、対象年齢を拡大した市独自の新規農業参入者支援事業といった支援制度があり、これらの施策に要する予算は、新年度におきましても、その確保に努めたところであります。

 次に、女性の社会進出を子育て面からサポートするため、一時保育や延長保育などの特別保育事業をはじめ、ファミリーサポートセンターや放課後児童クラブなどの各種施策は、サービス水準を維持し、実施してまいります。
 中でも、新年度から、医療的ケアが必要なお子さんの保育時間を延長し、障がい児保育の受入体制を向上させてまいります。

 シニア世代の雇用機会拡大や就業促進につきましては、政府が進める「働き方改革」の中で、法整備が議論されており、国の全体的な雇用政策の動向を見ながら、北斗市としての支援を検討してまいりたいと考えております。

6 安心・安全な都市環境の整備

 第6は、「安心・安全な都市環境の整備」であります。

 いつでも、どこでも起こりうる災害に対し、人的・経済的被害を最小限にとどめる『減災』という考えを基本に、自助、共助、公助の意識の醸成を図りながら、防災体制の確立に努めていく必要があります。
 これまでの取り組みを基盤とした災害に強いまちづくりを目指し、新年度は、防災総合訓練の実施をはじめ、防災資機材の計画的な調達、さらに、同報系防災無線設備のデジタル化工事などを進めてまいります。
 また、消防体制につきましては、緊急時の体制強化のため、北斗消防署の人員増を図るとともに、北斗消防署北分署の建築主体工事に着手し、新年度の完成を目指してまいります。

 次に、人口構造や社会ニーズの変化を見据え、道路や公園、上下水道、市営住宅など、これら社会資本の計画的な改良と長寿命化対策を基本に取り組んでまいります。

 市道整備につきましては、市役所通線や追分97号線などの継続事業のほか、新たに、追分8号線や千代田第16号線などの7路線、また、橋りょうの長寿命化対策として、戸切地橋や上磯大橋など3橋の改修事業に、それぞれ着手いたします。
 さらに、街路事業として、久根別・一本木両地区を結ぶ上磯田園通の橋りょう新設や改良事業に着手いたします。
 なお、除排雪対策につきましては、降雪状況に応じ、できる限り柔軟に対応しようと、現行の業務体制に検討を加え、執行してまいります。

 運動公園拡充整備につきましては、地域のスポーツ振興はもとより、交流人口拡大を促すスポーツ合宿推進の新たな拠点となるよう、平成31年度の完成を目指し、新年度は、天然芝グラウンドの造成とクラブハウスの新築工事に着手するほか、同公園の東側に将来、駐車場を整備するための用地取得を行なってまいります。

 下水道事業では、計画区域内の管渠敷設や、区域外での合併処理浄化槽の整備を進め、また、上水道事業では、老朽化が進む清川配水本管の更新事業に着手してまいります。

 市営住宅につきましては、繰越明許費と新年度予算で、富川団地や久根別団地、中野通団地の給排水管改修事業を進めるほか、新たに、茂辺地団地の建設に向けた基本設計を行なってまいります。

 市民の生活環境につきましては、安心、安全、そして快適性を高め、住みよさを実感できる取り組みを、さらに進めていく必要があります。

 桜岱地区の北斗市火葬場につきましては、利用される方が多く、要望も寄せられていることから、内装の一部やトイレの改修工事を行うとともに、適時の設備点検や修繕と併せ、できる限り長く使えるよう機能の維持・保全に努めてまいります。

 また、廃棄物処理につきましては、館野一般廃棄物最終処分場を閉鎖するための覆土工事とともに、中山一般廃棄物最終処分場処理計画の変更を行なってまいります。

 最後に、公共交通につきましては、高齢化の進展や人口減少の影響による交通需要の変化を見据えた対策が必要と考え、道南いさりび鉄道や南北市街地連絡バスなどの地域公共交通の重要性の市民理解を広げ、利用促進策に取り組みながら、市民の意識調査を新たに行なった上で、将来に向けた地域公共交通全体のあり方について、検討していくことにしております。

7 安心できる福祉・暮らしに身近な環境の向上

 第7は、「安心できる福祉・暮らしに身近な環境の向上」であります。

 市民が高齢期を迎えても自立した生活を送ることができる、また、障がいを持つ方も住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる、そして、誰もが健康で生き生きと過ごせる、こうした地域社会の実現を目指し、行政が行う保健福祉施策と併せて、市民お互いが助け合い、支え合う仕組みを充実させていく必要があります。
 こうした認識のもと、高齢者福祉では、市独自の医療費助成は現行制度を変えることなく継続していくほか、新たな市独自の施策として、運転免許証を自主返納される70歳以上の方を対象に、タクシー初乗り運賃24回分の利用券を交付する制度をつくり、実行に移してまいります。
 また、65歳以上の方を対象としている高齢者インフルエンザや成人用肺炎球菌の各予防接種に係る利用者負担の無料化措置を、生活保護受給世帯から市民税非課税世帯に広げ、重篤となる可能性の高い疾病の予防機会を拡充してまいります。
 なお、第7期介護保険事業計画に基づきまして、新年度から3年間の介護サービスの需給見通しをもとに介護保険制度を持続させる観点から、保険料基準額を月額6,600円に改正する条例案を今議会に提案させていただいております。

 障がい者福祉につきましては、国の障害者総合支援制度をはじめ、市の独自施策であります医療費助成や手話通訳・要約筆記事業を継続するほか、新年度内に北斗市の手話言語条例案を議会に提案してまいります。

 保健施策につきましては、発症率の低年齢化をふまえ、市費で助成をしている「乳がん検診」の対象年齢を40歳以上から35歳以上に広げるとともに、精度を高めるため、検査項目に超音波検査を加え、実施してまいります。

 また、市民の健康づくりを促進するため、ラジオ体操の普及や、指定管理制度の導入による体育施設の管理運営とスポーツ振興の取り組みを、一体的に進めてまいります。


 以上、7つの政策目標に基づく新年度の主要施策について申し上げました。

 国の財政事情が厳しい中にあって、昨年の経済財政諮問会議で議論されたように、地方交付税の見直しを求める議論が再燃することも予想され、地方財政は予断を許さない状況にあるものと認識しております。
 国に多くを依存する財政運営ではなく、自らの責任で決めるという地方自治の原点に立って『選択と集中』の考え方を常に持ち、持続可能な財政運営に努めながら、市民の期待に応えていなかければなりません。
 また、施策を実行し、その効果を確実に生み出すには、市職員の能力向上や、市役所におけるPDCAサイクルを重視した施策の企画立案システムの構築など、足元からの取り組みについても強化する必要があります。
 その上で、市役所が積極的な情報発信を行い、共有を図り、町内会をはじめとする市民とのパートナーシップを一層深めながら、『躍動する都市 北斗市の創生』を、市民皆さんとともに目指してまいりたいと考えております。

懸案事項

 次に、当面の懸案事項について申し上げます。
 私が市民の皆様にお約束をし、今任期中に実行しようとする施策は、第2次北斗市総合計画と方向性が同じであることを冒頭に申し上げました。
 その同じ方向性において、当面、最重点として取り組むべきものは、総合計画の戦略事項としても掲げた「北斗市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく施策群であると認識しており、これらに関わる次の5点を当面の懸案事項とし、今後、スピード感を持って実行してまいりたいと考えております。

 1点目は、第2子からの保育園・幼稚園の無償化についてであります。
 昨年12月、閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」では、わが国の少子化問題の一因として、子育てと仕事の両立や、子育てそして教育にかかる費用の負担が重いことを挙げています。
 私も、若い市民の方々から、同じような声、そしてまた、「近くの保育園に行けない」というお話を多く耳にし、市長就任後、希望する保育園に行けない、いわゆる「潜在的な待機児童数」について調査を行なったところ、現状で、57名のお子さんがいることが分かりました。
 また、無償化を実施した場合、現在、保育園や幼稚園に通っていないお子さんを入園させたいと思う保護者も増えることが予測されます。
 したがいまして、第2子からの保育園・幼稚園の無償化の検討と併せ、受け入れ施設の状況を把握するとともに、関係法人と協議を行い、受け入れ態勢の目途が立った段階で、無償化を実施してまいりたいと考えております。

 2点目は、商工業者への各種融資制度の拡充、そして、工業への設備投資・雇用の拡大に対する新たな支援制度の創設についてであります。
 「主要施策の推進」で申し上げたように、北斗市の中小企業金融支援につきましては、他市町村と比べ、高い助成率の利子補給や信用保証料補給制度があるほか、製造業やIT産業などに対し、立地や投資拡大を支援する市独自の補助制度もあります。

 また、政府は「未来投資戦略2017」や「生産性革命」を掲げ、地域経済を牽引する投資や、中小企業に特化した投資を誘発させようと、法整備や施策を強化しようとしております。
 こうした国の施策の実施に当たっては、圏域計画の策定など、今後、市町村が関わる場面も多くなることが予想されますので、早期の情報収集に努め、市内の企業にとって有効な支援策について、商工、税務、財政部局などが連携し、検討を開始しているところであります。

 3点目は、奨学金制度の拡充をはじめ、次代を担う子どもたちの意見を反映させる「子ども議会」の開催、国際社会へ対応する英語教育の充実であります。
 はじめに、市の奨学金制度につきましては、国の制度の拡充に向けた政府の動きもあり、これをふまえ、必要とされる具体の支援策を見極め、適切な時期に対処してまいります。
 また、「子ども議会」につきましては、今後、市議会ともよく相談をさせていただきながら、たくさんの方々を感動させた青少年育成大会での子どもたちの主張を発展できるよう、次代を担う世代を対象として開催してまいりたいと考えております。
 さらに、英語教育の充実につきましては、小学校での英語教育が平成32年度から本格実施されることをふまえ、教育委員会と連携を図りながら、子ともが関心を持って学べる教育環境づくりを目指し、今から準備を進めてまいります。

 4点目は、ベンチャービジネスの育成支援のための「チャレンジ交付金」についてであります。
 若者の新しい発想や、女性のやさしさが溢れるおもてなし、そして、シニア世代の経験に基づく知恵や技術など、これらの中には、将来、ビジネスに発展する可能性を秘めたものがあります。
 道南で学ぶ大学生のイベントや研究、起業に向けた地域活動をはじめ、農業女性の新商品開発、さらに、シニア世代の知恵や技術を活かした社会活動など、例え、今は小さな取り組みであっても、北斗市で広がりをみせるようにしたいと考え、このため、空き家や空き店舗、商店街の公共スペース、新函館北斗駅周辺もこうした活躍を応援できる資源として捉え、また、これまでの支援の枠組みにとらわれず、つなげる発想で既存制度の変更も視野に入れながら、始めは今できる支援を目標に、制度設計を進めてまいります。

 5点目は、市民の事業支援を目的とした「元気づくり応援補助金」の創設であります。

 現在、多くの市民が参加する自治組織である町内会に対しましては、町内会活動活性化交付金制度などがありますが、多様なまちづくりの担い手がそれぞれの役割と責務を果たし、市民と行政とのパートナーシップをさらに促進するため、新たな支援制度をつくってまいります。
 具体的な制度内容は、今後、市民皆様のご意見や、地域の取り組み状況などをふまえ、検討してまいりますが、基本的には「北斗市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げている4つの基本目標の達成に資するような地域の取り組みに対し、助成をしていく考えであります。

おわりに

 以上、平成30年度の市政に臨む私の所信を申し上げさせていただきました。

 おわりに、私の7つのまちづくりの基となっている2つの理念を申し上げさせていただきます。

 その1つはSDGsであります。
 「誰一人取り残されない」社会の実現を目指し、経済・社会・環境を巡る広範な課題に統合的に取り組むための持続可能な開発目標であり、国際社会が支持するこのSDGsの考え方が、北斗市の地方創生の実現に向けた指針であると思っております。

 また、これまでの議員活動を通じ、多くの市民の皆様からお話を伺ってまいりました。その中でいただいた貴重なご意見やご要望をふまえ、『市民目線に立ち、市民による市民のためのまちづくり』を進める、これが2つ目の理念であります。

 今申し上げた2つの理念を忘れず、子どもたちが大きくなったとき、「北斗市に生まれ、育ってよかった」といわれる北斗市、市民の皆様が誇りに思える北斗市を目指し、私に課せられた役割と責任を果たすべく、情熱と勇気をもって全力を傾注してまいる所存であります。

 改めまして、北斗市議会議員各位、そして、市民の皆様のさらなるご支援とご協力を賜りますよう、お願い申し上げ、平成30年度に当たっての所信といたします。

 

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